2019年12月24日(火)
文部科学省情報ひろばラウンジでミニセミナー「サイエンスが繋ぐ水のミライ」を開催!
セミナーの一つ目は、「信大クリスタル」開発者の信州大学手嶋勝弥教授による「SDGs解決に挑む信大クリスタル」と題した講演。無機結晶育成技術フラックス法により育成した信州大学発の結晶材料「信大クリスタル」の一種で、商品化に成功している重金属吸着結晶の構造の説明や、これを使用した国内の社会実装例である携帯型浄水ボトル、及び開発中の各種浄水カードリッジやディーバック型の浄水メディアなどを紹介いたしました。また、世界の水を救う取組みのひとつであるタンザニアの浄水試験も紹介、家庭用の簡易な浄水器で重金属やフッ素等のアニオン等の有害物資を除去する海外用のプロトタイプの試作試験が始まったこともスライドで紹介しました。これら一つ一つの取り組みがSDGsの着実な遂行であり、世界を変えるための17目標の複数の項目の解決につながることが期待されています。
セミナー二つ目は、東京大学 大学院工学系研究科 化学生命工学専攻 新学術領域研究「水圏機能材料」領域代表 加藤 隆史教授から、「マテリアルがつくる水の未来」と題してお話があり、これまで、材料(マテリアル)化学が大きく発展したことによって、高強度・高耐熱性の高性能な材料が開発され、それらが私たちの生活を便利に豊かにしてくれたこと、しかしこれからは、持続可能な社会のために、省エネルギープロセスで作られたマテリアルが、その使命を終えると自己分解して自然に還るような、新しい材料の研究が意欲的に進められていることが紹介されました。
ランチタイムを利用した短時間のセミナーにも関わらず本当に大勢の方に聴講いただくことができました。主催者を代表してお礼申し上げます。(信州大学総務部総務課広報室)