佐藤颯馬さんが日本セラミックス協会第38回秋季シンポジウムにおいて最優秀プレゼンテーション賞および優秀ポスター賞を受賞
総合理工学系研究科工学専攻物質化学分野2年の佐藤颯馬さん(新井・清水研究室)が9月17-19日に群馬大学荒牧キャンパスにて開催された日本セラミックス協会第38回秋季シンポジウムの2つセッションにおいて、最優秀プレゼンテーション賞および優秀ポスター賞をそれぞれ受賞しました。
日本セラミックス協会第38回秋季シンポジウム
セッション:エネルギー変換・貯蔵・輸送セラミックス材料の基礎と応用
受賞題目 :フッ化物イオン電池正極材料としての層状複水酸化物の電気化学特性(2D23)
発表者  :佐藤颯馬、新井 進、清水雅裕(最優秀プレゼンテーション賞)
リチウム二次電池を凌駕するエネルギー密度をもたらす革新型蓄電の1つとして、フッ化物イオン電池の構築が期待されています。それらの研究例の多くは、フッ化物イオン伝導体として固体電解質が使用されており、動作温度はおおむね50度以上です。本研究では、水系電解質を用いた室温動作を念頭に置き、その電極活物質候補として層状複水酸化物(LDH)に着目しました。反応電位や電解液の安定な電位範囲の狭さが現状では課題として残りますが、室温においてLDHがフッ化物イオンを可逆的に挿入ー脱離することを見い出し、電極活物質として機能することを本研究で見い出しました。
セッション:元素・構造多様性に基づく無機化合物の物質科学
受賞題目 :層状複水酸化物層間へのCO32−の電気化学的挿入-脱離におよぼす構成元素効果(2PS03pm)
発表者  :佐藤颯馬、新井 進、清水雅裕(優秀ポスター賞)
本研究は、層状複水酸化物(LDH)の層間に炭酸イオンを電気化学的に挿入-脱離できることを示したものです。LDHは,その金属水酸化物シート層間に様々なアニオンを含んだ形で存在することが可能であり、有害イオンの除去などに使用されています。他方、炭酸イオンはLDH層間において安定に存在し、イオン交換法では他のアニオンに交換することは難しいとされています。層間内に炭酸イオンを自在に出し入れすることができれば、有用な資源への変換やエネルギーデバイスへの応用が期待できます。本研究では、LDHを構成する元素によって炭酸イオンの挿入電位やその量が制御できることを明らかにしました。
研究室ホームページ(応用電気化学研究室)
https://www.electrochem-sm.org/