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事務執行組織のデザイン ステートメント

  1. 事務執行組織のデザイン ステートメント

2025年7月18日

事務執行組織のデザイン ステートメント 解説

Mission

"知の最前線にともに立ち、未来を切り拓く原動力となる"

解説

このミッションは、「ともに在る」「変化を創る」「動かす」という三つの意味を持ち、事務執行組織の使命・存在意義を宣言しています。

  • 「知」の主役である教員や学生等を単に支えるだけでなく、ポテンシャルを引き出す存在となること
  • 時代の変化を受けとめ、変わることを恐れず、新しい一歩を踏み出すこと
  • そして、事務執行組織が、大学全体を動かし、けん引する力になっていること

私たち事務職員一人ひとりが、大学の未来を一緒に切り拓く力になろうという想いを込めました。大学の未来を動かす一員として、自分の役割に誇りと自覚を持って取り組もうというメッセージです。

Vision

"ともに繋ぎ、ともに培い、ともに創る――しなやかな組織へ"

解説

このビジョンは、"ミッションを実現するために必要な組織の在り方"として、「協働」に支えられた三つの実践を"文化"として織り込み、変化に適応し続ける組織像を描いています。

「ともに繋ぐ」
部署や立場を越えて、お互いが自然に繋がり合えること
「ともに培う」
一緒に学び、支え合いながら、信頼と力を育てていくこと
「ともに創る」
陰から支えるのではなく、一緒に表舞台に立ち、自分たちも価値創出の担い手になること
「しなやかな組織」
柔軟でありながらも芯の強さを併せ持ち、時代や環境の変化を前向きに捉えて、自らも変わることができる組織であること

一人ではできないことも、一緒に繋がり、育ち合い、創り出すことで、きっとより良く変えていける。それがこのビジョンの想いです。

Values

"BEYOND"

解説

私たち一人ひとりが、日々の仕事の中で、どのような意識で、どのように行動すべきかを定めたのが"BEYOND"です。6つの行動指針は、変化に挑むところから始まり、受容・共創・方向づけを経て、変化を成し遂げる物語として構成されています。

6つの行動指針
Breakthrough:課題意識を持ち、思考の壁を破る

現状や既成観念に疑問を投げかけ、「なぜ?」「どうすれば?」と問い直す。
変革の起点は、恐れずに、新境地への第一歩を踏み出す自分自身から始まる。

Empower:仲間の可能性を信じ、引き出す

仲間や共創相手をリスペクトし、その力を最大限発揮できるよう導く。
組織の力とは、関わる一人ひとりの力が活きることで何倍にも跳ね上がる。

Yield:多様な価値観を受け入れ、創造性を育む

想いを伝え、異なる視点や価値観を受け入れ、時には自分の考えを柔軟に変化させる。
多様な個性が重なり合うことで、新たな創造性が生み出される。

Open:オープンな関係性を大切に、繋ぎ、築く

人と人、人と組織、組織と組織を繋ぐ。
閉じずに向き合うことが、信頼のネットワークを築いていく。

Navigate:方向性を示し、歩むべき道へと導く

不確実な状況でも、何のために、どこへ向かうのかを見失わずに進む。
状況を読み取り、道を示す力が、組織を前へと導く。

Drive:既存の枠を超えて、新たな価値を実現する

始めたことをやり遂げ、これまでの限界を超えた成果を結実させる。
現状を超えていく原動力が、組織と社会に新たな価値をもたらす。

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事務改革WG BEYOND 立ち上げの経緯

国立大学法人の使命は、世界最高水準の教育研究の先導、イノベーションや知の多様性の源泉となる学問分野の継承・発展、全国的な高等教育の機会均等の確保等、人類社会全体の発展に寄与することにあります。
そんな中、法人化の前後から、大学を取り巻く環境は急速に変化するとともに、国内外の競争の激化が進んでいます。様々な変化への対応の遅れが大学存続の危機に直結していく時代とも言えます。言い換えるならば、大学機能の中心である教育研究組織、また、それら組織の両輪の一つである事務執行組織の機能強化・再編を実現できるかが問われています。
そうであるならば、私たち事務職員が自ら変革を遂げ、社会・地域の課題解決を主導する大学への変革の一翼を担わなければならないと考えました。既存の組織編成や業務の在り方に捉われることなく、10年後、20年後を見据えて長期的な視点で事務改革を先導する有志の集まりが、「事務改革WG BEYOND」です。

