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総合工学系研究科 信大-理研連携研究室が参画したDNAと金ナノロッド複合体の集積配向制御に関する共同研究成果がSmall誌(Wiley-VCH出版)のInside Front Coverに採択

17年11月30日

  理化学研究所と東京理科大学、本学大学院総合工学系研究科 信大-理研連携研究室(金山直樹 准教授、前田瑞夫 教授)の共同研究グループが発表した、DNAと金ナノロッドからなる複合体の集積配向制御に関する研究成果が、Small誌の表紙裏(Inside Front Cover)を飾りました。

  http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/smll.201770232/epdf

 

論文タイトル:Directed Assembly of Gold Nanorods by Terminal-Base Pairing of Surface-Grafted DNA

筆者:Guoqing Wang, Yoshitsugu Akiyama, Naoki Kanayama, Tohru Takarada, Mizuo Maeda

論文誌情報:Small 2017, 13, 1702137 (DOI: 10.1002/smll.201702137)

  http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/smll.201702137/full

 (*電子ジャーナルの本文は、ご契約の方のみご覧いただけます。)

 

【解説】

  異方的な構造を持つ金属ナノ材料を任意の方向に配向・集積化する手法は、光・電子デバイスやバイオセンサなどの高性能化における重要な要素技術として現在、様々なアプローチから研究が行われています。今回、共同研究グループでは、DNAを修飾した棒状の金ナノロッド(DNA-GNR)を、任意の配向で配列・集積化する手法を新たに開発しました。

  本手法のポイントは2つあります。1つ目は、金ナノロッド表面の化学反応性が長軸面と短軸面で異なることを利用し、配列の異なる2種類のDNA二重鎖を部位選択的に固定することです。2つ目は、金表面に固定されたDNA二重鎖の間に発生する、末端構造に依存した引力的・斥力的相互作用を利用することです。このDNA二重鎖の間に末端構造依存的な力が発生する現象は、昨年、信大-理研連携研究室が中心となって誌上発表しています。(http://www.shinshu-u.ac.jp/topics/2016/12/-acs-editors-choice.html

  共同研究グループは、金ナノロッドの長軸面に相補的、短軸面に非相補的な末端構造のDNA二重鎖を固定したDNA-GNRの分散液を徐々に乾燥させると、DNA-GNRが長軸面同士で繋がったside-by-side (SBS)型に配向した集積体が、短軸面に相補的、長軸面に非相補的な末端構造のDNA二重鎖を固定した場合は、DNA-GNRの短軸面同士が繋がったend-to-end (ETE)型に配向した集積体が自発的かつ優先的に形成されることを透過型電子顕微鏡観察や近赤外吸収スペクトル測定より明らかにしました。さらに同グループは、水銀(II)イオンをトリガーとするDNA-GNR集積体形成のスイッチング現象(SBS→ETE型、ETE→SBS型)を見出しました。以上の成果は、異方性ナノ材料の集積配向制御のみならず、動的な集合形態制御への可能性を示すものとしてさらなる発展が期待されます。本研究は、科学研究費補助金の支援を受けて行われました。