世界屈指の水都「信州」実現に向けて産学官金融連携

「信大クリスタル」が変える、安心・安全で付加価値の高い水アプローチ (長野県内の活動の一部紹介)

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 長野県はご存じのとおり日本アルプスなど類まれな自然環境から得られる豊かな水資源を持つ地域。そんな「水の都」でもある信州で、信州大学先鋭領域融合研究群先鋭材料研究所の手嶋勝弥所長(学術研究院工学系教授)を中心に進めてきたのが、信大クリスタルによる水のソリューションです。
 信大クリスタルとは、手嶋教授が研究する「フラックス法」でつくる高機能な無機結晶材料の総称。ルビーや水晶といった天然石が自然界で成長するのと同じメカニズムで生成され、設計次第で特定の物質を吸着するなどの機能を持たせることができます。その機能性を応用して不要な物質のみを選択的に除去する、これまでにない浄水器・浄水設備が生まれています。
 研究を推進するとともに成果を地域産業へ展開するため、信州大学では、2017年度より「信州型地域イノベーション・エコシステムプロジェクト」※1)が長野県と長野県テクノ財団、各企業なども連携しながら県内各地で活動を行っており、2022年には信州大学発ベンチャー「ヴェルヌクリスタル(株)」が設立され、事業化によるさらなる発展を目指します。
 すべての人に、平等に、おいしい水を提供する―この目標のもと、真の「水都」信州実現に向け進めてきた活動の一部をご紹介します。
※1)信州大学及び長野県が、文部科学省 平成29年度「地域イノベーション・エコシステム形成プログラム」に共同申請し、全国10拠点の中の一つとして平成29年度に採択された。正式名は「革新的無機結晶材料技術の産業実装による信州型地域イノベーション・エコシステム」
・・・・・ 信州大学広報誌「信大NOW」第132号(2022.3.31発行)より

信大クリスタルが目指す「水都」信州の在り方

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全ての水問題にソリューションを。明るく豊かな未来社会の実現に向けて「ヴェルヌクリスタル株式会社」が誕生

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 ヴェルヌクリスタル株式会社(長野市)は、フラックス法により育成された高機能結晶材料の開発・製造・販売を行うスタートアップ。2022年1月11日(一粒万倍日)に創業し、同年2月15日には、信州大学発ベンチャーとして認定されました。世界中で水問題に直面しているすべての人々に対し、安心・安全な水を提供していきます。

【所在地マップ

SDGsへの貢献、脱プラを目指したマイボトル専用アクアスポット「swee 」県内各地に続々展開中

 「swee(スウィー)」は2021年に登場した信大クリスタルを搭載した信大発のマイボトル専用アクアスポット。現在、信州大学松本キャンパスを始め、松本市など県内の自治体の協力を得て各地に展開中です。信州の水をさらにおいしく飲める場として、また市民や観光客にSDGs達成やPETボトルの削減など脱プラ社会への意識を高めてもらう場としても位置づけています。信州大学松本キャンパス、長野(工学)キャンパス、松本市役所、長野市役所のほか、観光客でもアクセスしやすい松本駅構内の松本市観光案内所、松本市乗鞍観光センター、信州まつもと空港など9箇所に設置され、一般の方に利用いただいています。

【所在地マップ④⑧

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おやき製造や飲食に関わる水関連施設を信大チームがトータルプロデュース 「いろは堂」新拠点の水プロデュース

 おやきの「いろは堂」(長野市)が2022年夏にオープン予定の新拠点は、おやき工場、カフェ、体験スペースなども併設した複合型施設。そこで使われる水関連設備は、おやき製造や飲食に関わる信州大学のチームがトータルプロデュース。工場の製造ラインはもちろん、目的にあわせ複合的に浄水設備を設置し、おやきの食味アップなどさまざまな効果を狙います。

【所在地マップ⑦】

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水を変えることで、厳選された原材料の良さを引き出す 老舗味噌蔵「喜多屋醸造店」で導入試験開始

