新着情報

当研究拠点における人材育成

当研究拠点では、学生が、航空機システム部門、宇宙システム部門、基盤技術部門のそれぞれのプロジェクト研究をとおして深い専門性を身に付け、その専門性を応用展開できる力を養うための教育研究活動を行うほか、地域産業の未来を牽引する次世代理工系人材育成のため、「社会人スキルアップコースプログラム(特別の課程)」や「諏訪圏サテライトキャンパス公開講座」などを提供しています。

航空機システム共同研究講座

2016年3月、南信州広域連合、飯田市、長野県、(公財)南信州・飯田産業センター、多摩川精機、八十二銀行、飯田信用金庫、長野銀行(その後、長野県信用組合が加入)を会員とする"信州大学航空機システム共同研究講座コンソーシアム"が設立されました。2017年4月、同コンソーシアムからの設置の要請と経費の支援を受け、4年間の時限で信州大学南信州・飯田サテライトキャンパスの開設と併せて信州大学航空機システム共同研究講座が設置、運営されてきました。4年経過後の2021年度以降の支援についてコンソーシアムで検討いただいた結果、2024年度までの4年間、存続期間を更新していただけることになりました。
引き続き、航空機システム(航空機装備品)に関する人材育成と研究開発を推進していきます。

航空機システム分野横断ユニットの設置と航空機システム教育プログラムの開講

2021年度、大学院総合理工学研究科(修士課程)工学専攻に"航空機システム分野横断ユニット"を新設しました。世界的に競争力の弱い航空機装備品/システム技術に関連する教育研究を実施し、研究成果を社会実装する人材を育成します。また、同時に、航空機システム(航空装備品システム)に関連する様々な授業科目からなる"航空機システム教育プログラム(履修コース)"を当ユニットに設置しました。2023年度は10人がこのプログラムを履修、所定の修了要件を満たしてプログラム修了証明書が交付されました。

国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)との連携大学院協定の締結

2021年2月1日、JAXAと、大学院総合医理工学研究科(博士課程)並びに総合理工学研究科(修士課程)の間における連携大学院協定を締結しました。これにより、JAXAの研究者が、研究科の学生の主指導教員として研究指導を行える体制が整備されました。高度な研究水準を有するJAXAの研究環境を活用して、本学で実施する研究の一部をJAXAの研究員が直接、研究指導することにより、スムーズな技術の受け渡しを実現し、研究科の教育研究活動を一層充実させ学生の資質の向上を図るとともに、JAXAの研究活動を推進し、その成果・普及を更に促進することにより、我が国の宇宙科学及び宇宙航空技術分野の発展に寄与することを目指します。
2021年度から毎年、大学院工学専攻航空機システム分野横断ユニットの修士学生をJAXA航空技術部門に派遣し、これまでにGPS/INS複合航法技術や航空人間工学技術の研究をJAXAと連携して推進しています。

地域産業の発展を支える人材育成や企業支援の取組み

①信州大学の2つのサテライトキャンパスでの活動
信州大学諏訪圏サテライトキャンパスを拠点に、諏訪圏6市町村/地域企業と連携して、地域産業の発展を支える人材育成を推進しています。また、企業の皆さまに、元信州大学特任教授の先生が「モノづくり」のお困り事のアドバイスをさせいただく「技術相談会」も開催しています。なお、社会人スキルアップコース特別の課程は、南信州・飯田サテライトキャンパスでも行っています。
②特別の課程
社会人の方々を対象にした学び直しの機会として、大学院修士課程と同等の内容を持つ社会人スキルアップコース(特別の課程)を開講しています。社会の第一線で仕事をする中で、工学分野に関連した課題・問題を深く追求したい、大学で勉強したいとの思いをお持ちの方は是非ご利用ください。   
③公開講座
信州大学と岡谷市は、従来の「エンジニアのための教養講座」を、2023年度に「信州大学諏訪圏サテライトキャンパス公開講座」に名称変更しました。2024年度は、諏訪圏サテライトキャンパスと南信州・飯田サテライトキャンパスが合同で、「信州大学航空宇宙システム研究拠点公開講座」として航空宇宙システム研究拠点の研究者が最近の研究事例をご紹介します。
前期(4回;10/1~10/30)は、航空機システム関連の最新研究について講演します。
後期(4回;11/13~12/10)は、宇宙システム関連の最新研究について講演します。

④準備コース
信州大学諏訪圏サテライトキャンパスの支援を受けてNPO法人諏訪圏ものづくり推進機構が主催する信州大学への進学準備講座です。本コースでは、信州大学大学院総合理工学研究科工学専攻(修士課程)の進学に必要な工学基礎知識の勉強、ならびに研究方法やプレゼンテーション・論文作成能力の習得を目的としています。  また、進学せずとも、技術者の基礎知識習得や学び直し・能力向上など、広く社員教育の場としてもご活用いただけます。「完全オンライン授業」ですので、遠方の企業の方々も受講いただけます。
⑤技術相談会(企業支援の取組み)
「技術相談会」は、2010年度の開始以来、2023年度までの14年間で、延べ131社(延べ238件)を数えています。オンライン(Zoom)ですので、諏訪圏以外の遠方の企業の皆さまもお気軽にご相談ください。

