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  1. あらたなIoT技術を活用したフレキシブルLPWAN(Low Power Wide Area Networks)による低コストで安定した遠隔モニタリングを検証する社会実証
研究
2022年11月24日(木)

あらたなIoT技術を活用したフレキシブルLPWAN(Low Power Wide Area Networks)による低コストで安定した遠隔モニタリングを検証する社会実証

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塩尻市内で運用中のフレキシブルLPWAN

信州大学工学部 田久修研究室は、総務省の委託研究及び信州大学と塩尻市DX推進事業の一環として、あらたなIoT(モノのインターネット)技術を活用したフレキシブルLPWAN(Low Power Wide Area Networks)を塩尻市内に展開し、環境モニタリングの社会実証を開始しました。

近年、IoT(モノのインターネット)において、河川管理や⼟砂監視などをこれまでの⼈による監視体制からインターネットによる遠隔監視で実現することで、安価なシステム導⼊と24 時間の監視体制による防災への応⽤などで注⽬を集めています。
多角的で安定した遠隔環境モニタリングを、低コストで実現することにより、IoT技術の普及促進に貢献します。

(概要説明)
水位・温度・湿度センサを搭載したフレキシブルLPWANを塩尻市内の河川及び湖に配備し、インターネットによる遠隔環境モニタリングの社会実証を実施する。フレキシブルLPWANは本学が独自に研究開発を進める新たな無線センサネットワークであり、同期型パケットレベルインデックス変調による複数種類のセンサ情報の同時送信機能とモニタリング環境に応じて送信方法を切り替えられるフレキシブル機能を有する。本機能により、多角的で安定した遠隔環境モニタリングを実現する。フレキシブルLPWANを特定小電力無線である429MHz帯LPWANへ実装し、塩尻市内の河川及び湖の遠隔環境モニタリングを通して、フレキシブルLPWANが低コストで高い安定性を有することを明らかにし、IoT技術の普及促進に貢献する。

(ポイント)

  • 信州大学と共同研究中の電気通信大学が開発したパケットレベルインデックス変調(PLIM)を商用LPWAN(SLR-BAR:サーキットデザイン社製)に実装して、温度・湿度の情報伝送を損なうことなく、水位の情報の追加伝送を可能にした。これにより、既存のLPWANで集約できるセンサ情報の種類を増やし、多角的な環境モニタリングを実現する。
  • 429MHz帯のLPWANは電波の回り込み性能に優れている周波数帯の無線規格であり、河川や湖周辺にある植生に対する透過性に優れ、安定した伝送を実現できる。
  • 集約するセンター局から送信タイミングを制御する同期送信と本学が開発したPLIMにおけるチャネル及び送信時間タイミングを表形式で管理制御する方法(特許出願済み)を確立し、偶発的な同時送信によるパケットロスを緩和する。
  • 各センサの送信頻度をセンター局のコマンド指示による切り替え制御を実装し、水位変化が少ないときには集約頻度を抑えるなどの適応制御により、少ない通信頻度で高精度な環境認識を実現する。
  • センサは単1乾電池4本で数か月単位の連続稼働を想定して設計している。センサへの電力線や通信線の配備は不要で、様々な場所でのリモートモニタリングを可能にする。
  • インターネットの上のクラウドサーバで水位・温度・湿度の情報を記録し、グラフ化した結果をWEBページで確認する遠隔環境モニタリングを実現する。

※本社会実証は、総務省 SCOPE(JP205004001) の委託を受け、信州大学・塩尻市 DX推進事業連携の一環で実施しており、塩尻市・塩尻市振興公社の協力を得て実証実験を行っています。