研究会
信州大学経法学部において月1回のペースで開催される「研究会」は、経済学、経営学、法学、政治学など、社会科学諸分野の研究成果 について報告・議論する場を提供し、さまざまな研究トピックスに関して相互理解を深めるとともに、研究者間でのコミュニケーションの促進を図ることを目的としています。
構想段階の研究や調査進行段階の研究も発表可能であり、研究者間の意見交換を通 じて研究内容の発展を図るなど、建設的な議論が展開されています。また、報告者は信州大学の教員にとどまらず、他機関の研究者も積極的に招き入れ、より広範なトピックスを取り扱うことを目指しています。
開催スケジュールと内容については、本ホームページに随時掲載する予定です。
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講演者 大野 太郎氏 所 属 信州大学経法学部 日 時 2024年7月3日(水) 16:20~17:50 場 所 信州大学経法学部 研究棟4階 研究会室 題 目 所得税における控除の負担軽減効果と再分配効果:税務データを用いた分析 概 要 日本の所得税において控除制度のあり方は重要な政策課題の一つである。控除が所得税の累進的な負担構造にどのような影響を与えているのかを捉えるにあたっては、控除による負担軽減効果の構造や所得再分配への影響についてデータに基づく実態把握が有益である。 本報告では個人情報が秘匿された所得税確定申告書の個票データ(2020年)を用いて、控除の負担軽減効果および再分配効果を定量的に評価する。
参加を希望される方は,こちらのGoogleフォームに氏名とメールアドレスを記載ください。
なお,スタッフセミナーへの質問は,増原(masuhara__at__shinshu-u.ac.jp)までご連絡ください。
※__at__は,@に置き換えてください。
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講演者 小林 寛氏 所 属 信州大学経法学部 日 時 2024年6月17日(月) 10:40~12:10 場 所 信州大学経法学部 研究棟4階 研究会室 題 目 「再生可能エネルギー事業による生態系影響に関する法的考察―アメリカにおける再エネ訴訟(太陽光・風力)との比較」 概 要 太陽光や風力などの再生可能エネルギーの促進には絶滅危惧種を含む生態系に対する影響や反射光・騒音による生活妨害など新たな環境問題の発生を伴い,日米において再エネ事業に対して差止めなどを求める訴訟が複数提起されている。
本報告は,再エネ事業による生態系影響の回避・低減のために,米国における再エネ訴訟(インディアナコウモリ事件等)から示唆を受けつつ,これらの両立に向けた法的考察を行うことを目的とする。参加を希望される方は,こちらのGoogleフォームに氏名とメールアドレスを記載ください。
なお,スタッフセミナーへの質問は,赤川(oakagawa__
at__shinshu-u.ac.jp)までご連絡ください。 ※__at__は,@に置き換えてください。
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講演者 ウェステニウス 嘉晃氏 所 属 信州大学経法学部 日 時 2024年5月29日(水) 14:40~16:10 場 所 信州大学経法学部 研究棟4階 研究会室 題 目 自己資本規制と景気循環 概 要 本報告では,報告者がこれまでに行なってきた「自己資本規制と景気循環」をテーマとする二つの研究を概観する。はじめに,銀行に対する自己資本規制の実施が景気循環を抑制する効果を分析した理論的研究について報告する。つぎに,自己資本規制を補完するような新たな政策の枠組みを理論的に検討した研究について報告する。最後に,研究の今後の展開とその計画について説明する。
参加を希望される方は,こちらのGoogleフォームに氏名とメールアドレスを記載ください。
なお,スタッフセミナーへの質問は,増原(masuhara__at__shinshu-u.ac.jp)までご連絡ください。
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講演者 久保田 隆氏 所 属 帝京大学法学部 日 時 2024年3月4日(月) 15:00~16:00 場 所 信州大学経法学部 研究棟4階 研究会室 題 目 ロシア=ウクライナ戦争における国際法上の重大犯罪の訴追・処罰 概 要 2022年2月24日にロシアがウクライナに対して軍事侵攻を開始して以来、同国では国際法上の重大犯罪にあたりうる行為が数多く行われたこ とが明らかとなっている。 本報告では、国際刑事裁判所(ICC)、ウクライナおよび第三国による取り組みを概観した上で、そこで生起しうる法的問題について検討がなされる。また、 これに関連する日本の法制度への示唆についても言及がなされる。 講演者 箕輪 さくら氏 所 属 宮崎大学地域資源創成学部 日 時 2024年3月4日(月) 16:00~17:00 場 所 信州大学経法学部 研究棟4階 研究会室 題 目 動物と法ー現在までの研究と今後の研究計画 概 要 本報告は、報告者のこれまでの実定法における動物法制に関する研究を概観す るものである。 「1.飼育動物と法」では、これまでの日本における飼育動物に関する状況を確認し、日本の法制度に影響を与えているイギリスの法制度についての研究 成果を示す。あわせて、 現在の日本における動物愛護管理法の実施過程における問題点を指 摘する。 「2.法制度の発展にむけて」では、「1.飼育動物と法」で示した内容を受け、日本における飼養動物関連法制の発展に向けた方策と今後の研究計 画を報告する。 -
講演者 松島 法明氏 所 属 大阪大学社会経済研究所 日 時 2024年3月7日(木) 17:00~18:30 場 所 信州大学経法学部 研究棟4階 研究会室 題 目 The bright side of the GDPR: Welfare-improving privacy management (co-authored with Chongwoo Choe and Shiva Shekhar) 概 要 We study the GDPR's opt-in requirement in a model with a firm that provides a digital service and consumers who are heterogeneous in their valuations of the firm's service as well as the privacy costs incurred when sharing personal data with the firm. We show that the GDPR boosts demand for the service by allowing consumers with high privacy costs to buy the service without sharing data. The increased demand leads to a higher price but a smaller quantity of shared data. If the firm's revenue is largely usage-based rather than data-based, then both the firm's profit and consumer surplus increase after the GDPR, implying that the GDPR can be welfare-improving. But if the firm's revenue is largely from data monetization, then the GDPR can reduce the firm's profit and consumer surplus.