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  1. 今年も制作!信州大学×長野県CATV~信州の伝統野菜の誇りと思いをつなぐ~伝統野菜映像アーカイブス2022
社会連携
2022年3月23日(水)

今年も制作!信州大学×長野県CATV~信州の伝統野菜の誇りと思いをつなぐ~伝統野菜映像アーカイブス2022

近年、食の話題としても登場する伝統野菜。長野県でも現在81種が認定されていますが、生産が危惧される品種もかなりあることがわかっています。

そこで、昨年から長野県に30局ある各地のCATV局が地元の特産である伝統野菜の歴史や特徴を映像に収録、伝統野菜を研究する信州大学の研究者(農学部:松島憲一准教授〈信州伝統野菜認定委員会委員長〉)が、それぞれの品種にまつわるエビデンスを提供し、動画コンテンツにして情報発信することで、各地域の地域ブランドとしての訴求やシビックプライドの醸成にもつなげます。

前年度に引き続き、今年度も8種の伝統野菜映像コンテンツを制作しました。伝統野菜にまつわる郷土の歴史や伝統など、関係者の思いをぜひご覧ください。

信州の伝統野菜⑨三岳黒瀬蕪(木曽町三岳)

木曽町 三岳地区で栽培されている黒瀬蕪、茎は「すんき漬け」に、カブは「甘酢漬け」や「ヌカ漬け」にして食されています。
黒瀬蕪の特徴は、短円錐形で肉質は緻密、そして少し硬めのカブは漬物にすると歯ごたえがあり、カブの持つ辛みが漬かり込んだ後もしっかり残るという事。
黒瀬地区で栽培されその名が付けられた蕪ですが、昭和33年黒瀬地区は牧尾ダム建設に伴い殆どの住民が木曽を離れてしまったため、黒瀬蕪は「幻の蕪」となっていました。ところが1軒の農家が三岳地区に留まり、37年の間蕪の栽培を続けられていました。そのことを知り、何とか三岳の特産品にできないかとその農家に赴き、自家栽培用に残しておかれた3カブの内のひとカブを譲り受け黒瀬蕪の復活に尽力された方がいます。三岳農産加工施設 みたけグルメ工房 組合長の西尾禮子(れいこ)さんです。それが25年前の事。現在では組合員の多くが黒瀬蕪の栽培を行い、みたけグルメ工房に持ち込んできます。そして漬物に加工され、隣接する道の駅で販売されるようになりました。

三岳の風土に適した黒瀬蕪は他地域で栽培すると大きく育ち過ぎてしまい、味も変わってしまいます。
最近は温暖化の影響で、種をまく時期をお盆過ぎから9月初め頃へと時期をずらしてきています。
美味しいと評判の黒瀬蕪は三岳地域の元気の元となっています。

企画:信州大学・長野県ケーブルテレビ協議会 制作:木曽広域ケーブルテレビ

信州の伝統野菜⑩芝平(しびら)なんばん(伊那市高遠町)

伊那市高遠町上山田で栽培されている芝平なんばん。実は15センチほどと大ぶりで、青い状態を食べることが多く、辛味成分は通常のとうがらしの2倍ほど。芝平なんばんは、昭和30年代までは高遠町芝平地区で栽培されていた。しかし、昭和36年の大雨による三六災害により集団移転を余儀なくされ、昭和53年には住民全員が芝平を離れ、絶滅の危機に。その際、一軒の農家がなんばんの種を持ち出し、栽培を続けたことで、途絶えることなく今に受け継がれてきた。辛さだけでなく甘味も特徴的で、地元の飲食店を中心に広まりを見せる。また、農業だけでなく福祉分野でも脚光を浴び、今後の活躍が期待される。

企画:信州大学・長野県ケーブルテレビ協議会 制作:伊那ケーブルテレビジョン

信州の伝統野菜⑪ねずみ大根(坂城町)

坂城町で江戸時代から栽培されている。形がねずみに似ている事や町内の鼠地区から「ねずみ大根」と呼ばれるようになった。平均的な大きさは、根まで含めて15cm重さは250g~300gほど。肉質はきめ細やく、硬いのが特徴です。
辛味の中に適度な甘みがあり、地元ではこの味を、「あまもっくら」と言っている。栽培を続けるのは、町内の有志でつくる「ねずみ大根振興協議会」。収獲は、10月下旬から12月頃まで。
辛味が強く水分が少ない為、おろした汁につける「おしぼりうどん」や「天ぷら」、「漬物」に最適。

