株式会社松本山雅との連携による地域活性化人材の育成:神田文之社長による講義を開催
信州大学と松本山雅は、人材育成や社会貢献における協働の実績に基づき、2020年1月16日包括連携協定を締結いたしました。本協定に基づき、両者の共通目標である「地域活性化に取り組む人材育成」に向けて、株式会社松本山雅 神田文之社長にお越しいただき、講義を頂きました。
今回の講義は、本学が新たに設置した「ユニバーシティ・エンゲージメント室」(学術研究・産学官連携推進機構内)による最初のコーディネーション事例でもあり、主に1年生が対象となる共通教育「地域活性化システム論」(担当教員:林・山田・大島・勝亦)で、約100名の学生を対象に実施いたしました。
本授業は「リアルな社会問題に触れ、解決の方策を創造し、行動する態度」を持った人材を養うことをねらいとし、起業経験・企業実務経験を有する担当教員×ゲスト講師によるリレー式で実施するものです。
平成19年から内閣府事業とも連携しており、地域・社会で起きているリアル・プロブレム(現実問題)に注目し、その課題解決に取り組む実践者からシカケ・シクミ・システムを構築するために必要な視点、知識、能力、マインドを学び、授業の中での演習、さらには課外活動へと繋げることを目標(成果)としています。
神田社長には、今年度最初のゲスト講師としてお越し頂きました。松本山雅は、サッカーJ2松本山雅FCの運営会社でもありますが、その取り組みは、サッカークラブ運営に留まりません。
企業存在意義(ミッション)として『スポーツを通じて、地域の人々に「夢」と「希望」と「感動」を与え、「活力」と「勇気」をもたらすような「ひとづくり」「まちづくり」「未来づくり」に貢献する』を掲げるなど、地域活性化を重要なテーマとしている地元企業でもあります。神田社長にはこの観点から『松本山雅だからできる地域活性化』に焦点を当て、具体的な会社の取り組みについてお話をいただきました。
お話を聞き、多くの学生が衝撃を受け、感動したのが、日本でもトップクラスの質・量と言われる松本山雅のサポーターやスポンサーとの繋がりでした。業界だけでなく、多くの自治体や地域活性化団体もそのシカケやシクミに強く関心を持っています。授業ではその背景を考え、大学と山雅が一緒に何ができるのかを、学生同士ディスカッションを行いました。
神田社長のお話から、地域の活力の象徴となるクラブづくりは、まず、地域の問題解決に何ができるのかを中心においたホームタウン活動があるからとの考えを伺い、本学と地域のエンゲージメント構築にとっても大変参考になるお話となりました。
講義終了後も、学生から質疑応答やサポーターとしてのメッセージが個別に寄せられるなど、講義の枠を超えたコミュニケーションが生まれました。今回、ひとつの「リアルな社会問題」に触れ、地域活性化に向けた行動がここから始まることを期待しています。