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研究会

信州大学経法学部において月1回のペースで開催される「研究会」は、経済学、経営学、法学、政治学など、社会科学諸分野の研究成果 について報告・議論する場を提供し、さまざまな研究トピックスに関して相互理解を深めるとともに、研究者間でのコミュニケーションの促進を図ることを目的としています。
構想段階の研究や調査進行段階の研究も発表可能であり、研究者間の意見交換を通 じて研究内容の発展を図るなど、建設的な議論が展開されています。また、報告者は信州大学の教員にとどまらず、他機関の研究者も積極的に招き入れ、より広範なトピックスを取り扱うことを目指しています。
開催スケジュールと内容については、本ホームページに随時掲載する予定です。

  • 日程:2018年8月9日(木) 16:30--18:00
    題目:量子系の統計推測 ~統計学からのアプローチ

    講演者:田中 冬彦
    所属:大阪大学
    場所:経法学部 研究棟4階 研究会室
    概要:量子系の統計推測は, これまで, 量子情報という物理学の一分野の中で発展してきたため, 量子論をより深く理解しようという理論物理学者の動機づけが中心だった. 推定誤差の理論限界や下限の導出や, 従来の統計学で既に確立している理論結果の拡張といった研究成果が多く得られている. その一方で, 実験技術の進歩と, 近年話題の, 量子コンピュータの実現に向けた統計手法のニーズの高まりを受けて, 実験での応用を前提とした統計手法の研究も急速に進んでいる. 講演者は(物理学の視点ではなく)統計学の視点に立って基礎理論から実応用にかけて研究を進めてきた. 本講演では, 量子情報の基礎的事項を説明した後, 推測統計の考え方との差異について触れ, 統計学の視点に沿った研究成果の幾つかを紹介する. 具体的には, 射影測定の漸近的許容性, 量子ビット系の無情報事前分布, 自己整合量子トモグラフィにおける正則化推定量の一致性といった話題を予定している. なお, 本講演の一部は東京大学先端科学技術研究センターの杉山太香典氏, 広島大学大学院理学研究科の伊森晋平氏との共同研究に基づく.
  • 日 時 2018年7月24日(金) 16:10~17:35
    場 所 研究会室
    報告者 池田秀敏(信州大学経法学部教授)
    テーマ 電子データの引渡し義務を巡って迷走する裁判例
    要 旨 電子データの引渡し義務を巡って裁判例が迷走していることを明らかにするために、電子データの引渡しの請求、あるいは電子データの引渡し義務の不履行による損害賠償請求がなされた訴訟における原告主張の法的構成、それに応答する判決の内容が紹介された。そのうえで、実務上、引渡し請求が可能となる契約はあり得るのかが検討された。
  • 日 時 2018年6月27日(水) 18:20~19:55
    場 所 401演習室
    報告者 山口真由氏(ニューヨーク州弁護士)
    テーマ 嫡出推定の新しい意義
    要 旨 非配偶者間の人工授精(AID)が用いられた場合,さらに血縁関係がないことが外部からある程度明らかな場合に嫡出推定は適用されるのかに関する日米の議論状況の考察を介して,家族の多様化の要請の中で法的親子関係はどのように構築されるべきかが検討された。
  • 講演者 岩田一哲
    所 属 信州大学経法学部
    日 時 2018年6月27日(水)16:30~18:00
    場 所 信州大学経法学部 研究棟4階 研究会室
    題 目 女性管理職のストレス因の探索-日米の比較から-
    概 要 女性管理職の割合は欧米と比べて低い水準に留まっており、女性管理職のより積極的な登用が喫緊の課題とされている。ただし、管理職はストレスフルな職種であるため、女性管理職の登用拡大を考える上で、ストレスの削減は重要な課題である。そこで、女性管理職のストレス因を日米両国で探索し、女性管理職登用や活躍の条件を検討する。調査結果は、日米の共通点は、役割葛藤が強力なストレス因であり、長時間労働の代理変数である月平均残業時間が、直接のストレス因であった。日米の相違点は、日本のみで仕事負荷と役割曖昧性が直接のストレス因であった。 したがって、女性管理職の登用・活躍のためには、役割葛藤への対策を急ぐべきであり、特に日本では、仕事や役割を明確にして、仕事の負担感を削減する必要がある。
  • 第3回数理経済談話会(トポロジーセミナーとの共同開催)
    日程:2018年7月4日(水) 16:30--18:00
    題目:位相的及び組合せ的手法を用いたモーション設計
    講演者:田中 康平 氏
    所属:信州大学
    場所:理学部A棟4階 数理攻究室 (A-427)
    概要:近年,自動走行による人や物資の輸送技術が急速に発達してきている.これら自動走行を制御するプログラムの根幹にあるのは,与えられた2つの地点(始点,終点)をどのようなルートで繋ぐかという問題である. 本講演では,位相幾何学の視点から連続的なモーション設計の話題を提供したい. これはM. Farberによって導入された位相的複雑さという概念であり,自走プログラムを実現するためには何種類の局所的なモーションプランを用意すればよいかという問題に帰着される. また,その組合せ論的な近似,さらに対称性を持つモーション設計についても紹介したい.

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