
3月22日に松本市で開かれた、第二回 商店街映画祭「ALWAYS続 松本の夕日」(商店街映画祭実行委員会主催)で澁谷岳志さんの作品が、最優秀賞を受賞した。
「商店街」をテーマにした映画祭は珍しく、二回目とまだ歴史は浅いものの、映画界で働く人たちからの応募も多く、レベルの高い作品が寄せられる中での快挙。
澁谷さんに、制作秘話や制作への思いを聞いた。
・・・・・ 信州大学広報誌「信大NOW」第63号より
澁谷さんは1年生から映画研究会に所属。2年生から本格的な制作に取り組んできた。現在は部長を務め、完成させた作品は今回のものを含め7本という。
受賞作品『カジカガエルの時間』は、瓶の中に閉じこめられたカジカガエルのような閉塞感を持ち、『僕ハ、殺サレテイル』と感じていた若者が、松本市のナワテ通りにあるカエル大明神の化身と出会うことで、「どうせ、こんなもん」と見切っていた自分の人生に、「未知なものがあるのかも・・・」と気づく10分ほどの物語だ。 大きな特徴は、実写とアニメーションを合体させているところ。ナワテ通り、大学の教室、図書館、ファミリーレストラン・・・。見慣れた風景に、アニメのキャラクターが入って動き出すと、とたんに不思議な世界に引き込まれる。
「映像部分にかけられる時間は1カ月しかありませんでした。完成させるためにはどういう方法があるか、逆算していったのです」
いかにも理系的発想。背景までアニメにすることは時間的に不可能。手間のかかる動画枚数を減らす有効な手段が、カット割りを早くして、同じ原画を使い、それが動かなくても、見ていて飽きないようにすることだった。
例えば、男性が顔をしかめている絵を映し、その次にゴミの山を映したら、見る側はその男性はゴミの山に不快感を持っていると感じる。同じしかめている顔の次に、血のついたナイフを映したら、見る側は「痛みにうめいている」と感じる。
「映像の特性です」。それを巧みに利用しているのだ。
カエル大明神の由来を説明するシーンでは、『興味を持った神について』というレポートのテーマにしたいと言う主人公に、教授が「不適切」だと説得する場面を作った。さらに、カエルは「無事カエル」などのただの語呂合わせではなく、エジプトや中国の神話に登場する、生命や多産、繁栄の象徴だったということを、主人公が図書館で調べるという場面で伝えた。
「シナリオが浮かばず、まずはナワテ通りについて調べ、入れたい要素が入れられる場面を考え、繋いでいきました」。どこか冷めた匂いのある作風は、こんなところから生まれたのかもしれない。けれど、モラトリアム特有の雰囲気に、それはとても良く合っている。審査員からも、その点とアニメと実写の融合という技術を高く評価された。
澁谷さんと映像の出会いは、趣味のスノーボードの国内と海外の映像の違いに興味を持ったこと。「何が違うんだろうと調べているうちに、映像自体に興味を持つようになりました」。アニメは昔から好きだった。同じ福島県出身の新房昭之監督のファンだ。「特に、『コゼットの肖像』に影響を受けた」という。ゴシックホラーと呼ばれるジャンルで、ロマネスクからルネサンス風の背景で起こるサスペンスやミステリーを指す。ここには杉並区阿佐谷の商店街がほとんどそのままの姿で登場している。
「制作中はやることが多くて大変だし、モチベーションが下がる」が、今回の受賞で、また作りたい思いが湧いてきたという。「川、廃墟をテーマにしたい」。この夏からは就活も開始する。「映像関係も選択肢に入れつつ、趣味であっても創作活動は続けていきたい」
映研の部室に10年以上住み着いている黒猫が、「それがいいよ」というように、澁谷さんを見上げていた。
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