「事務執行組織のデザイン ステートメント」策定の背景

BEYOND設置の背景にあるように、法人化の前後で、大学の役割が転換期を迎え、社会から寄せられる期待もまた、日々拡大しています。こうした時代の変化に呼応して、事務執行組織の在り方や、私たち職員一人ひとりの意識も、変化しているところです。
このような変化の中で、個々の職員がそれぞれの価値観に基づいて事務を執行していては、組織としての力を最大限に発揮することは難しくなります。地域の中核大学として、教育・研究・社会貢献・診療・経営等を教員・学生・役員等と協働していくためには、全員が同じ視点で力を結集できる共通の旗印が必要です。
そこで私たちは、事務執行組織が「何のために存在し」「どう在るべきか」「どう行動するのか」という基本に立ち戻り、Mission(使命/存在意義)、Vision(在るべき姿/手段)、Values(行動指針/心構え)を定めました。
このMVVは、信州大学の未来をともに切り拓くために、私たち自身がどう在るべきかを確認し合うための価値観の共有基盤です。単なる理想に留まるものではありません。事務職員一人ひとりの仕事に意味を与え、行動の指針となるものです。教員・学生・社会の多様な人々と知の最前線にともに立ち、ときに迷い、ときに挑戦し、ときに仲間を集めながら、一人ひとりの手で信州大学の未来をデザインしていく、そんな姿を想像して、「デザイン ステートメント」と名付けました。

事務局長のメッセージ

事務局長 安彦 広斉

学習指導要領の前文に「一人一人の生徒が、自分のよさや可能性を認識するとともに、あらゆる他者を価値のある存在として尊重し、多様な人々と協働しながら様々な社会的変化を乗り越え、豊かな人生を切り拓き、持続可能な社会の創り手となる」とありますが、これは22世紀まで生きる子供たちが目指す未来の姿だけではなく、今の大人たちにもあてはまります。
「日本の労働人口の49%が人工知能やロボット等で代替可能に」との予測(野村総合研究所2015年)により、人の仕事が奪われるのでは、と懸念されましたが、生成AIの技術革新は目覚ましいスピードで進み、AIやロボットで代替できる業務から人が開放されることで、人は付加価値の高い業務へとシフトできるのでは、という期待の方が高まってきています。未来の職場では、人はAIやロボットを使いこなし共存することで、キャリア、能力、評価、組織、業務、働き方が一斉に変化していくことでしょう。
このような中、国立大学法人が担う役割の変化を乗り越えていくためには、法人経営、教育・研究・社会貢献活動等を支える『事務執行組織の機能強化』と『事務職員のキャリアアップ』が柱となり、主体的に企画立案・実行していくことができる組織になることと、キャリアアップを再定義し機能強化の実質面を担保すること、それぞれが重要となります。
このステートメントを旗印に、『事務改革WG BEYOND』が多様な教員、職員、学生と協働し、『持続可能な信州大学の創り手』となるよう、さらなる活躍を期待します。

BEYONDメンバーのメッセージ

髙橋 満里奈

私がこのステートメントの中で最も大切にしているのは、Visionに繰り返し使われている「ともに」という言葉です。日々、一人で黙々と仕事に向き合うことも多く、プレッシャーを感じることも少なくありません。「信州大学の未来を切り拓く」という同じ目標を掲げていても、ときには、職員同士で衝突し、消耗することもあります。そんなとき、このステートメントが私たちの心の支えとなり、事務職員としてのあるべき姿に立ち返る道しるべとなることを願っています。
そして、日々の行動指針であるValuesの中で重視しているのが、「Yield:多様な価値観を受け入れ、創造性を育む」と「Open:オープンな関係性を大切に、人と組織を繋ぐ」です。具体的にいうと、心理的安全性を高め、誰もが安心して発言できる環境を作ることです。とはいえ、仲良くしようと無理に頑張る必要はないと思っています。むしろ、表面的な友好関係よりも、たとえ意見が対立しても互いの視点を尊重し、率直な対話ができる関係性を築くことが大切だと考えています。
ステートメントが少しずつ浸透していくことで、今よりもっとお互いを尊重し、支え合える環境を構築していけると信じています。そして、より強固で柔軟な事務執行組織となり、医師や教員、学生の皆さんとともに、本学の未来を切り拓いていけたら、と思っています。

