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トピックス

  1. 中島聡一郎さんが表面技術協会第148回講演大会にて学生優秀講演賞を受賞
研究
2023年12月5日(火)

中島聡一郎さんが表面技術協会第148回講演大会にて学生優秀講演賞を受賞

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2023年9月4日~5日に開催された表面技術協会第148回講演大会において、物質化学分野2年の中島聡一郎さん(新井・清水研究室)が学生優秀講演賞を受賞しました。学生優秀講演賞は、学生会員による講演の中から発表力、基礎・学術性、応用・発展性および新規性・独創性などを審査し、優秀な講演者5名以内を表彰するものです。今回(第148回講演大会)は93件の応募の中から5名が授賞しました。

【発表題目】三次元ナノ構造銅めっき膜の低温焼結に与える加熱条件の影響

【発表者】〇中島聡一郎、堀田将臣、清水雅裕、新井 進

【研究概要】エレクトロニクス実装技術(半導体デバイス製造後工程)のCu端子同士の接合は、主にはんだ材料(Sn系合金)を用いたソルダリングにより行われている。しかしながら、その接合部にはCuとSnという異種金属が存在しているため、金属間化合物の生成等による接合信頼性の低下が懸念される。また、パワー半導体を用いたデバイスでは稼働時の周辺温度が300℃を超えると言われており、一般に使用されているはんだ(Sn-Ag-Cu系合金:液相線温度217℃)でソルダリングするとはんだの再融解による接合欠陥が危惧される。近年、金属ナノ粒子の低温焼結現象を利用したAgナノ粒子ペーストやCuナノ粒子ペーストによる接合技術の開発が盛んに行われている。当研究室では、Cuナノ粒子ペーストと同様な低温焼結機能を有するCuめっき膜(三次元ナノ構造Cuめっき膜)の開発に成功しており、本めっき膜を用いた直接Cu-Cu接合が可能であることを報告した。本研究では、三次元ナノ構造Cuめっき膜の低温焼結挙動に与える加熱条件の影響を詳細に調査した。加熱温度プロファイルの検討から低温焼結が短時間で進行することを実証した。また、加熱雰囲気の影響を調べ、Cuの酸化を抑制する雰囲気で低温焼結が促進され、特に不活性ガス(Ar)と還元性ガス(H2)を混合させた雰囲気において最も低温焼結が促進されることを明らかにした。これらの知見はソルダフリー直接Cu-Cu接合の実現による高信頼性三次元集積回路(3D IC)作製や高信頼性パワー半導体実装技術に大きく寄与することが期待できる。

表面技術協会サイト
https://www.sfj.or.jp/meeting/148/award.html

学生優秀講演賞の授与式(賞状授与)は表面技術協会第149回講演大会期間中(令和6年3月6日(水))に行われる予定です。