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平成23年度 放送公開講座

ごあいさつ

信州大学は信州「知の森」づくりをめざして、"PLAN the FIRST 2011-2013"をまとめました。研究成果や知識を社会に還元することが大学の重要な目標でありますが、その一環として、地域と連携して公開講座や出前講座、市民開放授業などを実施しております。
信州大学放送公開講座は、創立50周年を機に平成11年度より開始し、本学の教育、研究内容を広く公開することを目的に、毎年放映してきました。総合大学の特色である多様な研究内容を、映像を通して視聴者の皆さんにわかり易くお伝えする番組として好評を得ております。
本学は23年3月の東日本大地震では医療チームを派遣し、また長野県北部地震では独自の災害復興支援などを行ってきました。そうした中、6月には松本地震が発生し、自然災害に対する防災意識が県民の間でさらに高まりました。これらの意識に応えるべく、本学では県下4ヶ所において連続防災講演会「地域と共に考える防災」を開催し、地域拠点大学として地元での防災研究の推進と防災に係る知識の普及に積極的に取り組んで参りました。
本年度の放送公開講座におきましては、これら自然災害や防災について、総合大学ならではの様々な分野のエキスパート講師陣を集め「信州知の森-知って備える 防災への提言-」と題し、6回にわたり実施することといたしました。
この放送公開講座をぜひご覧いただき、本講座が地域やご家庭などで防災に備えるきっかけとなり、また、本学へのご理解をさらに深めていただければ幸いです。また視聴後は、今後のより良い企画のためにも本講座に対するご意見、ご感想をお寄せ下さいますようお願いいたします。

信州大学理事(研究・財務・産学官連携・国際交流担当)
三浦 義正

平成23年度放送公開講座
 「地域と共に考え、学ぶ防災。信州知の森-知って備える防災への提言-」

パンフレットはこちら

平成23年度放送公開講座詳細

第1回 1月21日(日)15:30~16:00

長野県に自然災害が多いのはなぜか

担当講師
教育学部
信州大学理事・副学長
赤羽貞幸 教授

3・11東日本大震災以来、日本列島は数多くの自然災害に見舞われ、長野県でも栄村や松本市で地震災害、県道上高地公園線では土砂災害が発生しました。このため県民の防災意識が高まっていますが、現在信州大学では各分野で多彩な防災研究が行なわれています。長野県下は盆地とそれを取り巻く山地からなり、大地は起伏に富んだ急峻な地形と複雑な地質からできています。そのため地震の震動、火山活動、豪雨などにより、自然災害が発生する頻度が高い地域といえます。善光寺地震など過去の災害を例にして、長野県特有の地形や地質を考え、災害に備えることが必要です。

松本平の活断層と地盤

担当講師
全学教育機構
大塚勉 教授

松本平は断層の運動によって作られた生活の場で、盆地内部と周辺には多くの活断層が存在しています。6月の地震は、そのような断層の1つである牛伏寺断層に平行な地下の活断層が動いたものです。 地震による被害の差は、震源からの距離だけでなく、地盤の状況によって大きく左右されます。今回の地震では震源から離れているにもかかわらず、被害が大きかった地域、逆に近くても被害がほとんどなかった地域があります。 地震は避けられませんが、自分が生活する場の地盤をよく知ることで、被害を小さくすることが可能です。

第2回 1月29日(日)15:30~16:00

災害時における地域ネットワークの重要性について

担当講師
人文学部
辻竜平 准教授

震災後など、生活の復興には地域住民のコミュニケーションが重要な役割を持っています。
しかし、住民の視点からの復興は経験者から引き継がれることが多くありません。過去の震災の復旧、復興はどうやってなされてきたのか。
2004年に発生した新潟県中越地震の被災地を研究する中で見えてきた、災害時における地域ネットワークの重要性を考えます。

第3回 2月4日(土)15:30~16:00

災害時の救急医療

担当講師
医学部
高度救命救急センター長
岡元和文 教授

災害とは、通常の救急業務では対応できない数多くのケガや病人が発生した状況のことです。災害には、自然災害、人為災害、東日本大震災のような地震と津波に原発事故が加わった複合災害があります。私たちは災害を完全に避けることはできません。
しかし、災害に備え準備をすることで人的な被害を最小限にすることはできます。この番組では、本県にとって最も重要な地震に焦点をあて、救急医療の観点からどのような準備が必要なのか一緒に学んでみたいと思います。

第4回 2月11日(土)15:30~16:00

災害時にも強い地下水資源いかに活用するか

担当講師
工学部
藤縄克之 教授

2011年3月11日東北地方太平洋沖で発生したM9.0の超巨大地震は、三陸沿岸部を中心に死者・行方不明者2万人、全壊・半壊家屋35万戸という未曾有の被害をもたらした。被災地では、水道施設がことごとく破壊され、炊事や生活用水のみならず飲料水すら事欠く事態となった。水供給体制に地表水源と地下水源を相互に補完させるセーフティーネットが構築されていなかったが故の帰結である。地震直後に消火栓が使用不能となり、火災による延焼に迅速に対応できなかった阪神淡路大震災の教訓はここでも生かされることはなかった。本放送では、利用のための初期費や維持管理費が安い上、水質が良好な地下水は、実は災害時にその威力を最大限に発揮する魅力的な水資源であることを、信州大学と民間企業が協同で実施した被災地の大槌町井戸掘り支援や新エネルギー・産業技術開発機構の事業の一環として信州大学工学部キャンパスで実施している地下水利用冷暖房システムの実証試験などの最新の話題を交えて、紹介する。

第5回 2月19日(日)15:30~16:00

土砂災害の実態と対応策

担当講師
農学部
平松晋也 教授

近年、大規模な土砂災害が多発し、自然災害の中でも、土砂災害がクローズアップされるようになってきました。県内でも、2011年3月12日の長野県北部地震によって栄村の中条川で大規模な斜面崩壊が発生しています。
ここでは、斜面崩壊の起きた栄村・中条川、そして、2006年7月の豪雨で土石流災害に見舞われた岡谷市湊地区の小田井沢を改めて訪れ、災害の実態や復旧工事の取り組み、森林と土砂災害の関わりについて紹介します。

第6回 2月25日(土)15:00~15:30

震災復興と植物工場 ―植物工場の課題と可能性―

担当講師
繊維学部
先端植物工場研究教育センター長
野末雅之 教授

震災復興の中で、農業復興は安全・安心な食料供給だけでなく、農業の担い手確保や雇用復興としても重要な位置を占めています。塩害、放射能汚染からの農地の復旧・整備に新たな農業生産システムの構築が検討されており、植物(野菜)工場が注目されています。
植物工場は閉鎖的環境で栽培環境を制御し、野菜を周年・計画生産するシステムです。農業不適地でも場所を選ばず、安全で安心な野菜が生産できるなどの利点があります。昨今、植物工場による野菜生産が盛んに行われていますが、どのようにして野菜が栽培されるのか、実際に稼動している長野県下の植物工場の生産現場を紹介します。
植物工場には栽培コストや栽培できる野菜が限られるなど多くの課題があります。昨年、信州大学繊維学部に先進植物工場研究教育センター(SU-PLAF)が開設されました。そこで研究されている植物工場の基盤技術の開発と植物工場の可能性について紹介します。

過去の放送公開講座

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研究推進部産学官地域連携課
FAX:0263-37-3049