
2009年4月、人文学部の芸術ワークショップゼミの学生25人に与えられた課題は、展覧会を作ること。
さて、どんな?学生たちは展覧会のコンセプトやテーマ作りから取り掛かった。
・・・・・信大NOW61号(2010.1.27発刊)より
ゼミ担当の金井直准教授が始めに紹介したのは、アーティストの西尾美也さん。
西尾さんはOverallプロジェクトと称し、市民と協働して土地の古い記憶を表現する巨大なパッチワーク制作をしたり、数十年前と同じ服装で家族写真を再現するなど、「装い」とコミュニケーションの関係性を追究している。学生たちは、西尾さんに触発されて、「衣服、装う」ことの本質を見ようとする試みから始めた。
「松本市内で要らなくなった服ってどれだけあるの?」西尾さんとの協働は、古着を集めることから。市内の公民館などに協力頂き、2000着以上が集められた。
そこから同じ形をしたちょうど帽子ぐらいの袋を見つけ、一つのグループが覆面にして街を歩いてみた。顔の表情が読み取れない覆面は見る人に得体の知れない不気味さを感じさせる。覆面の内側の自分の気持ちと外から見る人々の表情のズレに、いつもと違う感情が生まれてきた。
別のグループは服のイメージに人を合わせてストーリーを作って写真撮影、あるいは「装い」だけを変えて他人になってみるなど、一つ一つの試みに、「衣服」「装い」の今まで気づかなかったコミュニケーションの姿が現れてきた。
アーティストは何を見て作品づくりをしていくのか? 学生たちの試みの中に、アーティストの作品との橋渡しになるヒントが見え隠れする。展覧会の一角は、彼らの活動をそのまま披露することにした。同時に進められていた西尾さんとの協働制作は、松本の人々の温もりがこもった古着から、松本の古い記憶、松本連隊の兵士たちが生まれた。
展覧会の企画は、キムスージャさん、曽根裕さんという社会と「私」との関わりを独特な映像で見せるアーティストの参加が決定。さらに北村明子准教授の企画・指導で行うパフォーマンスイベント(22日開催)には、アーティストグループのレニ・バッソ、CAVAらと学生がそれぞれダンスパフォーマンスを提示することになるなど、多彩な様相になってきた。
11月17日、ついに松本市美術館で「装う」こととコミュニケーションの関係、「社会の中の私」を見ようとする展覧会、「Costume in play(コスチューム・イン・プレイ)」を開催。23日の最終日まで展示を楽しむ人々は途切れずに、様々な要素はひとまとまりの調和を感じさせる、評判のいい展覧会となった。
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