企画:信州大学・長野県ケーブルテレビ協議会 制作:上田ケーブルビジョン

信州の伝統野菜⑫小布施丸なす(小布施町)

巾着をしぼったような形、肉質はしまってかたくほのかに甘い風味を持つ、信州の伝統野菜「小布施丸なす」。
大きなものはソフトボールほどの大きさになり、重さは300g~400gに。一般的な丸ナスに比べて収穫量が少ない。
明治時代から栽培されていた品種で、大正時代には北信地方で広く栽培されていた。現在、小布施町の生産者は7軒。
おやきや蒸し焼き、荷崩れしないため煮物にも適している。
小布施町内のレストランでも季節の料理として提供されている。
収穫時期は7月~10月初旬頃まで。
販売場所は6次産業センター「農産物直売所ろくさん」(小布施町)

企画:信州大学・長野県ケーブルテレビ協議会 制作:Goolight

信州の伝統野菜⑬羽淵(はぶち)キウリ(塩尻市)

塩尻市と木曽、伊那市との境にある塩尻市の羽淵という集落で栽培されていた「羽淵キウリ」その地名から名付けられたと言われている。現在は住む人がいなくなり、塩尻市の贄川地区で大切に守り育てられている。ずんぐりむっくりとした形が特徴。黄色くなったころが食べごろで黄色いウリからキウリと呼ばれている。収穫のピークは7月の終わりから9月ごろ。生で食べたり粕漬にして食べられている。地元の道の駅(道の駅木曽ならかわ)では粕漬や醤油漬けにした商品を購入することができる。また、羽淵キウリは水分が少ないことからさまざまな料理にもアレンジできるという。

企画:信州大学・長野県ケーブルテレビ協議会 制作:テレビ松本ケーブルビジョン

信州の伝統野菜⑭下栗(しもぐり)芋(飯田市)

飯田市上村下栗地区で栽培されており、収穫は7月下旬。
「天空の里」とも呼ばれる下栗地区は、山間の急傾斜地にあり、下栗芋は最大傾斜が38度もある畑で栽培される。
下栗地区には江戸時代に伝わったとされる。
直径約4センチの小粒のじゃがいもで、男爵やメークインよりもデンプン質が多く、うま味成分を多く含み、肉質が締まっているが特徴。
エゴマ味噌を塗って焼いた「田楽」は、長野県選択無形民俗文化財に指定されている。
2003年、住民有志によって立ち上げられた「下栗里の会」が、主に栽培。
かつて、芋がウイルスに感染し、収穫量の低下が問題となっていたが、信州大学農学部の協力により、ウイルスフリー化が実施され、現在はウイルスが除去された種芋に全て置き換えられている。

企画:信州大学・長野県ケーブルテレビ協議会 制作:飯田ケーブルテレビ

信州の伝統野菜⑮上野大根(諏訪市)

諏訪市豊田上野区の標高900メートル程で収穫される「上野大根」。またの名を「諏訪湖姫」と命名され、平成12年に品種登録している。
大きさは長さが約23cm~25cm。円筒形で、色は「青首大根」とよく似ている。
生で食べると辛みが強いが、煮物等は相性が良い。「切り干し大根」にすると、大根本来の甘さが引き立つという。
収穫したほとんどが「たくわん漬け」として加工され、毎年春先に販売される。加工前の井桁組に組んだ大根の天日干しは、季節の風物詩。
天日干しすることで、甘みが引き出された「たくわん」は、特有の歯ごたえのある食感が購入者に愛されている。

企画:信州大学・長野県ケーブルテレビ協議会 制作:エルシーブイ

信州の伝統野菜⑯坂井芋(飯山市)

飯山市木島地区の河川敷周辺で栽培されている里芋で多湿で砂交じりの土壌があるこの地でしか作る事が出来ない。収穫は10月下旬から11月末頃。
形はらっきょうのようにくびれた形になり、肉質は柔らかいだけでなくとてもきめが細かいためもっちりとした食感が特徴。
江戸時代、伊勢参りの際に水害の絶えなかったこの地で、安定して作れる作物を探したのが坂井芋の始まりだとされ、現在は「木島里芋研究会」が栽培・普及活動に取り組んでいる。
主に煮っころがし等に使用され、地元では煮っころがしは冠婚葬祭で欠かすことの出来ない郷土料理でもあり「切る」ことは縁起が悪いとされることから食卓でも丸のまま出されている。

企画:信州大学・長野県ケーブルテレビ協議会 制作:iネット飯山