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研究会

信州大学経法学部において月1回のペースで開催される「研究会」は、経済学、経営学、法学、政治学など、社会科学諸分野の研究成果 について報告・議論する場を提供し、さまざまな研究トピックスに関して相互理解を深めるとともに、研究者間でのコミュニケーションの促進を図ることを目的としています。
構想段階の研究や調査進行段階の研究も発表可能であり、研究者間の意見交換を通 じて研究内容の発展を図るなど、建設的な議論が展開されています。また、報告者は信州大学の教員にとどまらず、他機関の研究者も積極的に招き入れ、より広範なトピックスを取り扱うことを目指しています。
開催スケジュールと内容については、本ホームページに随時掲載する予定です。

  • 講演者 田中康平
    所 属 信州大学経法学部
    日 時 2017年11月30日(木)14:40--16:10
    場 所 信州大学経法学部 研究棟4階 研究会室
    題 目 オイラー積分とセンサーネットワーク -マインスイーパの極意-
    概 要 マインスイーパというゲームは、領域に散らばったターゲット(地雷)がどこにあるのかを領域上の局所的な個数情報から推理するものである。本講演ではそのマインスイーパの状況下で「どこに」ではなく「いくつ」に着目したゲームを考え、ターゲットの総数を数え上げる手法を紹介する。局所的な範囲のターゲットの個数は領域上のセンサーによりすべて補足されている状況において、それらを足し合わせても総数が得られない理由は重複カウントが起こっているからである。この重複カウントをうまく解消するためには、包除原理の性質を持つオイラー標数、およびそれを測度とみなした積分理論が有効である。本講演ではオイラー積分の理論と応用の両面から解説し、離散的なグラフネットワークの場合も紹介したい。
  • 日 時 2017年11月21日(火) 17:30~19:00
    場 所 研究会室
    報告者 蔡芸琦氏(信州大学経法学部助教)
    テーマ 詐欺罪における告知義務の判断
    要 旨 判例によれば、詐欺罪における「人を欺」く(欺罔)行為と評価できるのは、真実を反する内容を述べて取引の相手方に錯誤を陥らせた「作為」だけではなく、相手方の錯誤を是正しなかった「不作為」も含まれる。不作為による詐欺罪の成立要件である「告知義務」の判断方法について、明確な指針が提示されているとは言い難いため、本報告は、台湾の判例及び学説の議論を手がかりに、告知義務の判断方法の具体化を試みる。
  • 第5回数理経済談話会

    日時:2017年11月30日(木)16:30--18:00
    題目:非加法的測度と非線形積分
    講演者:本田 あおい
    所属:九州工業大学
    場所:経法学部 研究棟4階 研究会室
    概要:非加法的測度は空集合で0となる単調増加な集合関数であり、非加法的測度による積分は非線形な積分となる。これらの測度、積分に相当する概念は古くから数学の種々の分野で研究されていたが、非加法性、非線形性を明確に意識して考察を行ったのはSugeno(1974)が端緒であると思われる。その後、工学、数理経済等の分野からの要請に応え多岐にわたる精力的な研究がなされ、また数学分野においても徐々に注目が高まり重要な結果が得られてきている。本講演では非加法的測度による積分に焦点をあて、Choquet積分、Sugeno積分をはじめとする色々な積分を紹介しながら、積分の性質やデータ解析への応用手法などを紹介する。
  • ※本研究集会は信州大学理学部の数理科学談話会と合同開催です。

    日時:11月13日(月) 16:30 - 18:00
    題目:3次元リーマン多様体の局所等長埋め込み
    講演者:橋永 貴弘
    所属:北九州工業高等専門学校
    場所:理学部A棟4階 数理自然情報合同研究室(※場所が理学部ですのでご注意ください)
    概要:任意のリーマン多様体は十分大きな次元のユークリッド空間に局所的あるは大域的に等長にはめ込める(埋め込める)ことが知られている.しかしながらユークリッド空間の次元が小さくなると, 一般には等長に埋め込むことはできず, 等長埋め込み可能性を判定することも困難である.本講演ではリーマン多様体の局所等長埋め込みに関して, 初歩的な部分から解説するとともに, 最近得られた結果について紹介する.特に, 曲率に関するあるgeneric な仮定の下で, 3次元リーマン多様体が4次元ユークリッド空間へ局所等長埋め込み可能であるための内在的な量による必要十分条件を紹介する.尚本講演の内容は広島大学の阿賀岡芳夫氏との共同研究に基づく.
  • 講演者 松島法明
    所 属 大阪大学社会経済研究所
    日 時 2017年11月1日(水) 16:30--18:00
    場 所 信州大学経法学部 研究棟4階 研究会室
    題 目 Competitive personalized pricing with sophisticated consumers (co-authored with Zhijun Chen and Chongwoo Choe)
    概 要 Personalized pricing, a practice of price discrimination among targeted consumers, becomes increasingly popular due to the unprecedented availability of vast individual-level data. This paper studies personalized pricing in competitive markets when consumers are sophisticated to overcome hurdles for price discrimination. Sophisticated consumers can access to the low price for new customers, which discourages competing firms from serving new customers and/or poaching the rival's customers. Using a simple Hotelling setting, we show that, when consumers are sophisticated, competing firms can earn the profit of Perfect Price Discrimination (PPD) and extract full consumer surplus if firms have sufficiently large and non-overlapping target zones. Consumers are strictly worse-off under competitive personalized pricing, a result in contrast with the common view in the literature. Our findings also appeal for the regulation of internet privacy.

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