THE信大生

浦野優介さん(人文学部4年)ジャパンオープン2010バーリトゥード リアルファイティング空手道選手権大会で初優勝

浦野優介さん(人文学部4年)ジャパンオープン2010バーリトゥード リアルファイティング空手道選手権大会で初優勝

空手道禅道会松本支部信大道場の浦野さんが、10月3日に諏訪市で行われたジャパンオープン2010バーリトゥードリアルファイティング空手道(総合格闘技)選手権大会で優勝した。同会から優勝者が出たのは初めての快挙。
一般的にはあまり知られていない「総合格闘技」とは何か、その魅力などを浦野さんに聞いた。

                                                    ・・・・・ 信州大学広報誌「信大NOW」第67号(2011.1.25発行)より

「すべて有効」の過激さ

後輩を相手にパンチの練習
後輩を相手にパンチの練習をする浦野さん(左) 伝わる衝撃も後輩への指導

「もっとメジャーなスポーツだったらよかったかな、とたまに思うこともあります」。浦野さんはそう言って笑った。
確かに「総合格闘技」と聞いて「ああ、あれね」とすぐに思い浮かぶ人は少ないかもしれない。総合格闘技とは、キックボクシング、空手、柔道、プロレスのさまざまな技(キック、パンチ、投げ技、固め技)などを使って、勝敗を競う格闘技の一種だ。冠にあるバーリトゥードとは、「すべて有効」を意味するポルトガル語。その過激さがわかる。

浦野さんは中学までバスケットボールをやっていたが、「相手の選手に、ほんの少し手が触れただけでも反則になる厳密さ」に疑問を持ち、「接触が正当なルール」のキックボクシングを始めた。高校3年の夏まで続け、信大入学後は空手道禅道会松本支部信大道場へ。実は「ファイトクラブ」という愛称に惹かれて入会した。

「その頃の自分には、格闘技が精神修養になるということが納得できなかったんです。だから、純粋に『力』と『力』の勝負をしたかった」

12月の信大第1体育館。午後7時。畳は驚くほど冷たい。「たった7人の弱小サークル。恒常的に練習に出てくるのは、3、4人です」。4年生の浦野さんは、既に引退しているが、練習には参加している。

ウォーミングアップはランニングから始まった。もも上げ、逆走、スキップここまでは予想がつくが、なんと開脚前転や側転、後転や倒立前転、倒立歩行まである。英語では「Mixed Martial Arts」と言うように、ボクシング、空手、柔道、プロレスなど、それぞれ歴史を持ち、築き上げられてきたスポーツがミックスされているため、多様な身体能力が必要なのだ。

その魅力を「自分の能力だけで、勝負できるところ。団体競技は、自分が最高のプレーをしても負ける時もあり、自分が不調でも勝つこともある。でも、1対1の格闘技はすべて自分の責任ですから。それが厳しく、そして楽しい」と語る。

声援に最後の力を振り絞り

シャドウ
“シャドウ”。対戦相手がいると想定して、キックやパンチを繰り出す練習法

浦野さんが出場した81キロ以下級は、4回の試合で優勝が決まる。1試合は10分。かなり長い。10分間、精神を集中させ、全身全霊で相手に向き合わないと、その隙を容赦なく攻め込まれてしまう。浦野さんも相手の隙を突いて攻め込んでいく。キックボクシングで始まった格闘技歴だが、「殴り合いは嫌いなんです・・・」と意外な答え。寝技に持ち込み、ポイントを稼ぐのが浦野流だ。

決勝戦では「体力も気力も限界になり、一瞬、気持ちがひるんだ」。もうダメだと思った時、仲間や先輩の声援が聞こえた。「応えなくては」と最後の力を振り絞った。頼るのは「自分の力だけ」と思っていたスポーツが、「そうではない」と実感した瞬間だった。

パンチやキックを繰り出す度、サンドバッグからは炸裂音かと思うような音がする。
「普段生活していると、全力を出すことって、めったにないですよね。でもこのスポーツは、本当に全力を出さないと練習も試合もできない。それが気持ちいいんですよ」。
いわゆる柔道耳になった両耳が、厳しさを伝えている。

取材を終え、体育館を出る私の背に、「ありがとうございましたッ!!」ととびきり大きな、そして清々しい声が届いた。

ページトップに戻る

THE信大生
バックナンバー
倉田 紗耶加さん(大学院農学研究科 )

トビタテ!留学JAPAN 日本代表プログラム 選抜
アメリカのキノコ会社でインターンシップ

人文学部4年 小嶋諒さん

「気障でけっこうです」で小説家デビュー

理学部2年 中嶋徹さん

世界で注目されるクライマー
第68回国民大会本大会「スポーツ祭東京2013」
山岳競技、リード優勝、ボルダリング2位!

信州大学YOSAKOI祭りサークル「和っしょい」

悲願の「どまつり大賞」を受賞!
心ひとつに よいてぇこしょ~!

北川篤史さん(工学部4年)

卓球で海外遠征!
自分なりのスタイルを追求したい

石川達也さん (大学院 修士課程 理工学系研究科1年)
山田和輝さん (大学院博士課程総合工学系研究科 1年)
佐藤永太郎さん(理学部4年)
清水北登さん (工学部2年)
OBらと共に、被災地へのメッセージを集めながら マッキンリー登山に挑戦した。
加藤新さん(繊維学部3年)
江田慧子さん 大学院総合工学系研究科(博士課程)2年
浦野優介さん(人文学部4年)
栗原夏佳さん(フェンシング部 経済学部3年)
kstm(カスタム)チーム信州
中村隼明さん(総合工学系研究科)
斎藤晶夫さん(工学系研究科)
澁谷岳志さん(理学部)
原田窓香さん(教育学部)