SUWA小型ロケットプロジェクト

諏訪周辺地域が強みとする精密加工技術を向上させることを目的として、2015年度から2019年度の5年間にわたり、内閣府地方創生交付金「諏訪圏6市町村によるSUWAブランド創造事業」、2020年度から2022年度までの3年間は、このプロジェクトを継承する形で「モノづくり集積地SUWAのヒトづくりプロジェクト」が推進されました。2023年度から2025年度の3年間は、岡谷市負担事業「小型ロケットをキーとした信州大学との連携強化事業」として、引き続き、産業活性化や若年人材の育成に貢献しています。本学ではこれらのプロジェクトの主軸となる、諏訪圏の企業在籍者を主な対象とした「小型ハイブリッドロケット」の製作を通した人材育成「SUWA小型ロケットプロジェクト」を行っています。これらの経緯も踏まえて、宇宙システム部門では、信州大学の教員の保有するロケットや人工衛星開発につながる要素技術を結集させ、ロケット・人工衛星などの製作技術のより一層の向上、また新たな技術開発を目指して「SUWA小型ロケットプロジェクト」のメンバーとともに研究・技術開発を行っています。

卒業生の活動 ~信州・諏訪圏テクノ研究会~

諏訪圏を中心とした社会人学び直しの機会提供として、平成19(2007)年度経産省中核人材事業採択を契機とした大学院修士課程超微細加工技術社会人コース(現在は総合理工学研究科工学専攻の社会人枠の中で継続)、平成21(2009)年度文科省科学技術振興調整費採択の「信州・諏訪圏精密工業の活性化人材の養成」による博士課程専門職コース(現在は総合工学系研究科システム開発工学専攻精密工学社会人コースとして継続)、平成25(2013)年度からは、社会人スキルアップコース「超微細加工技術」特別の課程などの取り組みを行ってきました。
上記取り組みの在学生・修了生(大学院修士課程社会人コース修了生、博士課程専門職コースの在学生と修了生)が中心となる「信州・諏訪圏テクノ研究会」が組織され、所属企業の垣根を超えた新技術開発、交流事業を推進しています。

大学院「特別の課程」(1年間)

対象:信州大学大学院総合理工学研究科 社会人スキルアップコース

企業で働く社会人のためのコースです。土曜・夜間等に講義を実施しています(一部平日昼の開講もあり)。企業の若手技術者等、意欲ある受講生を募集しています。
諏訪圏サテライトキャンパスでは「超微細加工技術」社会人スキルアップコースを、南信州・飯田サテライトキャンパスでは「電気機器関連制御技術」社会人スキルアップコースを開講しています。修士課程と同レベルの講義が受講できます。両キャンパスでの受講に加えて、リモートでも受講することが可能です。また、伊那キャンパスでは「信州フードスペシャリスト育成プログラム」を開講しています。

信州大学大学院総合理工学研究科 社会人プログラムサイト

参考:信州大学の「社会人の学び直し」について

企業に在籍しながら信州大学で学ぶことができます。
信州大学では企業に在籍しながら学ぶ社会人の学び直しを応援し、社会人学生を募集しています。

入学・開講時期 修士・博士課程では、4月入学または10月入学どちらかの入学時期を選べます。学部・修士「特別の課程」は4月入学・開講のみとなります。
社会人特別選抜<修士課程・博士課程> 修士課程工学専攻では社会人の入学希望者を対象とした社会人特別選抜があります。
入学資格審査<修士課程・特別の課程・博士課程> 大卒以外の方で修士課程への入学を希望する場合(博士課程の場合は修士修了以外の方で入学を希望する場合)、入学資格と同等以上の学力等を備えているかどうか事前に書類審査を行います。
長期履修制度<修士課程・博士課程> 修士課程では、修業年限2年分の授業料を最大4年にわたって分割納入し、4年間在籍することができる制度です(博士課程では3年分の授業料を分割納入し最大6年間在籍が可能)。社会人学生のみを対象とした制度です(入学時に申請が必要です)。
特別の課程→修士課程へ進学 特別の課程で受講した科目の一部を修士入学後に修士科目単位として認定することも可能です。
研究テーマ 各企業での研究・技術開発課題を持ち込み課題として研究テーマに設定し、研究活動を行うこともできます(要事前相談)。
修士・博士課程においては、大学院の各入試に合格することが必要です。また、受験前に研究指導を希望する教員と事前に入学後の研究内容等について相談いただく必要があります。
受験を検討するにあたり、入学後の研究テーマのマッチング、授業内容、修士研究指導などの疑問についてお答えする事前相談を行っております(予約制)。入学を希望される方、または受験を検討するにあたり詳細について概要説明を希望される方は各拠点へご相談ください。
参考:【信州大学HP 学部・大学院サイトへ】