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研究会

信州大学経法学部において月1回のペースで開催される「研究会」は、経済学、経営学、法学、政治学など、社会科学諸分野の研究成果 について報告・議論する場を提供し、さまざまな研究トピックスに関して相互理解を深めるとともに、研究者間でのコミュニケーションの促進を図ることを目的としています。
構想段階の研究や調査進行段階の研究も発表可能であり、研究者間の意見交換を通 じて研究内容の発展を図るなど、建設的な議論が展開されています。また、報告者は信州大学の教員にとどまらず、他機関の研究者も積極的に招き入れ、より広範なトピックスを取り扱うことを目指しています。
開催スケジュールと内容については、本ホームページに随時掲載する予定です。

  • 講演者 島田 夏美
    所 属 信州大学情報・DX推進機構
    日 時 2022年9月13日(火)10:00~11:30
    場 所 信州大学経法学部 研究棟4階 研究会室
    題 目 Factors Causing Non-sincere Bidding in the Vickrey auction (co-authored with Shigehiro Serizawa and Tiffany Tsz Kwan TSE)
  • 講演者 長島 稜剣氏
    所 属 横浜国立大学経済学部(学生)
    日 時 2022年2月2日(水)17:30~18:00
    場 所 オンラインミーティング
    題 目 Nash implementation of weakly stable correspondence with distributional constraints
    概 要 In this study, we consider many to one matching problems with distributional constraints. For the theory of two-sided matching, stability is a key solution concept and the main objective of studies. In contrast to the conventional model, however, the notion of stability varies in a matching model with distributional constraints since some deviation sometimes violates feasibility. Kamada and Kojima (2017) propose two notions of stability, strong stability and weak stability. They show that the former does not necessarily exist and the latter always exists. However, it is unknown how to achieve a weakly stable matching in some strategic solution concepts. This paper focuses on Nash equilibria and asks whether a weakly stable correspondence is Nash implementable or not. Surprisingly, Nash implementability of the weakly stable correspondence depends on the total number of doctors. We show that, on one hand, the weakly stable correspondence is Nash implementable, when the number of doctors is large enough to overflow the seats, or when it is small enough not to violate feasibility constraints, on the other hand, when the number of doctors does not fall in the above, the weakly stable correspondence is generally not Nash implementable.
  • 講演者 平野 飛鳥氏
    所 属 横浜国立大学経済学部(学生)
    日 時 2022年2月2日(水)16:30~17:30
    場 所 オンラインミーティング
    題 目 Compatibility between incentives and efficiency in the probabilistic assignment problem on the full preference domain
    概 要 We consider the probabilistic assignment problems of n agents and n objects in which every agent receives probabilities that he is allocated each object on. For those problems, there are two main desiderata: strategyproof-ness and ordinal efficiency. When all agents have strict preferences, the random priority (RP) mech-anism satisfies strategyproofness, ex post efficiency and equal treatment of equals. The probabilistic serial (PS) mechanism which Bogomolnaia and Moulin (2001) propose is weakly strategyproof, ordinally efficient and envy-free. Thus, efficiency and incentives are compatible. Katta and Sethuraman (2006) extend PS mechanism to the full preference domain, which indifferences are allowed. Their extended PS mechanism satisfies ordinal efficiency but not even weak strategyproofness. They further show that there is no mechanism that is weakly strategyproof, ordinal efficient and envy-free. Consequently, it is still unknown if there exists a mechanism which possesses both efficiency and incentives on the full preference domain. Finally, we propose a novel extension of the RP mechanism to the full preference domain, which satisfies strategyproofness, ex post efficiency and equal treatment of equals. Therefore ex post efficiency and strategyproofness are compatible even on the full preference domain.
  • 講演者 幸崎 寛大
    所 属 信州大学大学院(学生)
    日 時 2022年1月13日(木)17:00~18:30
    場 所 信州大学経法学部 研究棟4階 研究会室
    題 目 賞金格差がもたらすコンテストへの影響に関する実験研究
    概 要 本論文は、Moldovanu and Sela (2001)が論じたコンテスト・モデルと、それを実証的に分析したMuller and Schotter (2010)の実験モデルを基に、コンテストの勝者が獲得する賞金構造の変化が、参加者の行動にどう影響するか検証するものである。そのために、先行研究によって行われたコンテストに、優勝者が最大額の賞金を獲得し準優勝者がそれよりも小さい額の賞金を獲得するという、「賞金格差ありコンテスト」を加えた経済実験を、z-Treeを用いて実施した。分析の結果、賞金格差ありコンテストは他のコンテストに比べ効率的なコンテストを実現したうえ、参加者の過剰努力と過少努力の二極化を緩和したことが分かった。しかし、才能が高い参加者が期待以上に成果を発揮せず、全体的に過少努力の特徴が見られ、主催者の観点からは課題が残る結果となった。しかし、先行研究には見られない参加者の行動を引き出すなど、賞金構造の変化が参加者の行動の変化をもたらす可能性が示唆された。
  • 講演者 広瀬 純夫
    所 属 信州大学
    日 時

