スポーツ×学び 互いの強みを活かした地域貢献が サッカー事業の成長をも促す! 横関 浩一氏地域コミュニケーション
Cheer On! 我ら信大のステークホルダー! Episode02

信州大学を360度取り巻く、いろいろな業界のステークホルダーの皆さんに登場いただく新コーナー。
期待、応援、意見あり、ユニークなつぶやきも…多彩なメッセージをお寄せいただきました。
・・・・・ 信州大学広報誌「信大NOW」第154号(2025.11.30発行)より
横関 浩一 氏PROFILE
地域の成長なくしてサッカークラブの成長はない
松本山雅FCを運営する弊社と信州大学とは、2020年に包括連携協定を締結し、様々な分野で連携しています。1つ目が「信州100年企業創出プログラム」です。同プログラムは、都市圏の中核人材に信州大学の客員研究員を委嘱し、長野県内の中小企業の課題解決を通じて、最終的に地域・企業との関係性構築(雇用や事業連携等)を進めるというものです。弊社はプログラムのコンソーシアムに参画し、県内の受け入れ企業の募集・サポートと、都市圏の中核人材と企業とのマッチング支援などを中心に担っています。もともとは客員研究員の受け入れ企業としてプログラムに参加していた弊社ですが、私たちだけが成長しても限界があると感じるようになりました。地域全体の成長を目指すには、プログラムのコンソーシアムの一員となる必要があると思い、参画を決めました。私たちには「地域の成長なくしてサッカークラブの成長はない」という強い思いがあります。地域の成長とサッカークラブの成長は比例する、それも、地域の企業の成長があって、次に我々の成長があるという順番だと思っています。
様々な形で企業をサポートすることで、我々の基幹事業である「松本山雅FC」へのサポートが更に強固なものとなり、好循環が生まれると考えます。
スポーツ×こころの医学 選手自ら小児患者を訪問
2つ目の連携事業が、医学部「周産期のこころの医学講座」と連携した「ママサポ」プロジェクトです。
もともとは、同講座を受け持つ村上寛講師が、松本山雅FCの熱心なサポーターだったことがきっかけで生まれたこのプロジェクトは、信州大学と弊社が連携して子育て中の保護者や小児入院患者に付き添いをされる保護者の方々を応援するという内容です。
その1つが、子育て家庭が安心してサッカー観戦ができる環境づくりの推進です。ベビーカーでの移動や授乳・おむつ替え環境の整備はもとより、ホームゲーム会場に無料の相談ブースを設置し、専門家(産婦人科医・助産師など)に相談できるコーナーをつくりました。これを通じ、日頃の子育てにおける不安や悩みを気軽に相談していただけたらと思っています。
このほかにも、2023年には信州大学附属病院にて小児入院患者に付き添う保護者支援プロジェクトを企画しました。子供のケアに忙しく、十分に自分が食事する時間をとれない保護者に対し、弊社が運営する「喫茶山雅」が栄養バランスの良いお弁当をご用意。そして松本山雅FCの選手自らが病院を訪問することで、保護者のケアを果たすと同時に、小児患者に心の活力を与えられたらと考えています。
信州大学と連携して行ってきたこれらの取り組みは、社会的にも意義があるため今後も続けていきたいと考えます。一方で、会社として将来的にどのように収益化するかに関しては、スピード感を持って考える必要があると思っています。また、これまで実施してきた事業の継続以外にも、選手のパフォーマンスを向上させるための栄養メニューの開発や、サッカーの試合映像に対し、AI解析を用いてフィードバックをするなど、様々な分野で一緒に取り組める可能性があると期待しています。“まちづくり”という共通の理念をもとに幅広い分野で協働してきた信州大学と私たち。これからもスポーツと学びを軸に、それぞれの強みを活かした新たな挑戦を続けていきましょう!

