「信大クリスタル」で広がるマイボトル運動、ここ水都信州から。地域コミュニケーション
信州のおいしい水を、気軽に楽しむことが可能な無料アクアスポット、それがswee
長野県内に広がる無料のアクアスポット「swee(スウィー)」をご存知ですか?
「swee」は信州大学の手嶋・林・山田研究室が開発し、特許、商標も取得した高機能な無機結晶材料「信大クリスタル(※1)」を搭載した無料の浄水設備で、2021年から長野県内で設置が始まりました。「信大クリスタル」は水に溶け込むことがある金属イオンなどを除去する機能があり、マイボトルを持参すれば、信州の安全で美味しい水を外出先で気軽に飲むことができます。
皆さんご存知のとおり、ペットボトルなどの使い捨て容器ごみの増加は、マイクロプラスチック問題やCO₂排出につながるとして、その削減が社会課題となっています。信州大学は「swee」による、市民・県民・観光客などの一般市民の皆さまを巻き込んだマイボトル運動の推進を通じてこうした社会課題の解決に貢献していきたいと考えています。
この私達の思いに賛同していただいた自治体や地域の企業を中心に、「swee」の設置はどんどん広がっています。信州大学のキャンパスはもちろん、松本市役所、長野市役所、茅野市役所、信州まつもと空港、各地の観光関連施設など、2024年2月現在で合計28か所。「swee」を通じたマイボトル運動に是非皆さんもおいしい水を楽しみながらご参加ください。
・・・・・ 信州大学広報誌「信大NOW」第144号(2024.3.29発行)より
(※1)信大クリスタル
信州大学先鋭領域融合研究群 先鋭材料研究所の手嶋勝弥所長(学術研究院工学系教授)を中心に研究が進む「フラックス法」でつくられる高機能な無機結晶材料の総称。
有害な重金属を除去する浄水デバイスの他、生体適合デバイス、リチウムイオン二次電池など様々な産業への展開が期待されています。
TOPICS
「swee」の設置により松本市ではこの2年間で約11万6,000本のペットボトルを削減しました。
2021年に設置を始めた松本市ではこの2年間に「swee」で5万8,000Lの水が給水された、とした発表(※2)がありました。これを500mlペットボトルに換算すると、実に11万6,000本相当になり、非常に多くのペットボトルごみを削減したことになります。
また、この量の使い捨てペットボトル削減によるCO₂削減効果は、500mlペットボトル1本あたりのCO₂排出量を224.5g(※3)とすると、なんと26.04tにもなることがわかりました。
CO₂の削減は、まさに全世界を挙げて取り組む喫緊の課題であり、SDGs実現に向けて、ここ長野県から新しい取り組みが始まっています。
(※2)2023年10月30日松本市市政記者会での報道発表
(※3)三木暁子、中谷隼、平尾雅彦「消費者のためのライフサイクル評価による飲料水利用のシナリオ分析」環境科学会誌2010年23巻6号p.447-458(2010)
(※4)CO₂排出量は(※3)を参照し、「飲料水500mLの消費」を基準として算出された値
信州大学発の「信大クリスタル」が信州の水をより安全に、美味しくします。
信州の水は世界でも有数の美味しさを誇りますが、「swee」は信州大学が開発した「信大クリスタル」を搭載しているため、より安全で美味しい水が給水できます。
「swee」に搭載した重金属吸着結晶「信大クリスタル」(三チタン酸ナトリウム)は古い水道管などから溶け出すことがある有害な重金属(鉛、鉄、銅等)を選択的かつ高効率に除去することが可能で、金属イオンの除去率は99%以上を誇ります。
信州の水はアルプスをはじめとする山々を起源とし、また適度なミネラル分を含んでいます。「信大クリスタル」を活用した「swee」ならこのミネラル分を残しながら浄水することができ、信州の個性を生かした美味しい水を提供できるのも魅力です。
sweeユーザーの声
環境保全に、積極的に協力したい 浄化の仕組みにも興味がある
信州に抱いていたイメージが裏付けられるようなおいしさ
豊かな水に恵まれた地だからこそ身近な自然を改めて大切に思える
取材協力:信濃毎日新聞社マーケティング局
sweeに関するお問い合わせ先
信州大学 信大クリスタルラボ/先鋭材料研究所 手嶋・林・山田研究室
TEL: 0263-37-2073 E-mail : shindaicrystal@shinshu-u.ac.jp