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  1. 工学部鮫島正浩特任教授が2021年度日本農学賞及び読売農学賞を受賞
研究
2021年4月8日(木)

工学部鮫島正浩特任教授が2021年度日本農学賞及び読売農学賞を受賞

令和3年4月6日(火)に開催された第92回日本農学大会において、工学部鮫島正浩特任教授が2021年度日本農学賞および読売農学賞を受賞しました。

受賞題目は「木材腐朽菌が生産する多様なバイオマス分解酵素に関する研究」です。
授賞式に引続き受賞講演が東京大学弥生講堂で行われ、また同時にオンライン配信されました。

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鮫島正浩特任教授は、過去30年以上、木材腐朽菌が生産する多様なバイオマス分解酵素に関する研究を推進してきました。その間、2004年に米国Joint Genome Instituteから木材腐朽菌Phanerochaete chrysosporiumの全ゲノム配列が公開されましたが、それ以前のプレゲノム時代では、本菌が生産するバイオマス分解酵素の一つであるセロビオース脱水素酵素の触媒機能の解析とその応用を中心に研究を推進し、同酵素の基礎科学及び応用において顕著な貢献を行いました。

また、ポストゲノム時代では、プレゲノム時代に習得した基盤技術の上にゲノム配列情報の活用を組み合わせることで、木材腐朽菌が生産する多様なバイオマス分解酵素からセルロース系バイオマスの酵素糖化の効率化に必要な酵素の選抜と同定、それらの酵素に対応する遺伝子の取得と異種発現系を利用した組換え体として生産し、さらに得られた酵素の機能と構造の解析に至るまでの一貫した実験系を確立しました。また、それを利用することで木材腐朽菌が生産する31種のバイオマス分解酵素をライブラリー化し、その研究成果をセルロース系バイオマスの酵素糖化の効率化に向けて応用展開させました。さらに、これと併行して、多様なバイオマス分解酵素の触媒機能と蛋白質構造の相関、関連遺伝子の発現応答や比較ゲノム解析等の研究を推進し、基礎科学として数々の興味深い新知見を提示し、関連する原著論文87報を公表しました。これらの成果が高く評価され、今回の受賞に至りました。