太田 浩良

太田 浩良
教員氏名 太田 浩良
職名 教授
所属 検査技術科学専攻
経歴 信州大学医学部医学科卒業
信州大学医学部附属病院臨床検査部
信州大学医学部保健学科検査技術科学専攻着任

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顕微鏡下に広がる細胞・組織の変化を捉える

病理組織標本にみられる細胞・組織の変化の意味や生物学的態度に思いめぐらすことはとても興味深いことです。現在では、細胞・組織の形態変化の背景にある物質や遺伝子の異常を組織標本上で捉えることができます。私たちは消化管粘膜の上皮細胞に類似した細胞から構成されている腫瘍が消化管以外にも発生することに注目して、その診断に有用な物質や診断の基準を研究しています。ピロリ菌はヒトの胃粘膜に棲息し、胃の悪性腫瘍の主たる原因と考えられていますが、ピロリ菌に似た別種の細菌がヒトや動物の胃粘膜に棲息していることが注目されています。これらの細菌の研究にも取り組んでいます。
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研究から広がる未来
正常組織や腫瘍組織において特定の細胞に発現している物質や発生する組織が異なっていても構成細胞が類似している腫瘍群においては発現が共通している物質があります。これらの物質には臨床検査としての利用や治療法に応用できる可能性を秘めたものがあります。ヒト胃粘膜に棲息するピロリ菌類似の細菌による胃疾患の発症機構の解明は胃疾患の治療や予防にも繋がります。
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(Helicobacter heilmannii s.s.)
卒業後の未来像
細胞や組織の変化として病気のイメージを捉えられることは、医療のあらゆる分野で大いに役立ちます。また、病気が発生する分子機構と細胞・組織の形態変化の両者を統合して考えることで病気の理解を深めることができます。
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(Helicobacter felis)