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  1. 信州大学、TICADビジネスEXPOに出展 水とエネルギーの未来を共創する研究成果を発信
研究
社会連携
2025年8月28日(木)

信州大学、TICADビジネスEXPOに出展 水とエネルギーの未来を共創する研究成果を発信

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信州大学は、8月20日~22日にパシフィコ横浜で開催された第9回アフリカ開発会議(TICAD9)に併催された「TICADビジネスEXPO」において、「質の高いインフラ」ゾーンに大学として唯一出展しました。
本学はアクア・リジェネレーション機構が推進する「アクア・リジェネレーション技術」をテーマに、水資源とエネルギーに関する最新の研究成果を展示し、多くの来場者の注目を集めました。

信大クリスタル®による水浄化技術

手嶋研究室では、フラックス法で育成された高機能結晶「信大クリスタル®」を活用し、重金属やフッ素などの有害物質を効率的に除去する浄水技術を紹介しました。現在、タンザニアで実証試験を進めており、国際展開への期待が寄せられました。

ナノ材料複合逆浸透(RO)膜

ロドルフォ・遠藤研究室が開発したナノカーボンを用いた革新的RO膜は、海水淡水化から家庭用浄水器まで幅広く応用可能です。汚れにくく、効率的な水処理が可能であることが実証されており、来場者には実験機を通じてその性能を体験していただきました。

光触媒によるグリーン水素製造

堂免・久富研究室による光触媒技術は、太陽光を利用して水から直接水素を生成するもので、世界最高水準の効率を実現しています。将来の大規模なクリーン水素供給技術として、多くの来場者の関心を集めました。

次世代型生分解プラスチックと菌糸パルプ

田口研究室は、深海でも生分解されることを確認した新素材ポリ乳酸「LAHB」を紹介しました。アフリカ諸国で深刻化するプラスチックごみ問題の解決に貢献する革新的な生分解性材料として注目されました。また、キノコの未利用資源を活用した新素材「菌糸パルプ」も紹介され、資源の有効活用の重要性に来場者からの共感が寄せられました。

ナノ空間材料による水素同位体分離

田中研究室は、計算科学と材料科学を融合し、重水素やトリチウムを効率的に分離する新規イオン交換体の研究を紹介しました。将来的な月面資源の利用や核融合発電への応用が期待され、科学技術の進歩に来場者は驚いていました。

ナノカーボン電池

是津研究室は、カーボンナノチューブを導電材として利用することで、100年持続することを目指す「ナノカーボンバッテリー」を紹介しました。高出力で急速充放電が可能な特性を持ち、産学連携で実用化が進んでおり、今後のエネルギー需要に対応するバッテリー技術として期待が寄せられました。

水浄化微生物

下里研究室は、水中の有害物質を分解する在来微生物群を活用した環境修復技術を展示しました。自然共生型のバイオレメディエーション技術として、分散型浄水システムへの応用が期待され、来場者の興味を引いていました。

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会期中は、阿部文部科学大臣をはじめ、アフリカ諸国および日本の企業・政府関係者、高校生・大学生、卒業生など、多様な来場者がブースを訪れました。共同研究や事業化に向けた前向きな意見が寄せられたほか、学生からは「将来、大学院に進学したい」との声も聞かれました。
今後は、得られた接点をもとに、研究協力や産学連携へと発展させていく方針です。