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研究会

信州大学経法学部において月1回のペースで開催される「研究会」は、経済学、経営学、法学、政治学など、社会科学諸分野の研究成果 について報告・議論する場を提供し、さまざまな研究トピックスに関して相互理解を深めるとともに、研究者間でのコミュニケーションの促進を図ることを目的としています。
構想段階の研究や調査進行段階の研究も発表可能であり、研究者間の意見交換を通 じて研究内容の発展を図るなど、建設的な議論が展開されています。また、報告者は信州大学の教員にとどまらず、他機関の研究者も積極的に招き入れ、より広範なトピックスを取り扱うことを目指しています。
開催スケジュールと内容については、本ホームページに随時掲載する予定です。

  • 講演者 久保田 隆
    所 属 帝京大学法学部
    日 時 2024年3月4日(月) 15:00~16:00
    場 所 信州大学経法学部 研究棟4階 研究会室
    題 目 ロシア=ウクライナ戦争における国際法上の重大犯罪の訴追・処罰
    概 要
    2022年2月24日にロシアがウクライナに対して軍事侵攻を開始して以来、同国では国際法上の重大犯罪にあたりうる行為が数多く行われたことが明らかとなっている。
    本報告では、国際刑事裁判所(ICC)、ウクライナおよび第三国による取り組みを概観した上で、そこで生起しうる法的問題について検討がなされる。また、これに関連する日本の法制度への示唆についても言及がなされる。

    講演者 箕輪 さくら氏
    所 属 宮崎大学地域資源創成学部
    日 時 2024年3月4日(月) 16:00~17:00
    場 所 信州大学経法学部 研究棟4階 研究会室
    題 目 動物と法ー現在までの研究と今後の研究計画
    概 要
    本報告は、報告者のこれまでの実定法における動物法制に関する研究を概観するものである。
    「1.飼育動物と法」では、これまでの日本における飼育動物に関する状況を確認し、日本の法制度に影響を与えているイギリスの法制度についての研究成果を示す。あわせて、現在の日本における動物愛護管理法の実施過程における問題点を指摘する。
    「2.法制度の発展にむけて」では、「1.飼育動物と法」で示した内容を受け、日本における飼養動物関連法制の発展に向けた方策と今後の研究計画を報告する。
  • 講演者 松島 法明
    所 属 大阪大学社会経済研究所
    日 時 2024年3月7日(木) 17:00~18:30
    場 所 信州大学経法学部 研究棟4階 研究会室
    題 目 The bright side of the GDPR: Welfare-improving privacy management (co-authored with Chongwoo Choe and Shiva Shekhar)
    概 要
    We study the GDPR's opt-in requirement in a model with a firm that provides a digital service and consumers who are heterogeneous in their valuations of the firm's service as well as the privacy costs incurred when sharing personal data with the firm. We show that the GDPR boosts demand for the service by allowing consumers with high privacy costs to buy the service without sharing data. The increased demand leads to a higher price but a smaller quantity of shared data. If the firm's revenue is largely usage-based rather than data-based, then both the firm's profit and consumer surplus increase after the GDPR, implying that the GDPR can be welfare-improving. But if the firm's revenue is largely from data monetization, then the GDPR can reduce the firm's profit and consumer surplus.
  • 講演者 高宮 充
    所 属 信州大学経法学部(学生)
    日 時 2024年2月19日(月) 16:20~17:50
    場 所 信州大学経法学部 研究棟4階 研究会室
    題 目 関連価値オークションにおける主催者収入順位づけ:理論と実験
    概 要
    本研究の目的は,関連価値環境下におけるオークションで主催者収入がどのように変化するのかを経済実験で明らかにすることである.
    オークション理論に基づけば,私的独立価値環境下では収入同値定理が成り立つが,対照的に,関連価値環境下では主催者収入はオークションルールに依存する.既存実験の多くは私的独立価値を前提とするが,入札者間で評価額がある程度似通っている関連価値環境に関する先行研究は少ない.
    本研究では,1)オークションルール,2)入札者評価値共通部分の上限額,3)入札者評価値の個人差の幅,のそれぞれがオークション主催者収入にどのような影響を与えるか経済実験で検証した.得られた実験データで2群の検定および回帰分析を行ったところ,評価値共通部分の上限額による主催者収入の変化が有意に認められた.一方,オークション形式や評価値個人差の幅による主催者収入の変化は有意に認められなかった点に,理論予測と異なる結果が見られた.
  • 講演者 山沖 義和
    所 属 信州大学経法学部
    日 時 2024年2月8日(木) 15:00~17:00
    場 所 信州大学経法学部 研究棟4階 研究会室
    題 目 ICTの進展が金融制度・金融機関経営に与える影響 ~~ 3つのトピックス
    1)地域銀行・勘定系システムの共同化と金融当局が進める金融再編
    2)地域銀行の進めるオープン化・クラウド化の流れ
    3)資金決済法・金融商品取引法における暗号資産の位置付け
    概 要

    2009年に信州大学経済学部に赴任して以来、約12年間(財務省等の勤務3年間を除く。)に渡り、ICTの進展が金融制度・金融機関経営に与える影響に関して研究してきたことから、その成果を発表する予定です。
    具体的には、①まずは地域金融機関(特に地域銀行)によるシステム共同化の現状を紹介した上で、②地域銀行再編の動向(金融当局主導も含む。)と共同システムの関係を取り上げ、③地域銀行のシステムの今後の動向・見通しとしてオープン化・クラウド化の行方に関する見通しを解説したいと思います。
    また、併せて、今後の研究対象としている「金融のデジタル化に関する研究」の一環として、④暗号資産の法令上の位置付けと課題について紹介します。

  • 講演者 橋本 規之
    所 属 信州大学経法学部
    日 時 2023年11月29日(水) 14:40~16:10
    場 所 信州大学経法学部 研究棟4階 研究会室
    題 目 事業統合会社による業界再編 ―日本の化学産業のケース―
    概 要

    本報告は、1990年代後半から2000年代前半にかけての日本の石油化学産業の業界再編について検討する。具体的には、汎用合成樹脂業界(ポリエチレン、ポリプロピレン、塩化ビニル、ポリスチレン、ABS)の事業統合を,個々の企業戦略を中心に分析する。
    一方、企業戦略に影響を与える制度的・政策的要素として、分析の対象期間には、独禁法の改正、商法・会社法など企業法制の整備が集中的に実施された。これらの法制度の変化が汎用合成樹脂業界の再編に与えた影響と、再編の経済的成果についても明らかにする。

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