宇宙システム部門の概要

航空機やロケット、人工衛星などに代表される航空宇宙産業は、高度な技術と精度が要求される最先端分野の一つです。カメラ・時計・電子機器などの精密機械工業の集積地として発展してきた諏訪地域では高精度かつ高効率な加工技術を有した企業が多くあり様々な精密加工を行っています。

このような諏訪周辺地域が強みとする精密加工技術を向上させることを目的として、2015年度から2019年度の5年間にわたり、内閣府地方創生交付金「諏訪圏6市町村によるSUWAブランド創造事業」、2020年度から2022年度までの3年間は、このプロジェクトを継承する形で「モノづくり集積地SUWAのヒトづくりプロジェクト」が推進されました。2023年度から2025年度の3年間は、岡谷市負担事業「小型ロケットをキーとした信州大学との連携強化事業」として、引き続き、産業活性化や若年人材の育成に貢献しています。 本学ではこれらのプロジェクトの主軸となる、諏訪圏の企業在籍者を主な対象とした「小型ハイブリッドロケット」の製作を通した人材育成「SUWA小型ロケットプロジェクト」を行っています。これらの経緯も踏まえて、当部門では、信州大学の教員の保有するロケットや人工衛星開発につながる要素技術を結集させ、ロケット・人工衛星などの製作技術のより一層の向上、また新たな技術開発を目指して「SUWA小型ロケットプロジェクト」のメンバーとともに研究・技術開発を行っています。

主な取り組み

・プラスチックと金属の異種接合に関する技術開発
・CFRP(炭素繊維強化プラスチック)およびCFRTP(炭素繊維強化熱可塑性プラスチック)の成形技術開発
・CFRTP等の切削加工技術開発
・無線コントロールシステムの開発
・飛行シミュレーション解析ソフトの開発
・小型ハイブリッドロケットエンジンの開発
・通信技術や観察技術
・航空機の脚部鉄鋼部位への耐食性皮膜と部材補修技術の開発
・金属造形による部材の作製
・セラミック基板上への金属成膜
・摩擦攪拌接合を利用したアルミニウム合金の曲面に対応した溶接技術の開発
・航空機用軽量金属材料の機械的特性に関する計算科学的研究
・第一原理機械学習手法によるナノ異材界面の力学特性の解明
・宇宙放射線の観測とその応用
・CFRPの疲労劣化の機構解明と余寿命推定法の確立

スタッフ

スタッフ写真            
氏名 所属・職位
部門長
榊 和彦
工学系教授〔材料加工・溶射工学〕
副部門長
中山 昇
工学系准教授〔機械材料・加工学〕
中村 正行 工学系教授〔最適設計・逆問題解析〕
松中 大介 工学系教授〔計算材料科学・固体力学・物性理論〕
亀山 正樹 工学系准教授〔機械材料・材料力学・航空宇宙工学〕
髙山 潤也 工学系准教授〔知的計測システム〕
西村 正臣 工学系准教授〔計算固体力学・材料力学〕
衣川 智弥 工学系准教授〔宇宙物理学(理論)〕
富田 孝幸 工学系助教〔装置較正・宇宙線物理・レーザー計測〕
深田 茂生 特任教授〔精密位置決め技術〕
内山 明 コーディネーター(諏訪圏)
岩垂 善幸 コーディネーター(諏訪圏)

*今後、競争的資金、受託・共同研究など新規のプロジェクトごとに、学内公募して協力教員の参画を得ます。