拠点長メッセージ

航空宇宙システム研究拠点
拠点長 天野 良彦

戦後のYS-11以来、長い間途絶えていた航空機産業を復活すべく、MRJ(Mitsubishi Regional Jet)が開発され、就航に向けて着々と準備が進められています。MRJの部品点数は約95万点だそうですが、これらの国産化比率は低く、コストベースで約7割は海外製だそうです。開発主体は日本でも、中身は海外製に頼っているのが現状と言えます。安心・安全が最重要視される航空機用部品には厳しい認証制度があり、これが新規参入の障壁になっているであろうことは容易に想像できますが、これらの壁を乗り越えて、航空機産業を我が国の次世代産業に位置づけ、航空産業特区など、様々な施策が国策として進められています。一方、局所的な天気予報向けの気象衛星や農地遠隔モニタリング、海運向け衛星など、今後、特定用途向けの小型人工衛星のニーズが世界的に高まってくると予想され、小さな衛星をコストの安い小型ロケットで飛ばす新しい宇宙ビジネスが拡大していくと予想されています。

そんな中、信州飯田・下伊那地域にあっては、経済産業省のアジアNo.1航空宇宙産業クラスター形成特区の指定を受け、地域企業や自治体が連携し、金融機関の支援を受けて航空機部品のモジュール化など付加価値の高い航空機産業創生が進められています。本学では、飯田・下伊那地域の行政、産業界、金融機関など地元の強い要請を受け、次代の航空機産業の発展を担う高度専門職業人の養成を目的とした航空機システム共同研究講座を平成29年4月に設置し、南信州・飯田サテライトキャンパスを拠点に教育・研究活動を開始しています。また、信州諏訪圏にあっては、内閣府地方創生交付金「諏訪6市町村によるSUWAブランド創造事業」が採択され、信州大学大学院社会人コース修了生が中心メンバーである信州・諏訪圏テクノ(SST)研究会が中心となって活動する「SUWA小型ロケットプロジェクト(SRP)」が平成27年10月からスタートしています。

本学では、我が国の将来の基幹産業の一つとして期待される航空宇宙分野の教育・研究を推進するため、先鋭領域融合研究群次代クラスター研究センターに「航空宇宙システム研究センター」が平成28年10月1日付で設置されましたが、平成31年4月に改組され、新たに「先鋭領域融合研究群航空宇宙システム研究拠点」がスタートしました。航空宇宙に関連する技術分野は機械・電気電子・情報通信・材料・加工・計測などと広範で裾野が広いことが特徴ですが、当研究拠点では高度な関連要素技術を保有する様々な専門分野の理工学系教員の参画を図り、航空宇宙システムの要素技術研究をとおして次世代航空機・小型ロケット・小型衛星の部品・装備品の高度化とモジュール化・システム化を推進し、地域産業の活性化、地方創生に貢献することや、研究開発の成果を社会実装する若手人材の育成も航空機システム共同研究講座等と連携して推進していきます。航空宇宙に夢と関心をお持ちの学生の皆さん、きらめく技術を集結させて、大空へ、そして宇宙へと向かおうではありませんか!

拠点について

拠点設置の背景

信州大学には、精密・電子・情報・材料科学など多岐にわたる分野において、それらを専門とする教員が多くおります。教員の有する研究開発能力や技術は、航空機装備品(航空機システム)分野への応用可能性が高く、航空機システムの国産化と航空機産業の発展へ大いに寄与できる可能性を秘めています。このようなことから、「航空宇宙」を1つのテーマと据え、「各教員の要素技術(研究素材)の航空宇宙システム分野への展開」、地域の特色・強みを活かした「地域産業の基盤技術の活性化と人材育成の推進」を行うことをミッションとした拠点を設置しました。

地域との連携

長野県には、各地域に特色のある産業が根付いています。信州大学ではこれらの企業の特色を活かすべく、飯田・下伊那地域や諏訪地域において人材育成・研究活動を行ってまいりました。本拠点においては、次代の地域産業を牽引する航空宇宙分野の新技術の創成と人材育成を推進し、地域の特色を活かした地方創生に貢献します。

「航空宇宙システム」というキーワードを信州大学の研究分野に

本拠点では、信州大学が保有する要素技術を結集して、ニーズ指向、プロジェクトベースで、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)などの関連研究機関や企業と連携し、航空宇宙分野に関連する特色ある教育・研究を推進していきます。将来的には、地域・企業と連携して信州という地域が航空宇宙分野の国内外の拠点の一つとなることを目指しております。

航空宇宙システム研究拠点のロゴについて

きらめく技術を集結させて空へ向かう!
そんなイメージを元にデザインしたロゴです。

作成:武井 敦子(太陽工業株式会社所属)SUWA小型ロケットプロジェクトメンバー

拠点長・副拠点長・運営支援教員・事務統括・事務担当

                             
拠点長 天野 良彦 工学系教授
副拠点長 佐藤 敏郎 工学系教授
運営支援教員 山沢 清人 特任教授
運営支援教員 三浦 義正 特任教授
運営支援教員 岡本 正行 特任教授
運営支援教員 藤田 健一 学長補佐・工学系教授
事務統括 土屋 雅紀 工学部事務部長
事務担当 徳武 文雄 工学部参事
事務担当 渋澤 知祥 工学部参事