大しごとーく in信州2018特別レポート

大しごとーく in信州2018

大学生の視点で 「生き方・働き方」を 企業・団体と一緒に考える。

 信州大学や長野大学、松本大学の学生たちが中心となった実行委員会で企画・主催した初のイベント「大しごとーくin信州2018」が、平成30年12月8日、信州大学松本キャンパスで開催されました。学生と社会人が気軽に対話し交流することを目的としたイベントで、当日は約80の長野県企業・団体がブースを出展。信州大学の学生たちのほか長野大学や県内の高校生なども来場し、未来の生き方・働き方について社会人の皆さんと語らいました。
 イベントを主導した学生たちが「大しごとーく」に込めた思いとは―。イベント当日の様子とともにご紹介します。
(文・柳澤 愛由)

・・・・・ 信州大学広報誌「信大NOW」第115号(2019.1.31発行)より

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出展者と実行委員会全員でクラッカーを鳴らしクロージング!

ターゲットは低年次の学生!スーツ不要、求人活動禁止、大学生が考えたキャリアイベント

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実行委員長の小林優貴さん(右)と企画リーダーの茂木結奈さん。LIDとはローカル・イノベーター養成コースの略

 本格的な就職活動に入る前の学生にとって、将来の働き方について考えたり、社会人と仕事について話をしたりする機会はあまり多くありません。そこで信州大学キャリア教育・サポートセンターでは、キャリア教育の一環として会社説明会や面接の場ではなかなか聞けない「働くことのリアル」について学生と社会人が気軽に対話し交流するトークイベント「しごとーく」を定期的に実施してきました。「大しごとーく」はその規模を大幅に拡大。学生が学生の視点で企画・運営を行う新しいスタイルのキャリア教育イベントという点でも特徴的な取り組みです。
 イベント当日、会場には各社・団体の製品・サービスを紹介するブースが並んでいました。一見合同企業説明会のようですが、ブースをよく見ると企業名より大きく掲げられていたのは、この日のために出展者が用意したキャッチフレーズ。「公務員がカタイなんていつの話だ!」「電気を止めるな!」など何ともユニークです。
 「どうやったらトークが生まれるのか、その仕掛け作りに苦労しました。学生同士アイデアを何度も出し合いました。自己紹介カードやキャッチフレーズを掲げてもらおうというのも学生のアイデアです」と実行委員長の小林優貴さん(経法学部2年)は振り返ります。

学生と社会人 それぞれのリアルを知る

 会場中央には「しごとーくエリア」という学生と社会人が膝を交えてざっくばらんに語り合う場が設けられました。「『しごとーく』に学生たちが本当に来てくれるのか最後まで不安でした。こんなにも参加してくれるとは思わなかったのでうれしいです!」そう笑顔で話すのはイベント中の企画運営・進行管理を担当した企画リーダー茂木結奈さん(経法学部2年)。企画内容の練り上げから参加者を誘導する場内アナウンス、会場設営や渉外に至るまで、そのほとんどを学生たちが取り仕切りました。

信州大学独自の学びが企画の助けに

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「しごとーくエリア」では膝を突き合わせて社会人と学生がトーク。学生はスーツ不要、求人活動禁止のルールのもと、社会のリアル、学生のリアルを語り合った

 「いきなりインターンシップに行っても働くイメージすらできていない学生も多い。まずは早い段階で仕事について気軽に語り合う場が学生にとっては必要です。また企業だけでなく、学生のニーズを取り入れたキャリア教育を実践するためには、『学生視点』が必要不可欠。学生たちにひとつのプロジェクトを作り上げるという経験をしてもらうのと同時に、学生のニーズを取り入れたキャリア教育を実践するために、今回企画した取り組みでもあります」。学生たちを指導した信州大学キャリア教育・サポートセンター勝亦達夫助教はそう話します。
 信州大学から実行委員会に参加した学生は、全員が信州大学独自の教育プログラム「ローカル・イノベーター養成コース※」の履修生。次世代の地域社会を舞台に活躍できる人材育成を目指した同コースでは、実践的な企画力やマネジメント力を磨くことを目的に、学生だけでイベント運営を行う「リアル・プロジェクト・マネジメント」という授業があります。同コースの教育プログラムとしても位置づけたことで、学生視点のキャリア教育イベント「大しごとーく」が実現しました。企画を任された学生たちは教員の助言を受けながら企画書を作っては修正を繰り返し、内容のブラッシュアップを続けてきたそうです。
 「大しごとーく」は今回の経験を次の2年生に引き継ぎ、来年度も実施予定。来場した学生たちにとっても運営側の学生たちにとっても、将来の生き方・働き方のビジョンを思い描くことにつながるイベントとなりました。
(※)社会から求められる高度キャリア人材を育成するため、昨年度から信州大学が実施している「全学横断特別教育プログラム」のひとつ。地域社会が抱える問題を的確に分析し、解決策を実践できる人材育成を目指したコース

出展者インタビュー

信州の暮らしをデザインする
(株)フォレストコーポレーション 遠山奈月さん

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 信州大学がキャリア教育に力を入れていることが伝わってきましたね。学生目線のイベントということもあって、学生さんたちとの距離も近いと感じました。運営も一般的なイベントと遜色ないものでした!ざっくばらんに疑問に思っていることを聞けたのもよかったです。

公務員がカタイなんていつの話だ!
長野県庁 岩瀬明日香さん 中島仁さん

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 学生らしいいい意味で砕けた雰囲気があり、だからこそ伝わりやすかったのではと思います。民間か公務員かといったイメージだけで分けて考えるのではなく、1つの働く場所として同じ視点で考え、選択の幅を広げて欲しいと伝えました。学生さんが働くイメージをどう持っているのか知りたいと感じていたのでいい機会になりました。

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