
トライアルは、ヨーロッパでは人気のモータースポーツ。
スピードではなく、技を競う。
斎藤晶夫さんは、10歳でバイクに乗り始め、11歳でトライアルの世界へ。昨年1月からは国内最高峰の国際A級スーパークラスで活躍している。大学院生として研究課題に取り組みながら、全国各地でのレースに参戦。
全力で2つの目標に突き進んでいる斎藤さんに話を聞いた。
・・・・・ 信州大学広報誌「信大NOW」第63号より
トライアルのレースは、基本的には岩場や沢など自然の地形をそのまま利用して行われる。コース上に設けられたセクションと呼ばれる採点区間で、いかに足をつかずに乗りこなせるかを競う。
「大地を踏んでいるバイクから力がくるんです。その力を感じながら、バイクと一体になれるかどうか。身体がバイクを通して地形を感じ、タイミングが合ってくると自由を得た気がするんです。トライアルをやっていると、自然が好きになりますよ」と斎藤さん。しかし山の中で排気ガスを出すバイクは、同時に自然環境に負荷を与えていることも事実。「いつも贖罪としてやれることを考え、忘れてはいけないと思っています」と神妙になった。
「自分には目標があります。1つは土日、モータースポーツの世界を盛り上げていくこと。もう一つはバイクをつくること。だから勉強は大切です。土日と平日を分けて、二つの世界を中途半端にしないぞって、自分に言い聞かせています」。
それでも、疲れていてレース結果が不調で落ち込むこともある。そういう時は「そのまま落ち込む」ことにしているという。いったん落ち込んでからじゃないと、立ち上がれない。「落ち込むことは悪いことではなく、前に進むためのクッション。全体として、前向きであればいいと思っています」。
最高峰クラスをこなすライダーには、心身を良好に保つ術も必要だ。
3年生の時、「バイクをやっていると、大学の友人たちと一緒に遊べないし、成績を維持するのも大変でやめようかと思ったことがありました」。斎藤さんは、自分なりに一生懸命に毎日をすごしているはずなのに、喜びがなくなっていた。「でもここでやめて何になるのか、こんな吹っ切れない自分を変えたい」と世界一過酷といわれるレース、SSDT〈Scottish Six Days Trial〉に挑戦する。
ヨーロッパのレース経験が全くない斎藤さんの挑戦は、それだけでも快挙。SSDT参戦中は、足が棒のようになって曲げられない、まともに歩く事さえできなくなった。「こんなにつらいことが世の中にあったんだ」「今までベストを尽くしていたと思っていたけど、そんな自分じゃたどり着けなかった」。死にもの狂いで闘い、なんとか6日間のレースを完走する。
「喜びは、困難を乗り越えたところにある、これこそが楽しいんだ」。完走と同時に辿り付いた境地。ここから斎藤さんの世界はぐっと大きく広がった。今後の目標も定まり、その年の秋には国際A級のスーパークラスへ昇格した。現在は「モータースポーツの良さを知ってほしい。自分が頑張り続けることで道が開けると確信しています。モータースポーツを盛り上げたい」と、さまざまな人々と交流し、活動に取り組み始めている斎藤さん。
もう、迷わない、精一杯の頑張りでみんなを感動させようと、エンジン全開で走っている。
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