佐藤 優香

佐藤 優香


教員氏名 佐藤 優香
職名 助教
所属 看護学専攻
経歴 信州大学医学部保健学科看護学専攻卒業、同大学院医学系研究科修了(看護学修士)。助産師として病院勤務やJICA海外協力隊(モロッコ)での活動を経て、2023年に信州大学に着任。

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「産む」「産まない」
どちらの選択も尊重される社会を目指して

『Sexual and Reproductive Health and Rights(SRHR)』という言葉を知っていますか。日本語では、『性と生殖に関する健康と権利』と訳され、安心して性生活を営むことができ、妊娠・出産・人工妊娠中絶に関して身体的・精神的・社会的に本人の意思が尊重され、それらに関わる情報と手段を享受できる権利のことを意味します。
「産む」「産まない」どちらの選択もSRHRの視点から尊重され、新しく豊かな人生が歩めるようにケアが提供されるべきですが、日本では「産まない」選択をした女性へのケアは十分とは言えません。現在は、SRHRの中でも人工妊娠中絶に焦点を当て、女性に関わる専門職である助産師が介入しうる質の高いケアについて研究しています。
2022年3月に発行された新たな中絶ケアガイドライン(左)と中絶サービスを提供する医療者が避けるべき行動が記載されたインフォグラフィック(右)(出典:WHOホームページ).PNG
2022年3月に発行された新たな中絶ケアガイドライン(左)と中絶サービスを提供する医療者が避けるべき行動が記載されたインフォグラフィック(右)
(出典:WHOホームページ)
研究から広がる未来
「産まない」選択をする女性の背景には、性教育の不足や避妊の選択肢の不足、同意なき性行為や性暴力など、様々なSRHRをめぐる課題があります。これらの課題解決に向けては、保健医療分野だけでなく、教育や福祉、ジェンダーなど多分野と協働し、分野横断的なアプロ―チが必要です。すべての人がいつ、どこにいてもSRHRを享受できる社会、支援体制の構築を目指しています。
モロッコの同僚達と。海外活動もSRHRに関する課題について考えるきっかけとなりました。.JPG
モロッコの同僚達と。海外活動もSRHRに関する課題について考えるきっかけとなりました。
卒業後の未来像
「Think Globally, Act Locally. Think Locally, Act Globally.」という言葉があります。課題をグローバルな視点で考え、地域で行動を起こしていくこと。地域での経験を活かし、世界を変えていくこと。これらを実践する医療職を一緒に目指していきましょう。
中絶ケア研究は全国の助産師を対象にオンラインインタビュー調査を実施しました。.JPG
中絶ケア研究は全国の助産師を対象にオンラインインタビュー調査を実施しました。