 喜多屋醸造店(岡谷市)は、吟味した原材料を使い伝統製法で味噌・醤油をつくる老舗メーカー。2021年12月から信大クリスタルを使った浄水設備を導入し、その効果を試験中です。水を変えることで、原材料の良さ、味噌が持つ風味、味わいをさらに引き出した味噌づくりを目指しています。

【所在地マップ⑨】

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水、ホップ原料、醸造者… 信大関係者のコラボで生まれた新ビール クラフトビール「Bonding Flux」新登場

 信州大学大学院農学研究科の修了生冨成和枝さんが営むブルワリーIn a daze  Brewing(伊那市)が、2021年11月に販売を開始した「Bonding  Flux(ボンディングフラックス)」は、信大クリスタルとの出会いをきっかけにして誕生したクラフトビール。信大クリスタルの新浄水器で仕込み水を浄水、ホップは同じく信大卒業生が山梨県で栽培する「信州早生(しんしゅうわせ)」を使用。浄水技術から素材、醸造者まで信州大学関係者のコラボレーションで生まれた新コンセプトのビールです。

【所在地マップ⑩】

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ミネラル分をそのままに、信大クリスタルで磨いた日本酒仕込み水「勢正宗 信大仕込」誕生

 丸世酒造店(中野市)は明治から続く老舗の酒蔵。伝統の酒造りに先端研究が融合した初めての事例として、世界で初めて信大クリスタルを仕込み水の浄水に使用し醸造したのが「勢正宗 信大仕込(いきおいまさむね しんだいじこみ)」。酒造りに適した水に整え、地域の水の良さを最大限に引き出しました。2021年5月の発売に続き、同年11月には味わいの異なる「勢正宗 信大仕込 醇香(じゅんこう)」も発売されました。

【所在地マップ①】

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変色の要因となる鉄分などを取り除き本来の味噌の色合いをいつまでもそのままに「穀平味噌醸造場」が挑むワンランク上の味噌づくり

 1784(天明4)年創業の穀平味噌醸造場(小布施町)が課題としていたのが、時間と共に変化する味噌の色味。そこで信大クリスタルを使った新浄水器を製造ラインに導入し、水に含まれる鉄分など色味に影響を与える物質を選択的に取り除いたところ、良好な色味の白味噌を実現。各方面から高い評価を得ています。

【所在地マップ②】

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カフェの水をさらにおいしく調理用シンクに取り付けた新浄水設備八幡屋礒五郎「横町カフェ」で飲食店初導入

 七味唐辛子の老舗として全国的にも有名な八幡屋礒五郎(長野市)が、善光寺門前町の本店に併設している「横町カフェ」。そこで2022年に導入予定なのが、調理用シンクに取り付ける信大クリスタルを使った新浄水器です。飲食店導入は初。水の違いを消費者に直接届けられる場所となる予定です。

【所在地マップ③】

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水・エネルギー・物質の循環利用を実際に可視化するコンセプトハウス「サーキュラーエコハウス」が信州大学工学部に誕生

 長野(工学)キャンパスに設置した「サーキュラーエコハウス」は、ゼロカーボン社会の実現に向け、水・エネルギー・物質を循環利用することをコンセプトにしたコンパクトハウス。内部には各種浄水デバイスなどを設置し、災害時や発展途上国でも速やかに導入できる分散型インフラとしての活用を想定した実証実験を進めています。

【所在地マップ

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より安全で、おいしく飲める進化した飲用水を村の全域に届けたい 豊丘村「おいしい水プロジェクト」がスタート

 下伊那郡豊丘村では「おいしい水プロジェクト」を掲げ、その一環でまずは2021年に村役場に信大クリスタルの技術を応用した浄水設備を設置し実証試験中。豊丘村は南アルプスの麓に位置し、もともと豊かな水源のある地域。その水の良さを生かしながら、ポットなどに付着するスケール(水垢)の抑制を試験し、よりよい水の提供を目指しています。

【所在地マップ

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所在地マップ

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