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教育ハイライト

  1. 世界級の自然の中で学ぶ 伝統の「志賀実習」
注目の教育
2018年3月26日(月)

世界級の自然の中で学ぶ 伝統の「志賀実習」

志賀実習とは

 「志賀実習」は教育学部附属志賀自然教育研究施設(志賀施設)で行われる、自然教育の実習です。教育学部の必修授業科目「環境教育」の一部として開講されており、教育学部では1年生が全員、履修することになっています。教育学部でこのように自然教育を必修の授業として位置づけている例は珍しく、豊かな自然環境に恵まれた信州にある大学ならではの特徴ある実習です。

雄大な学びのフィールド

 志賀実習を開講する志賀施設は、上信越高原国立公園志賀高原のシンボルである志賀山(標高2035m)の麓にあり、志賀高原を訪れる観光客には「信大志賀自然教育園」として親しまれています。約1000haの亜高山帯針葉樹原生林をはじめ、池沼群や高層湿原、ダケカンバやシラカンバの二次林を有する一帯は、ユネスコエコパークの核心地域(ユネスコが定めた生物圏保護区の重要な生態系のうち最も核となる区域)や国立公園特別保護地区(特に優れた景観を有する最も規制の厳しい区域)に指定されている、第一級の自然保護区域です。
 志賀実習では、この雄大な自然に直接触れながら、自然の構造や成り立ちを学び、自然と人の関わりについて考えます。

歴史ある志賀実習

 志賀実習の歴史は大変古く、その始まりは昭和38(1963)年の「生物学実習」にまで遡ります。教育学部でこのような実習が始まったのは、「自然豊かな長野県で教員となる者は、自然についてよく知らなければならない」という思いからでした。その後、昭和41(1966)年に志賀施設が正式に発足すると、生物学よりもさらに幅広い領域を含む「自然教育実習」が行われるようになりました。平成24(2012)年からは環境教育の一部として位置づけられ、現在に至っています。

自然教育の視点

 自然教育で大事にしているのは、「体験からの学び」です。実際に自然に接すると、そこには様々な地形があり、また多様な生物が生息・生育することに気づくでしょう。それらの成り立ちや名前、生態などについて教えることも大事ですが、そのような教科書的な知識を伝えるだけでは、子どもたちの自然に対する興味を十分に引き出すことはできません。自然に向き合ったとき教師に必要なのは、その知識を伝えることよりも、子どもたちの自然のなかからの発見や気づき、学びを促進することです。自然と接して感じた「なぜだろう?」をきっかけに、自ら学び、考える力を育てる一連の学習プロセスは、総合の時間のみならず、これからの学校教育全体において重視される教育手法です。小学校や中学校に、自然教育という授業はありませんが、この実習で学んだ教育手法は、学校教育の様々な場面で役に立つことでしょう。

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原生林を通る木道(おたの申す平)

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志賀実習の様子

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学生に人気のヒカリゴケ

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指導体験(ティーチバック)