
平成24年5月3日に行われた第14回日中韓三ヵ国環境大臣会合にあわせて行われた学生フォーラムに他の4人の日本人学生と共に参加した山田和輝さん。フォーラムでは日本人学生の代表として、長野県鬼無里村の自然エネルギーを中心とした地域おこしの事例(プレゼン「日本の若者の環境意識と行動について」)を発表し、好評を得たという。日中韓三カ国の学生たちはどんな話し合いをしたのか、いわば学生環境大使の役割を果たした山田さんには、どんな取り組みがあったのか。
学生フォーラムでは、韓国や中国の若者はどんなことを話していたのかと聞いたら「それが、私が言おうと思っていたことを先に言われてしまった!と思うぐらい、環境についての認識は同じだったんですよ」と山田さん。
途上国へ環境の技術支援が必須であるということを訴えたかったのだという。経済発展と共に公害汚染が深刻化してしまう途上国の問題は、地球全体にとっても大事なことで、それは先進国である私たちの責任であると。
また、中国では川縁のハイキングでごみ拾いする市民活動が行われるなど、急速に環境大国を目指して努力している姿を感じた。
昨年中国は、風力発電量でアメリカを抜き世界一位となっている。韓国の取り組みにも目を見張るものがあり、環境先進国と言われ、環境技術のある日本の、取り組みの進化の度合いはいかがだろうと考えたという。
三カ国の学生は、それぞれの事例発表の後、混成グループで話し合い、学生が主体となり環境教育やコミュニケーション(インターネット活用等)に貢献すること等を含む提案事項をまとめた。
【詳細】
日中韓三カ国環境大臣会合日本オフィシャルサイト:
http://www.env.go.jp/earth/coop/temm/aboutus/14forumu_student.html
今回の参加者として選抜された山田さん自身のこれまでの歩みを聞いた。
環境問題に関心を持つようになったのは、高校生の時で、さまざまなメディアが環境問題を報じる中でも、「伝説のスピーチといわれるブラジル・リオデジャネイロ環境サミットで12歳の少女セヴァン・スズキのスピーチ」に感動した。
環境に貢献できる技術者になりたいと、信大工学部環境機能工学科に入学。修士課程へも進み、太陽光発電に関わるテーマで研究、卒業して電機メーカー部品製造の会社へ就職した。仕事に不満があったわけではないが、「視野を広く持ち、様々な経験をしなければダメだ」と青年海外協力隊員となって、カンボジアへ飛んだ。
役割は公衆衛生に関する教育だったが、カンボジアの人々は、外国人の話す馴染みのない話に耳を傾けてはくれなかった。村の行政のやり方にもなじめず、役に立っていない自分に「ものすごく落ち込みました」。
そこでどうにもならない気持ちを抱えたまま、さまざまな活動をしている人を訪ねてカンボジア中を旅した。気づいたのは「辛い境遇を辛いと言って、くよくよ生きるか、そんな境遇は関係ないと言って、前向きに生きるかで、道は分かれるんだ」ということ。
以来、山田さんは前向きになった。生ごみのコンポスト化に取り組み、可能性のあることはすべて試した。学校に勤め、孤児院を訪ね、活動はカンボジアの人々と共に行う充実したものに変わっていった。
「カンボジアを経験するまで、私は技術があれば…と考えていましたが、技術を使う、運用できるかどうかが問題で、政治や人脈などがいかに大切かを知りました」
2011年1月に帰国。この時は、人と人をつなぐ、社会福祉関係やソーシャルワーカーの仕事に就くことも考えていた。
そんな時、東日本大震災が起きた。青年海外協力隊OB会の支援活動を手伝う形で、4月~6月まで合わせて3週間ほど避難所の支援活動に入った。
4月当初、避難所でスムーズに支援物資などが配給されない様子を見て、人やモノをうまくつなぐことができない現場や臨機応変に状況判断ができない姿が目について、人と人をつなぐ役割の重要さを思った。
しかし人と人がつながっていく時、そこには具体的に取り組む活動がある。それを提案することはできないだろうか…自分にできることはなんだろう…と考えた時、環境問題に取り組むことが頭に浮かんだ。カンボジアでの経験が蘇ってきた。
「もっと、もっと勉強する必要がある」
父に相談すると思いがけず、「博士課程へ進学したらいい」と背中を押された。山田さんは、市民活動と連動する環境活動のイメージを胸に再び信大工学部キャンパスへ。
総合工学系研究科(博士課程)に入学すると同時に、社会経済・経営も学びたいとジョイントディグリー制度を活用して経営大学院へも入学した。
今は、鬼無里村など長野県内で取り組まれている再生可能エネルギーを中心とした地域づくりに注目し、研究している。「卒業後もしばらくは関わりたいと思っていますが、いずれはアジアをターゲットに公害をつくらない地域づくりなどの仕事をしたいと思っています」。
夢に向かって着実に歩む山田さん。1日12時間を勉強に費やしても、なお「全然、足りない」という。
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