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研究会

信州大学経法学部において月1回のペースで開催される「研究会」は、経済学、経営学、法学、政治学など、社会科学諸分野の研究成果 について報告・議論する場を提供し、さまざまな研究トピックスに関して相互理解を深めるとともに、研究者間でのコミュニケーションの促進を図ることを目的としています。
構想段階の研究や調査進行段階の研究も発表可能であり、研究者間の意見交換を通 じて研究内容の発展を図るなど、建設的な議論が展開されています。また、報告者は信州大学の教員にとどまらず、他機関の研究者も積極的に招き入れ、より広範なトピックスを取り扱うことを目指しています。
開催スケジュールと内容については、本ホームページに随時掲載する予定です。

  • 講演者 島田 夏美氏

    所 属

    大阪大学社会経済研究所
    日 時 2021年3月29日(月)13:30~15:00
    場 所 オンラインミーティング
    題 目 An experimental study on strategic preference formation in two-sided matching markets
    概 要 学生と企業がマッチするような二部マッチング市場で、Gale and Shapley(1962)によって提案された学生側提案Deferred Acceptance メカニズ(DA)によるマッチングをベースとし、選好情報開示の影響、および、学生の戦略に主眼を置く。以下の3 つのトリートメントを設定し、就職市場のマッチングの枠組みで、経済実験によって検証する。(i) 学生側は企業の選好を知らず、企業側は真の選好を提出する、(ii) 学生側は企業の選好を知っており、企業側は真の選好を提出する、(iii) 学生側は企業の選好を知っているが、企業はより高く希望してきた学生を優先した選好を提出する。この実験で選好を開示することは学生の選好形成に影響を与え、安定性が低下するこを確認した。さらに、マッチング市場におけるcompromise strategyという規則性を発見した。
  • 講演者 坂東 桂介
    所 属 信州大学経法学部
    日 時 2021年1月27日(水)13:30~15:00
    場 所 信州大学経法学部 研究棟4階 研究会室(オンライン参加も可)
    題 目 Stability Properties of the Core in a Generalized Assignment Problem
    概 要 We show that the core of a generalized assignment problem satisfies two types of stability properties. First, the core is the unique stable set defined using the weak domination relation when outcomes are restricted to individually rational and pairwise feasible ones. Second, the core is the unique stable set with respect to a sequential domination relation that is defined by a sequence of weak domination relations that satisfy outsider independence. An equivalent way of stating this result is that the core satisfies the property that is commonly stated as the existence of a path to stability. These results add to the importance of the core in an assignment game where agents' preferences may not be quasilinear.
  • 講演者 舛田 武仁
    所 属 信州大学経法学部
    日 時 2020年12月23日(水)13:30~15:00
    場 所 信州大学経法学部 研究棟4階 研究会室(オンライン参加も可)
    題 目 戦略的不確実性と確率の法則
    概 要 人の不確実性に対する態度は、その源泉が戦略的なものか人工的なものかによって異なるのか?この疑問を経済実験で検証する。より具体的には、戦略的源泉を他人がプレイするスタグハントと囚人のジレンマにおける選択及びその組み合わせとし、人工的源泉を壷から引き出されるボールの色その組み合わせとする。それぞれの源泉に対し、被験者の信念が基本的な確率の法則、つまり単調性と加法性を満たすかを検証する。法則からの逸脱は両不確実性の源泉について観察されたが、とくに戦略的源泉ではそれが顕著であった。とりわけ、単調性の違反と、協調行動の起こりやすさに対する過度な重みづけが戦略的源泉における法則の乱れを起こしていることが分かった。
  • 講演者 大野 太郎
    所 属 信州大学経法学部
    日 時 2020年11月25日(水)13:30~15:00
    場 所 信州大学経法学部 研究棟4階 研究会室(オンライン参加も可)
    題 目 所得税における課税ベースの変動の要因分解
    概 要 日本の所得税が抱えている課題の一つとして、手厚い所得控除による課税ベースの狭さが指摘されているが、課税ベースの動向は制度変更のみならず、所得分布や人口構成の変化などからも影響を受ける。本研究では『全国消費実態調査』(1994~2014 年)の個票データを用いて、20年間における所得控除の実態と世帯分布の動向を明らかにしたのち、課税ベースの変動について要因分解を通じて各要因の寄与を考察する。また、マイクロ・シミュレーション分析を通じて、近年の税制改正が課税ベースに及ぼす効果についても評価する。長期的視点からは主に低所得化や高齢化による影響から課税ベースの侵食を受ける一方、そうした圧力に対して制度変更の寄与は限定的であった。これは控除制度の拡大期と縮小期双方が含まれることも影響している。短期的視点でみれば制度変更は一定の影響を与え、特に2000年代は所得控除の縮小から課税ベースの拡大が進められたが、結局はその効果も所得分布や人口構成などの変化による影響で相殺されてきたことが確認された。
  • 講演者 Yu Zhou氏
    所 属 京都大学
    日 時

    2020年6月24日(水)16:30~18:00

    場 所 オンラインミーティング
    題 目 Menu mechanisms
    概 要 We investigate menu mechanisms: dynamic mechanisms where at each history, an agent selects from a menu of his possible assignments. In comparison to direct mechanisms, menu mechanisms offer better privacy to participants; we formalize this with a novel notion of mechanism informativeness. We consider both ex-post implementation and full implementation, for both subgame perfection and a strengthening of dominance that covers off-path histories, and provide conditions under which menu mechanisms provide these implementations of rules. Our results cover a variety of environments, including elections, marriage, college admissions, auctions, labor markets, matching with contracts, and object allocation.

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