医療現場のニーズと製造現場のシーズをマッチングする

事業について

ものづくり技術の集積地 信州発の医療機器開発を目指して

本事業は、日本医療研究開発機構(AMED)の資金を受けて、信州大学医学部附属病院が地域の医療機器開発の中核地点として、これまで構築してきた医工連携体制を強固にし、医療従事者の目線にたった医療機器開発人材を育成しながら、医療現場ニーズを発掘・ブラッシュアップし、グローバル市場で売れる医療機器にまで質を高め、信州発の医療機器創出を支援することを目的としています。

実施体制

信州大学医学部附属病院は、医工連携コーディネータが多数在籍する信州大学学術研究・産学官連携推進機構と密接に連携して同病院を臨床現場としながら医療機器開発を推進しています。さらに、医療機器開発に利用する分析機器等約50種を整備した「信州メディカルシーズ育成拠点」、信州地域の医療機器開発企業が結集した「信州メディカル産業振興会」、医学部および医学部附属病院に隣接して建設されたメディカルレンタルラボ「信州地域技術メディカル展開センター」といった拠点・組織とも連携を図りながら、医療機器開発体制を構築しています。

特徴

本事業の特徴は、開発企業の意向に沿う支援体制を構築している点です。つまり、精密機器加工や金属加工を得意とする県内企業は、各々が独自技術を有しているため、本プロジェクトはそれらの技術を生かした医療機器開発を支援しています。

AMED「国産医療機器創出促進基盤整備等事業」ページ

体制図

活動紹介

医療機器開発人材育成セミナー

この取組みは、外部または内部から医療機器開発に精通した講師を招聘して、医療機器開発を目指す企業担当者または既に医療機器開発に従事している企業担当者を育成することを目的としたセミナーです。テーマは医療機器開発の初心者向け概論から、研究開発資金調達、臨床研究・治験デザイン、市場・販路開拓に至るまで一貫した内容になっています。平成27年度からは「医療機器開発研究者発掘セミナー」と題して、医療従事者の啓発活動も実施しています。

医療機器開発人材育成セミナー

技術シーズ展示会

技術シーズ展示会は、医療従事者が、企業が持つ医療機器に応用可能な技術や製品に触れることで医療機器開発のための共同研究につなげることを目的としています。そのため、信州大学医学部附属病院内を会場として、展示会を開催しています。毎年約20社のものづくり企業が出展しており、平成27年には第4回目を迎え、2日間で70名を超える医療従事者の来場がありました。

技術シーズ展示会

国内外医療機器展示会共同出展

医療機器の販路拡大のためには、病院や診療所等に頻繁に出入りしているバイヤーとのコネクションを作る必要があります。そこで、各分野のバイヤーが一堂に会する国内外の医療機器展示会に信州メディカル産業振興会の会員企業等と共同出展することにより、販路開拓を支援しています。これまでHOSPEX Japan、MEDICA、Medical Fair Asia等の大規模な展示会の他、医療関連学会の併設展示会にも共同出展しています。

国内外医療機器展示会共同出展

医工連携コーディネータによるニーズ・シーズマッチング支援

信州大学に所属する医工連携コーディネータは、学内の医療従事者との信頼関係を構築できているため、随時医療現場のニーズを拾い上げることができます。拾い上げた医療機器等の開発ニーズを、コーディネータが市場性等を事前調査した後、解決できる技術を持つ企業に話を持ち掛けることにより、共同研究開発がスタートします。また、コーディネータが主体となり、医療従事者や企業開発者を構成メンバーとして、開発テーマを絞り込んだ分科会(洗浄滅菌部会、救急医療機器開発部会)も運営しています。

医工連携コーディネータによるニーズ・シーズマッチング支援

医学部附属病院見学会

信州大学医学部附属病院では、民間企業からの要望に応えて医療機器開発テーマを探るための医療現場見学者を受け入れています。見学先については、すべての診療科を見学するのではなく、医工連携コーディネータが企業の開発テーマ等について事前にヒアリングした上で、見学する診療科を決定しています。医療現場では、医師はもちろん、看護師その他の医療従事者から現場の課題を聞き出すことができます。本見学会をきっかけとして、医療機器の改良のヒントをつかんで商品化した例もあります。

