山内 一由
教員氏名 | 山内 一由 |
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職名 | 教授 |
所属 |
検査技術科学専攻 |
経歴 |
信州大学医療技術短期大学部卒,東京理科大学卒. |
アポリポ蛋白の臨床化学的研究から新しい臨床検査を創造する
学生時代から臨床化学に興味を持ち,以来一貫して臨床化学に携わってきました。臨床化学は,分析技術を駆使して特定の生体成分の臨床的意義を解明しその成果を医療に還元していく学問です。すなわち,分析力を強みとする臨床検査技師が最も活躍できる領域であり,それこそが臨床化学の最大の魅力です。当研究室では,アポリポ蛋白E(アポE)という蛋白質を対象として,動脈硬化症やアルツハイマー病をはじめとするアポE 関連疾患の早期診断と予防に有用な臨床検査法の開発を目的として研究に取組んでいます。特に現在は,酸化ストレスなどに伴なうアポE 分子の翻訳後修飾が脂質代謝や免疫調節などの諸機能に及ぼす影響について分子レベルで解析しています。
アポEが関与する主な生体機能と疾患・病態
研究から広がる未来
生体分子はその名の通り私たちが生きていくために必要な成分です。どんな分子でもその他多くの分子と相互に作用しながら何らかの重要な機能を担っており,その破綻に伴う疾患の発症にも必ず関わっています。もしかしたら着目した分子は疾患の発症にとって脇役なのかもしれませんが,その分子が関与する病態生理機能を追求すれば主役を突き止めることができ,当該分子の脇役としての重要性も明らかにできます。その成果は明日の医療に還元することができます。
アポEの主なアイソフォームの基本構造
卒業後の未来像
医科学を検査技術科学の視座から学ぶことにより身に付く分析力が臨床検査技師の最大の強みです。卓越した分析力があれば,最新・最良の医療を提供することができますし,医療人としてのキャリアの可能性も大きく広がります。
血清と髄液中のアポE(ウェスタンブロッティング)
アポEには主に3種類のアイソフォームE2, E3, E4 が存在し,その組合せによりホモ接合体とヘテロ接合体を併せて計6種類の表現型が存在する.