BEYONDメンバーのメッセージ

岩崎 純基

「あなたの仕事は、誰のために、何のためにありますか。」
国立大学法人の置かれた環境が目まぐるしく変化する中で、私たち事務職員の働き方は変化しているのでしょうか。少なくとも私は、この事務改革WGに参加するまで、目の前の業務を漠然とこなしているだけでした。
しかし、自分の業務だけに留まらず、広い視野で「皆が働きやすい環境づくり」を考えることこそ、信州大学の未来をデザインする上で不可欠だと気づき、WGへの参加を決めました。
MVVの中でも、特に【Values】である"BEYOND"は、私たち一人ひとりの挑戦の物語だと感じます。これは単なる理想ではなく、職員が誇りを持ち、大学の未来を自らの手でデザインしていくための羅針盤に他なりません。
今日からいきなり、今までの業務に対する意識をガラリと変えるのは難しいかもしれません。だからこそ、このデザインステートメントを通して、事務職員一人ひとりが自身の仕事の先に広がる未来を意識し、大学の力、ひいては社会の未来を動かす一員として自覚を持つ、そのきっかけとなればと思っています。

事務局代表メッセージ

学長戦略室長 吉成 昭裕

●未来の原点
感謝の気持ち、最初にこれを届けます。
デザイン ステートメントは、「私たち事務職員は何のために存在するのか」「どう在るべきか」「どのように未来を切り拓くのか」という哲学的な問いに対して、正面から向き合い、言葉として紡ぎ出し、結晶化させた大切な想いそのものです。
この想いは、いま働いている事務職員だけではなく、50年・100年後の未来の事務職員の心にも寄り添えるような価値創造プロセスの基盤となるものだと信じてやみません。心から確信できるのは、BEYONDメンバーをはじめとして、事務局長、学長府長、学長戦略室の仲間、そして多くの人たちが惜しみなく時間と情熱を注いでくれた姿を間近で見てきたからです。
さらに、このような挑戦を受け止め、見守ってくれた執行部の寛大さにも後押しされました。
こうした歩み、数々の覚悟、その集大成として一つの成果を出せたことに、改めて、お礼を伝えさせてください。
深く、心から、感謝いたします。

●危機感と可能性が交差する未来 ― BEYOND
このタイミングで、BEYONDを立ち上げ、大学の未来をデザインする具体的なアクションを切望したのは、「変化の必要性」「改革の実現性」といった漠然とした、ただ、どこか確信めいた信念です。すなわち、「このままでは社会の変化に乗り遅れ、地域の中核大学としての責任を果たせないのではないか」、という切迫した危機感、と同時に、「私たちが提供できる価値は果てしなく多い」という事務職員のポテンシャルの高さへの信頼にあります。実際、策定に向けた議論の過程で、その力を随所に見ることができました。
今思うと、この議論そのものが新たな価値創造のプロセスと言えるのではないでしょうか。つまりは、もはや私たちは、「知」の中心である教員や学生たちを単に「支える存在」にとどまっていません。すでに『大学の未来を切り拓く原動力』となっているのではないでしょうか。
自らが「知」の中心に立ち、存在意義を見失うことなく、むしろ社会に対していかなる価値を提供できるのかを常に考え、模索し、恐れることなく実践する、「しなやかな組織」へと進化する、新たなフェーズに入っています。

●デザインする未来
デザイン ステートメントができた今、『思考の壁を破り』、比類なき大学構造改革を実現することが楽しみで仕方ありません。大学の未来は、誰かに委ねるものではなく、私たち自身が日々の思考・行動を通して形づくっていくものです。その行為一つひとつが、私たちの『帰属意識(Belonging)』を高め、そして、次なるアクションへの『熱量の源』となり、『仲間との絆』を深め、『組織を前へと導き』ます。やがて『新たな価値の創出へと結実』し、最後には、『組織文化の醸成』に繋がっていきます。
この主体的なサイクルこそが、教育・研究・社会貢献・医療・経営における「知」の基盤となり、ひいては社会を先導するグローバルな大学へと高めると確信しています。

だからこそ、今だからこそ、新たな一歩を踏み出す時です。
ここに集うすべての仲間に呼びかけます。
このデザイン ステートメントを胸に刻み、私たち自身で新たな大学のビジョンを描き、アクションを通じて、『ともに』大学の未来を「デザイン」していきましょう。
その成果を、山紫水明の地・信州から、世界へ広く発信していくために。