医学部附属病院見学会

他地域との連携

信州大学および信州メディカル産業振興会会員企業は、浜松医科大学およびはままつ次世代光・健康産業創出拠点等と医療機器開発に関する連携交流を続けています。平成27年度には信州大学および信州メディカル産業振興会会員企業数社が浜松地域を訪問し、医療機器等の研究開発事例発表会や、浜松地域の企業見学を行いました。

他地域との連携

開発フローチャート

開発フローチャート

成果事例

iArmS(アイアームス)

(株)デンソー×医学部脳神経外科学教室

iArmS(アイアームス)

手術中の術者の腕を支持し、ふるえ・疲れを軽減し、より確実な手技を支援する手術支援機器です。本製品は(1)執刀医の前腕を支えるホールド、(2)自在に執刀医の腕に追従し、手技空間の任意の場所に移動するフリー、(3)その場で待機しツールの交換可能とするウエイト、の3ステートをスイッチレスで術者の意図を読み取り切り替えることで、手術の流れを止めずに、執刀医の「ふるえ」と「疲れ」を抑制し、手術品質の向上を狙うものです。

(株)西澤電機計器製作所×医学部メディカル・ヘルスイノベーション講座

流量補償方式換気カプセル型発汗計

換気カプセル型発汗計は、皮膚を覆うカプセルに空気を供給して汗を換気し、その空気の湿度の上昇度から発汗量を計測するもので、発汗出現の時間的様相を高精度に定量化できます。今回、多量発汗の測定を可能とするため、発汗量に応じて空気流量を制御した“流量補償方式”を新たに開発しました。皮膚科、神経内科、精神科、麻酔科などにおける新たな検査機器として応用が期待されます。

流量補償方式換気カプセル型発汗計
Ion AmpliSeq Hearing Loss Research Panel v1

サーモフィッシャーサイエンティフィック ライフテクノロジーズジャパン×医学部耳鼻咽喉科学教室

Ion AmpliSeq Hearing Loss Research Panel v1

難聴の遺伝子診断は、予後の予測、随伴症状の予測、治療法の選択等に有用な情報が得られる重要な検査です。従来の遺伝子診断率は30~40%と低く、新規変異の追加による診断率の向上が必要で、さらなる網羅的遺伝子解析法の開発が必要でした。本製品は、新しい難聴の遺伝学的解析技術により、従来法よりも効率的に難聴原因遺伝子を解析でき、診断率が10%以上向上します。

タカノ(株)×医学部形成再建外科学教室

サージカルサポートチェア

サージカルサポートチェアの奥行の短い座面とコンパクトな背もたれは、術者の骨盤を起こし、無駄な筋力を必要としない姿勢に近づけます。メッシュ素材で構成された波型形状の座面と背もたれが圧力を分散させ、ムレを軽減します。座面前後の樹脂フレームと背もたれ部はラウンド形状となっており、周囲への干渉に対しての配慮とやさしさのあるデザインを両立させています。

サージカルサポートチェア

スタッフ紹介

  • 統括
    松本 和彦Matsumoto Kazuhiko

    医学部附属病院臨床研究支援センター
    副センター長、准教授

  • 臨床研究・治験、薬事アドバイザー
    五十嵐 隆Igarashi Takashi

    医学部附属病院臨床研究支援センター
    研究支援部門 教授

  • 臨床研究・治験、薬事アドバイザー
    立石 智則Tateishi Tomonori

    医学部附属病院臨床研究支援センター
    品質管理・監査保証部門 教授

  • 事業企画マネジャー
    杉原 伸宏Sugihara Nobuhiro

    学術研究・産学官連携推進機構
    リサーチ・アドミニストレーション室
    副室長、教授

  • 知財担当
    木下 幸彦Kinoshita Yukihiko

    学術研究・産学官連携推進機構
    リサーチ・アドミニストレーション室
    特任教授

  • 医工連携
    草深 克臣Kusabuka Katsuomi

    学術研究・産学官連携推進機構
    リサーチ・アドミニストレーション室
    コーディネータ

  • 医工連携
    櫻井 和徳Sakurai Kazunori

    学術研究・産学官連携推進機構
    リサーチ・アドミニストレーション室
    コーディネータ、特任教授

  • 医工連携
    山崎 守雄Yamazaki Morio

    研究推進部産学官地域連携課 主査

連絡先のご案内

0263-37-3421
0263-37-3425
長野県松本市旭3-1-1
信州地域技術メディカル展開センター内
【受付時間 9:00 〜 18:00(土・日・祝日を除く)】