樋口 由美子

樋口 由美子
教員氏名 樋口 由美子
職名 講師
所属 検査技術科学専攻
経歴 信州大学大学院医学研究科博士課程修了。
信州大学医学部附属病院臨床検査部及び先端細胞治療センターを経て、2015年4月から信州大学医学部保健学科。

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免疫学的側面から疾患の現象を捉える

体内には、病原微生物やウイルスなど外界の異物から自分を守る「免疫」という仕組みが備わっています。免疫には、様々な細胞が相互にバランスをとって関わっていますが、そのバランスが崩れると、感染症、アレルギー疾患、がんの発生とその進展につながるという事がわかっています。当研究室は、このような疾患の新規バイオマーカーを探索したり、疾患の発症機序を免疫学的側面から解明する研究を行い、臨床検査や治療に貢献することを目指しています。現在は、好中球が微生物を捕えて生体を守る方法の一つである細胞外トラップという現象を検出する方法を研究しています。また、赤芽球癆という血液疾患の発症機序をiPS細胞技術を用いて解明する研究も行っています。
実習風景.JPG
実習風景.JPG
蛍光顕微鏡を用いた好中球細胞外トラップの検出
好中球が自分の細胞内容を投網のように爆発させて異物を捕える現象を蛍光染色して撮影しています。
研究から広がる未来
好中球細胞外トラップは、感染症だけでなく、糖尿病、動脈硬化、がん転移などに関与していることがわかっていますが、日常臨床で検出する方法はありません。また、赤芽球癆もなぜ赤血球系のみ産生されなくなるのか、その機序は不明です。まだ臨床検査で捉えきれていないこれらの現象を数値として捉えることにより、疾患の診断・治療・予後予測のための有用な情報を臨床現場に提供できると期待されます。
細胞培養.JPG
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SDS-PAGE
タンパク質の分子量の差を利用して分離するタンパク質分析法です。
卒業後の未来像
細胞培養やフローサイトメトリー等の細胞解析法や、ELISAや電気泳動等のタンパク質解析法、遺伝子学的な実験手法を学び実践します。これらの技術の習得により、病院の臨床検査、細胞治療、企業の研究など様々な分野で活躍できる人材を育成します。
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患者白血球から誘導したiPS細胞の培養
iPS技術は再生医療や疾患モデルとして使用されるだけでなく、がんの細胞治療にも応用され始めています。クリーンベンチを用いて、培養細胞に微生物が混入しないように無菌操作を行います。