女性研究者研究活動支援事業が事後評価「S」に!特別レポート

多様な人材が育ち、活躍できる環境づくりのために 男女共同参画推進室

女性研究者研究活動支援事業が事後評価「S」

 信州大学は、平成23年9月に文部科学省の「女性研究者研究活動支援事業」に採択されたのを契機に本格的に男女共同参画事業を開始。学長のリーダーシップのもと女性研究者支援室が推進役となって全学で取り組んだ結果、3年間の事業において目標としていた女性教員比率の達成や女性教員ゼロ学部の解消などすべてを達成し、男女共同参画を推進するとともに、女性研究者支援体制を整え、最高の「S」評価を受けた。平成25年秋のアンケートでは、教職員の93.7%が継続的な事業推進に賛成し、平成26年度から女性研究者支援室を男女共同参画推進室に発展的に改組した。

・・・・・ 信州大学広報誌「信大NOW」第93号(2015.5.29発行)より

ダイバーシティをめざして、まずは女性研究者支援からスタート

第1回シンポジウム

第1回シンポジウム

 文部科学省の女性研究者支援が始まったのは平成18年。平成21年に申請準備をしたが、賛同が得られず断念。「平成22年に教職員と大学院生のニーズ調査を実施し、その結果を基に平成23年に応募して、採択された時は本当に嬉しかったです。しかし、事業を推進できるか不安も多いスタートでした」と松岡室長は振り返る。女性研究者支援室を設置し、「女性研究者支援を手始めとして男女共同参画を!そして、多様性(ダイバーシティ)を活かす大学へと進みましょう」と言い続けてきたという。
 学長のリーダーシップのもと、役員や部局長の協力を得て、部局ごとの女性教員増員目標値を設定し、女性限定教員公募やポジティブ・アクションを実施することにより採用を積極的に進めた。また、学内保育施設(信州大学おひさま保育園)の新設をはじめとして、女性研究者を取り巻く研究環境を整備し、ライフイベントを理由とする女性研究者の離職も抑制した。女性研究者支援の体制を整え、初期の目標以上の成果をあげたことや取組の継続性・発が高く評価された。具体的な取組は、信州大学男女共同参画推進室WEBサイト、スフレ通信、活動報告書等の発行・配布で詳しく紹介されている。

女性研究者は少しずつ増加

信州大学の女性教員比率

信州大学の女性教員比率(国立大学平均との比較)

 信州大学の女性教員比率は図のように、確実に上昇してきた。ここ数年、全国86国立大学の中での順位を少しずつ上げてきているが、他大学も熱心に取り組んでいるのでこれだけ上昇しても、61位(平成26年5月)という状況だ。依然として男女教員の数の差は非常に大きく、ジェンダー・ギャップが解消されているわけではない。「クリティカル・マス(必要数)をどの程度にするかですが、国際的には30%程度と言われています。数値にこだわる訳ではありませんが、これに少しでも近づくよう、今後ともより一層の継続的な努力が必要。課題は山積しています」(松岡室長)と気を引き締めている。
 今後の取組に対する文部科学省の評価コメントは「今後は一層の意識改革により、自然科学系分野の上位職階女性教員数の増加、執行部への女性の登用を期待する」とある。自然科学系分野の女性教員比率が低い状況にあり、女性教員の上位職への登用も進んでいないことから更なる男女共同参画の事業推進が必要である。男女共同参画推進室では、引き続き女性教員等の支援を継続するとともに教職員を対象としたワーク・ライフ・バランスの推進、学生も含めた男女共同参画の意識改革を3本柱に取組の一層の充実を図っている。「S」評価に恥じない取組が期待される。

学内の雰囲気に変化が

松岡 英子

松岡 英子
信州大学 学長補佐 男女共同参画推進室 室長
学術研究院教授(教育学系)


2009年4月~2013年3月信州大学教育学部附属松本中学校長を兼任/専門は家族社会学 老年社会学

 平成26年度には、女性研究者支援室から男女共同参画推進室に看板が架け替えられ、信州大学の男女共同参画推進は新しいステージに立っている。「確実に変化したと感じるのは、男女共同参画に関する教職員の理解度が相当に高くなったということ。初めは口に出すのも憚られる雰囲気がありましたが、今は反対する人もいなくなりました。育児をしている男性の先生から「保育園のお迎えはぼくです、なんて言えなかったのが、今では平気で言えるようになった」とか「学童保育をやってくれませんか?ぼくも手伝いますよ」と言ってこられる先生もいて、男性もやっぱりニーズがあるのだと思いました。育児や介護を配慮できる環境に変わってきました。また、部局による温度差はありますが、夕方5時以降の会議をひかえる傾向もみられるようになりました」(松岡室長)
 今年3月発行のロールモデル集第3巻には、学生たちの座談会が掲載されている。学生たちは、時の経つのも忘れて、男女共同参画について真剣に語り合っていた。「工学を学びたい女子がいても学部に女子がいないから入れないという悪循環になっていて、それが芽を摘んでいる」「お互いを認め合うところから自己実現が始まる」など、活発な意見交換の姿に松岡室長は「しなやかで強い社会をつくってくれる若い世代の熱気」を感じたという。

信州におけるダイバーシティ実現のプラットホームに

 男女共同参画推進室は、昨年から学外との連携協力に力を入れている。まず、長野県下9大学で構成される「高等教育コンソーシアム信州」に男女共同参画推進部会を設置した。男女共同参画の事業を進めたいという他大学にノウハウを提供し、情報を共有して、高等教育機関におけるダイバーシティ推進を目指している。また、今後は地域の企業や研究所とも連携して、信州初のダイバーシティを意識した研究環境実現のプラットホームを構築したいという。大学、研究所、企業のこれまでの取組を共有するなど広汎なアライアンス(連携)を組むことで、単一の機関のリソースだけでは困難な事業展開を推進することが可能になる。「信州大学が取り組める地域貢献の一つとして、裾野を広くして取り組みたい」とのこと。信州大学が取り組んでいる活動は、これから信州のあちこちで、男女共同参画の花を咲かせそうだ。

男女共同参画推進室の取組

くるみん

本学の平成22年4月1日から平成27年3月31日までの第2期信州大学一般事業主行動計画が、次世代育成対策推進法第13条に基づく基準に適合するものであると認められ、長野労働局長より平成27年4月28日付で基準適合一般事業主に認定され、「くるみんマーク」を取得しました。

 

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ニュースレター「スフレ通信」

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刊行物「ロールモデル集」

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