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研究会

信州大学経法学部において月1回のペースで開催される「研究会」は、経済学、経営学、法学、政治学など、社会科学諸分野の研究成果 について報告・議論する場を提供し、さまざまな研究トピックスに関して相互理解を深めるとともに、研究者間でのコミュニケーションの促進を図ることを目的としています。
構想段階の研究や調査進行段階の研究も発表可能であり、研究者間の意見交換を通 じて研究内容の発展を図るなど、建設的な議論が展開されています。また、報告者は信州大学の教員にとどまらず、他機関の研究者も積極的に招き入れ、より広範なトピックスを取り扱うことを目指しています。
開催スケジュールと内容については、本ホームページに随時掲載する予定です。

  • 日 時 2019年7月31日(水) 16:00~17:30
    場 所 研究会室
    報告者 池田 秀敏(信州大学経法学部教授)
    テーマ 胎児の権利能力を巡る実務
    要 旨 胎児は「既に生まれたものとみなす」(民法721条、886条)とする意味について、判例は停止条件説に立っていると言われています。ところが、登記実務においては、戦前から一貫して解除条件説に基づく取り扱いがなされており、胎児を権利者とする所有権移転登記が認められています。なぜこのような登記実務が継続されてきたのか、その理由には合理性があるのか、課税実務とも対比しつつ検討します。
  • 講演者 芝 啓太
    所 属 信州大学先鋭領域融合研究群社会基盤研究所
    日 時 2019年7月24日(水) 16:30~18:00
    場 所 信州大学経法学部 研究棟4階 研究会室
    題 目 津波によるリスク認識の変化と地価変動
    概 要 東日本大震災による予想を上回る甚大な津波被害は、東南海地方で発生するとされる南海トラフ大地震への警戒を強めた。このような震災の発生する可能性が高い地域において、被災の大きさに対する認識が変化すると、人々の移住行動や土地に対する選好に大き な影響を与えると考えられる。本研究では津波による被災リスクに着目し、公的な指標であるハザードマップの利用と、主観的な指標も含む標高や海岸線からの距離を用いて、地価の変動を推定した。その結果、東日本大震災後には土地に対する選好として、標高を強く意識していることが明らかとなり、震災後に統計的有意に地価を変動させた。一方で、ハザードマップに則った地価の変動は起きていなかった。つまり、人々は標高を参考として主観的に土地への選好を変化させたことが示唆された。
  • 日 時 2019年7月18日(木) 16:30~18:00
    場 所 研究会室
    報告者 山口 真由(東京大学大学院法学政治学研究科博士課程)
    テーマ 合衆国の親子関係と州の介入
    要 旨 合衆国の親子法は、子に対する親の権利と州の利益(parens patriae)の二重構造となっている。通常は、親の権利を保護することを通して子に対する自らの利益を実現しようとする州は、しかし、一定の基準で親子関係に介入する。この介入基準の変化について報告する。
  • 講演者 大野 太郎
    所 属 信州大学経法学部
    日 時 2019年6月26日(水) 16:30~18:00
    場 所 信州大学経法学部 研究棟4階 研究会室
    題 目 家計の金融所得と税負担の実態
    概 要 近年、金融所得課税の強化を通じた所得格差是正に関する議論が増えつつあるが、そもそも我が国における家計の金融所得およびその税負担の実態・動向についてはこれまでところ十分に明らかにされてきたわけではない。これらの点を把握するにあたっては家計マイクロデータを利用することが有益であり、その一つとして総務省統計局『全国消費実態調査』が挙げられる。しかし、同調査は家計の属性や所得等について豊富な情報を有するものの、金融所得に係る記入については不正確であることが指摘されてきた。そこで、本報告では『全国消費実態調査』(1989~2014年調査)の個票データを用いて、金融所得の推計値を構築することで調査統計に補正を加えながら、家計の金融所得およびその税負担の実態について考察する。
  • 日 時 2019年6月12日(水) 17:00~18:30
    場 所 研究会室
    報告者 大江裕幸(信州大学鋭領域融合研究群社会基盤研究所准教授)
    テーマ 国における新行政不服審査法の運用上の課題と展望
    要 旨 行政上の権利救済手続についての一般法である行政不服審査法が全面的に改正、施行されて3年余りが経過した。本報告は、この間の国の行政機関における改正行政不服審査法の運用の実態を解明し、運用上の課題を整理した上で、解釈論、立法論の双方にわたり今後の展望を示すことを目的とする。

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