現実の「企業」を想定したコンテスト

コンテスト中。トラブルへの対応について話し合う。右下はコンピュータを使いトラブルの原因を調査しているところ

コンテストは、情報セキュリティ技術者の腕試しや危機管理意識の向上、情報セキュリティに関心を持つ若者たちの情報交換の場として行われている。

コンテスト挑戦権獲得テストと予選1回を勝ち抜いた5チームが進んだ本選は、各チームがそれぞれ別の仮想企業に派遣されているSE（システムエンジニア）という設定。情報セキュリティ担当者として、外部からの攻撃などで発生する障害に対処する。
その原因を調査し、究明し、修復作業を行うことはもちろん、仮想顧客からの質問や要望に電話、メールで対応。また、企業の社長などの管理者に状況を説明し、その企業にとって「最も損害が少なく、顧客を失う可能性が低い」対策を提案する。企業の利益を総合的に考えた危機管理能力を問うというものだ。

kstmチーム信州の4人は、それらに必要な役割を分担。山崎さんと日置さんが原因究明係を、和田さんがトラブルの状況や対応を細かく書き込むトラブルチケット作成係を、加賀谷さんが顧客や管理者への電話やメール係を担当した。

「前もって役割を決めていたので、スムーズに課題に取り組めました」と山崎さん。５時間にも及ぶコンテスト中、「御社のHPが見られない」「HPが改ざんされ、『我が社は倒産しました』というメッセージが流れている」「御社のHPにアクセスすると別の企業のHPに飛んでしまう」など、次々と難問が降ってくる。また、SEは本社に常駐しているという設定のため、支社でのトラブル対応には、管理者に状況を説明し、許可を得てから出向くなど、「社会で生きていく上での常識的ルールを身につけているか」なども採点の対象となったという。