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入学式 学長式辞

2019年度信州大学入学式 学長式辞 (2019年4月4日)

信州に降り注ぐ光にも、山々から吹く風にも、春の暖かみを感じるようになり、新たな門出にはふさわしい季節となりました。本日ここに多くの皆様のご臨席を賜り、2019年度信州大学入学式を挙行できますことは誠に喜びに堪えないところであります。
信州大学8学部に入学された2092名の皆さん、ご入学誠におめでとうございます。また、大学院6研究科に入学された815名の皆さんにも心よりお祝い申し上げます。大学進学に向けて、あるいは、大学院進学に向けて一生懸命に取り組んできたことと思いますが、その努力に対して敬意を表すると共に、暖かい愛情を持って皆さんを支えてこられたご家族の方々をはじめ関係するすべての皆様に心よりお祝い申し上げます。
大学あるいは大学院における新たな生活に対しては期待や希望があるとともに不安もあるかと思いますが、皆さんがこれまでに培ってきた力だけでなくこれから様々な力を身につけていただき、有意義な学生生活を送っていただければと思っております。そのために、教職員一同でお力添えできればと思います。

さて、本年は、西暦では2019年ですが、和暦では4月まで平成31年、5月以降令和元年となります。新しい元号が令和に決まり、皆さんはどのように感じているでしょうか。当初新元号は少なくとも「M」「T」「S」「H」が頭文字のものにはならないことがほぼ確定していると言われていましたが、実際には頭文字が「R」となりました。頭文字に関しては、予想通りの結果になりました。令和時代という新たな時代を迎えると共に、大学生あるいは大学院生としての新たな生活が始まる皆さんには、心機一転して様々なことに挑戦してもらいたいと期待しております。

また、本年は、信州大学にとっても昭和24年(1949年)に新制大学として設立されてから70周年という節目の年です。設立時の前身校は、松本医科大学、旧制松本高等学校、長野師範学校、長野青年師範学校、長野工業専門学校、上田繊維専門学校、長野県立農林専門学校で、それぞれに歴史を有しております。それら前身校のうち、旧制松本高等学校は、松本市の20年にわたる誘致活動の末、大正8年(1919年)に誕生しています。旧制松本高等学校の誕生から数えるとちょうど100年目の記念すべき年となります。開学記念日の6月1日土曜日には、記念式典、記念コンサート、市民公開講座をまつもと市民芸術館において、記念祝賀会をホテルブエナビスタにおいて開催する予定です。特に、記念コンサートでは、信州大学の大学歌をお披露目する予定で、今から楽しみにしているところです。多くの皆様にご出席いただきたいと思っておりますので、よろしくお願い申し上げます。また、周年記念事業の成功に向けて、是非皆様からのご寄附をお願い申し上げます。

ところで、信州大学では、教育プログラムの改編に取り組んできましたが、一昨年度から「全学横断特別教育プログラム」を開設致しました。このプログラムは、意欲のある学生が自らの専門領域での学修に加えて、専門分野を超えた知や分析視点を獲得し、学術に対する深い理解と経験を養うための学習機会を提供するものです。信州大学独自の履修認定制度で、学士課程の学生を対象とし、全学横断的に実践学習・実践活動等を行う授業が用意されています。履修コースとしては、2017年度に「ローカル・イノベーター養成コース」を、2018年度に「グローバルコア人材養成コース」をスタートさせ、履修登録した学生が熱心に勉学に励んでおります。今年度には、「環境マインド実践人材養成コース」を開設致します。このコースでは、SDGs推進の理解につながることを重視してプログラム内容を構成しております。また、実社会での環境分野の課題や取組内容について実務者から直接学ぶ機会を多く提供しております。全学横断特別教育プログラムは、当初予定していた3つのコースが出そろうことになります。それぞれのコースについて理解いただいた上でぜひ履修を考えて下さい。

今、SDGsと述べましたが、皆さんはSDGsとは何かご存知でしょうか。Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)の略称で、2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」にて記載された2016年から2030年までの国際目標です。持続可能な世界を実現するための17のゴールと169のターゲットから構成され、地球上の誰一人として取り残さないことを誓っています。先程述べた環境に関しては、17のゴールのうち、少なくとも12のゴールが関連しています。例えば、6番目のゴール「すべての人々の水と衛生の利用可能性と持続可能な管理を確保する」や13番目のゴール「気候変動及びその影響を軽減するための緊急対策を講じる」などです。6番目のゴールに関しては、「世界中の人々がいつでも十分な水を手に入れられる社会」の構築を目指して信州大学で進められているセンター・オブ・イノベーション(COI)プログラム:アクア・イノベーション拠点の取組が関係しております。もちろん環境だけでなく、あらゆるものがSDGsと関係しています。あらゆる貧困の撲滅、すべての人々の人権尊重や平和の保証、地球環境の保全を目指し、経済、社会、環境の3つの側面のバランスをとりながら、持続可能な社会の形成に向けて努力することの重要性を改めて確認するものとなっています。

皆さんがこれから生活することになる長野県は、SDGs達成に向けて優れた取組を提案する「SDGs未来都市」として、昨年6月、他の28自治体とともに、選定されています。2018年度から5年間の取組をまとめた長野県総合5か年計画「しあわせ信州創造プラン2.0」では、SDGsを意識し、経済、社会、環境の3側面の課題に統合的に取り組み、誰一人取り残さない持続可能な社会づくりを目指しています。また、企業でもSDGsの達成に貢献する取組をはじめております。このため、Environment(環境)、Social(社会)、Governance(統治)の3つの言葉の頭文字をとったESGを重視した経営が益々重要になってくると思われます。大学運営においてもESGは非常に重要であり、ESGを十分に意識して教育・研究を行っていく必要があります。皆さんもぜひESGを意識していただき、どのようにSDGsの達成に貢献できるか、学生時代から十分に考えていただきたいと思っております。

一方、政府は、「Society5.0を通じたSDGs」の達成を掲げています。我が国の目指すべき未来社会の姿として提唱されているSociety 5.0(超スマート社会)では、すべての人とモノがつながり、様々な知識や情報が共有され、今までにない新たな価値が生み出されます。すなわち、新たな知識・情報・価値を生み出し、それらの変化に対応していくことが益々重要となります。そのような社会では、専門知識だけでなく、多様な分野を俯瞰する力を持った人材が求められ、自ら課題を発見し、解決していく能力が必要とされます。このような新たな社会に向けて、与えられる学びだけでなく、自ら進んで学ぶ姿勢を身につけていただき、皆さん一人一人が社会の担い手として積極的に活動していただきたいと願っております。

結びに、皆さんが、信州の自然豊かな環境で、多様な文化や習慣を持つ様々な地域で育った仲間と交流し、充実した教育プログラムのもと積極的に種々の力を身につけ、世界で活躍する人材として巣立っていくことを祈念して、私の式辞といたします。
ご入学誠におめでとうございます。

2019年4月4日
信州大学長 濱田州博