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栗原夏佳さん(フェンシング部 経済学部3年)第46回全国国公立大学フェンシング選手権大会の女子個人フルーレで三連覇

栗原夏佳さん(フェンシング部 経済学部3年)第46回全国国公立大学フェンシング選手権大会の女子個人フルーレで三連覇

フェンシング部の栗原さんは8月23~28日に東北大学(仙台市)で行われた第46回全国国公立大学フェンシング選手権大会の個人フルーレで、大会史上初の三連覇を果たした。さらに、男子団体もフルーレ、エペ、サーブルの3部門を制し、総合優勝をとげた。
「三連覇は目標、そしてプレッシャーでした」と語る栗原さんに、フェンシングへの思いを聞いた。

                                                   ・・・・・ 信州大学広報誌「信大NOW」第66号(2010.11.26発行)より

「地域のスポーツ」はフェンシング

フェンシング選手権大会
第46回全国国公立大学フェンシング選手権大会(右が栗原さん)

栗原さんはフェンシングが盛んな上伊那郡箕輪町の出身。両親の薦めで小学2年から町のクラブで剣を握った。その後進んだ箕輪中学校には県内唯一の中学フェンシング部がある。箕輪町は長野国体(1978年)のフェンシング会場だったことから、それ以後、地域おこしの一環として選手の育成に力を入れている。

「箕輪町に生まれなければ、やっていなかったでしょうね」という栗原さん。そして、「中学までは練習は好きではなかったです。ただ、仲間と一緒にいることが楽しくて続けていただけ」とも。けれど、元来の負けず嫌いな性格でめきめきと上達した。今はその魅力を「相手の裏の裏をかく痛快感」という。

フェンシングの原型は中世の騎士たちによる剣技で、19世紀末にはヨーロッパ各地で競技として盛んになり、1914年の国際オリンピック委員会総会で競技規則が作られ、正式なスポーツ競技となった。栗原さんが優勝したフルーレは、日本ではフェンシングの基本的な種目で、「攻撃権」を持っている方が、胴体部分を突くことで得点になる。

例えば、「右を突く」と思わせる気迫のフェイントで、左を突く。胸と思わせ腹を狙う。練習を積み重ねてきた選手たちは、「気迫」に反応し、瞬間的に身体が動いてしまう。フェンシングはそこに生まれる「一瞬の隙」を突く、頭脳スポーツなのだ。

創部から、わずか2年半

北信越ブロック予選会
第63回全日本フェンシング選手権大会北信越ブロック予選会 2010.10.23( 左奥が栗原さん)

フェンシング部が正式に活動を始めたのは2008年の4月。現在の部員は10人、コーチはいない。栗原さんの母校でもある、フェンシングが盛んな伊那北高校出身者が5人いるのが強みだ。普段の活動も高校での練習を基本にしているという。当時の練習は「本当に厳しかったです。団体戦を重んじていたので、仲間との繋がりや団結力というものを初めて学びました。監督の存在も大きかったですね」。高校時代の練習や心構えが、誕生間もない部を支えている。

新しい部の一番の悩みは練習スペースの確保だ。大学の体育館が使えるのは週1回くらいなので、後は近くの体育館を申し込む。夏休み中は体育館が空いているので、記録的な猛暑の中、「三連覇を目指して練習しました。周りは『絶対、大丈夫』って言ってくれていたので、かえってプレッシャーで・・・」。そのプレッシャーを、練習と負けず嫌いではね除け、快挙に繋がった。

得意とするのはフェイントを多くかけたアタック。「いつ来るかわからないからコワイ」と一目置かれている。

「フェンシングの根底には騎士道があり、礼に始まり、礼に終わる。もし出会わなかったら、マナーとか気配りとか全然できない人間になっていたでしょうね」。今後の目標は「全日本選手権に個人戦で出場すること」だ。「今年は1年生が入ってくれなくて、部存続の危機なんです。この記事を読んで、入部希望者が出てくれたらいいなぁ」

マスクをはずした三連覇の女王は、少しあどけなさの残る、シャイな女子大生だった。

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