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お知らせ

  1. 令和7年(2025年)年頭挨拶
その他
2025年1月6日(月)

令和7年(2025年)年頭挨拶

令和7年(2025年)年頭挨拶
学長 中村宗一郎

 新年あけましておめでとうございます。

 信州大学のステークホルダーの皆さまには、日頃より本学の教育・研究活動、そして社会貢献へのご理解とご支援を賜り、心より御礼申し上げます。特に、教職員や学生が国内外で力強くご活躍されていることは、本学の大きな誇りです。この場をお借りして、改めて敬意と感謝の意を表します。

 本学は、地域中核大学としての役割を担い、教育・研究・社会貢献という大学のミッションを推進するため、「グレーター・ユニバーシティ・ビジョン(Vision for Greater Shinshu University, VGSU)」を理念として掲げています。このビジョンは、多様な学問分野や世代、地域社会に分散する「人」と「知」を結集し、新たな価値を創出するエコシステムを構築するものです。「Extend(伸ばす)」「Expand(広げる)」「Enrich(豊かにする)」という三つの「E」は、本ビジョンを支える重要な構成要素であり、信州大学が地域社会とともに進む価値創造プロセスを象徴しています。

 もう一つの基盤となるビジョンが「地域テラフォーミング」です。これは、惑星を人類が住める環境に改造するというSF的な発想を基に、地域社会の再生に応用する壮大な哲学です。現代の地球環境問題や地域社会の課題を解決するため、地域資源の持続可能な活用、地域経済の自立、コミュニティの再構築を含む包括的なアプローチを推進しています。この理念のもと、本学は教育や研究活動を通じて具体的な課題解決に取り組み、その成果を地域社会に還元してまいります。

 昨年1月には、「地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J-PEAKS)」の研究大学群12校の一つに選定されました。「水および水由来グリーン水素」に関する研究が評価され、特に光触媒を用いた水素生成や炭素固定(人工光合成)の分野で、カーボンニュートラル社会を目指す研究の最前線に立っています。この研究活動を基軸に、新たな産業が集積し、イノベーションが生まれるエコシステムの構築を目指しています。

 さらに昨年10月には、新しい執行部体制がスタートしました。「世界につながる信州大学」をスローガンに掲げ、「DE&I(Diversity, Equity, and Inclusion)推進、覚悟のグローバル化、新学術×新産業創出で世界から選ばれる大学」をキャッチコピーとして歩みを進めています。本学は引き続き、「VGSU」「地域テラフォーミング」の理念を実践し、持続可能な未来を目指した教育・研究・社会貢献活動を一層強化してまいります。

 信州大学の挑戦は、地域の課題解決にとどまらず、世界に通じる新たな価値を創造することにあります。狭い視野にとどまることなく、広く世界を見据え、未来へとつながる教育と研究を推進し、その成果を地域に還元することで、真の知の拠点となることを目指しています。「J-PEAKS大学信州大学」として、ウェルビーイングとサステナビリティに資する人材育成に力を注いでまいります。

 繰り返しになりますが、信州大学は地域とともに成長し、地域の未来を支える大学として、不屈の挑戦を続けています。この挑戦は、「ShinXia」「全学横断プログラム」といった多様なプロジェクトを通じ、地域中核大学としての存在意義を着実に高めています。教職員と学生が協働する「教職学協働」を成長エンジンとし、「世界から選ばれる大学」へと進化を続けてまいります。「VGSU」「地域テラフォーミング」の理念を旗印に、信州大学は新たな地平を切り拓き、地域と世界を結ぶ架け橋となる覚悟です。

 新しい年の幕開けにあたり、皆さまのご健康とご多幸を心よりお祈り申し上げますとともに、引き続き信州大学へのご支援とご協力を賜りますようお願い申し上げます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

 ~大学が変われば、社会は変わる。ありたい未来がそこにある。「VGSU」で紡ぐ「地域テラフォーミング」~