    2021年12月22日(水)16:30~18:00

    場 所 信州大学経法学部 研究棟4階 研究会室
    題 目 混合戦略で考える「信号のない横断歩道での自動車の一時停止」:法遵守の傾向への影響要因の分析
    概 要 本研究では,「信号のない横断歩道での自動車の一時停止」を題材として,法遵守への影響要因を検討した.法遵守を促す場合,取締強化による摘発可能性の上昇や罰則の強化など,行為者へのインセンティブに働きかけることが議論されがちである.実際,「信号のない横断歩道での自動車の一時停止」では,歩行者妨害の摘発が増えると,一時停止率が改善する傾向を確認できる.さらに,単位人口当たりの交通事故発生件数への影響要因を分析すると,歩行者妨害の摘発頻度が上がれば.事故発生頻度が低下することから,取締りの強化が事故抑止に効果があることも確認できる.一方で,歩行者妨害の摘発頻度をコントロールしても,「信号のない横断歩道での自動車の一時停止」の交通事故発生頻度への影響も,統計的に有意である.つまり,取締り強化以外の事故発生への影響要因を,「信号のない横断歩道での自動車の一時停止」は反映している可能性がある.そこで,本研究では,取締強化のような行為者へのインセンティブの効果以外の要因として,当該行為の相手となる主体,つまり歩行者の特性が,ドライバーの法を遵守する傾向に影響を及ぼしている可能性を検証した.具体的には,信号のない横断歩道での歩行者とドライバーの関係を,同時手番のゲーム的な状況で捉え,ドライバーが,混合戦略に従って"止まる"か"止まらない"かを選択している可能性を検討した.分析上のポイントは,混合戦略で,ドライバーが"止まる"を選ぶ確率は,歩行者側の利得の構造に依存する点である.2018年から2020年の,JAFが調査した「信号のない横断歩道での自動車の一時停止」の都道府県別データをパネルデータとして検証したところ,高齢者人口比率や,実収入,家計支出に占める教育費割合などの歩行者側の特性が,ドライバーが"止まる"を選ぶ確率に影響を及ぼしていることを確認した.たとえば,高齢者が横断歩道に面して立っている時,一時停止をしても,歩行者の方が笑顔で譲ってくれることがある.これは,歩行者にとって,ドライバーが"止まる"を選んだ時に,"渡る"ことと"渡らない"ことの利得の差が小さい(たとえば,急ぐ用事があるわけではないので,すぐにわたる必要はない)ことに起因する可能性がある.こうした歩行者側の利得の構造は,ドライバーが"止まる"を選ぶ確率を高くする.また,ドライバーが"止まらない"時に,歩行者が"渡る"と,事故に遭って怪我を負う可能性が高い.事故に遭う期待損失は,所得水準が高いほど大きくなる.期待損失が大きくなること(ドライバーが"止まらない"時に,歩行者が"渡る"時の歩行者の利得が低くなること)は,ドライバーが"止まる"を選ぶ確率を,高くする方向に作用する.実収入が高い,あるいは,上級材である教育費の支出割合が高いと,一時停止率が高くなる傾向は,こうした歩行者側の特性を反映したものと考えられる.

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