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研究ハイライト

  1. 世界初、サル類の魚食行動の観察・撮影に成功
2023年9月12日(火)

世界初、サル類の魚食行動の観察・撮影に成功

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©NHK

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信州大学学術研究院(理学系)教授 東城 幸治
(副学長(広報、学術情報担当)・附属図書館長)

厳冬季の上高地にくらすニホンザルの糞内DNAのメタバーコード解析から、イワナ類のDNAが検出されたことをScientificReports誌に公表しました。2021年11月末のことです。複数年の調査で2割弱の糞からイワナDNAが検出されていることから、イワナの捕食は確実だろうと思いつつ、その瞬間を観ていないことや、上高地の関係者に尋ねてもサルの魚食については噂さえ聞かず、不安に感じておりました。

この論文公表が多くのメディアに報じられると、2021年1月の上高地で、イワナ類を咥えて歩くサルが座り込んで完食するまでの行動を写真撮影されていた方から信州大学広報室に連絡があり、写真利用も快諾頂きました。2022年元日には、この写真に基づく関連記事をNature Portfolioに記しました。1月後半からは、NHKとの共同研究として、多数の赤外線センサーカメラなどを導入した撮影に挑み、ついに魚食の瞬間を捉えることができました。これらの映像は、番組「ダーウィンが来た!」でも放送されました。

このような冬以降の急展開は、様々な事項がタイミングよく進んだ幸運もありますが、その陰には上高地でのセンサーカメラ設置許認可申請を急ピッチで進めた研究推進部、国内外へのプレスリリースを担当した国際学術広報・国際部や広報室の協力など、チーム信大の見事な連携がありました。

現在、魚食行動の気象条件や狩場の特性などを画像分析した成果をNHKとの共同研究として論文投稿中です。