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放送公開講座

平成24年度 放送公開講座

ごあいさつ

 信州大学は「知の継承(教育)と新しい知の創造(研究)」の拠点となる信州「知の森」づくりをめざして、“PLAN the FIRST 2011-2013”をまとめました。研究成果や知識を社会に還元することが大学の重要な目標でありますが、その一環として、地域と連携して公開講座や出前講座、市民開放授業などを実施しております。そうした地域とのつながりから、日本経済新聞社が実施した2012年大学の地域貢献度ランキング調査で、全国1位という大きな評価をいただきました。
 信州大学放送公開講座は、創立50周年を機に平成11年度より開始し、本学の教育、研究内容を広く公開することを目的に、毎年放映してきました。総合大学の特色である多様な研究内容を、映像を通して視聴者の皆さんにわかり易くお伝えする番組として好評を得ております。
 平成24年度は「信州「知の森」が拓く医療の近未来~健康と長寿の秘訣がここに~」と題して、最先端の医療をはじめ、私達の生活に密接な食や、地域の産業といった視点から医療について6回の講座を実施いたします。
 この放送公開講座をぜひご覧いただき、本学へのご理解をさらに深めていただければ幸いです。また視聴後は、今後のより良い企画のためにも本講座に対するご意見、ご感想をお寄せ下さいますようお願いいたします。

信州大学理事(研究・財務・産学官連携・国際交流担当)
三 浦 義 正

平成24年度放送公開講座
 「信州「知の森」が拓く医療の近未来
        ~健康と長寿の秘訣がここに~」

平成24年度放送公開講座詳細については下記をご覧下さい。

パンフレットはこちらから。
PDF平成24年度 放送公開講座「信州「知の森」が拓く医療の近未来~健康と長寿の秘訣がここに~」ダウンロード (PDF文書:4.01MB)



第1回 1月27日(日)15:00~15:30

がんの生物学と治療への挑戦

担当講師

大学院医学系研究科 谷口俊一郎 教授

 がんは私達自身の細胞から現れる不良細胞集団による病気で、遺伝子機能の変化が蓄積して生じます。がん細胞の鎮圧は簡単で、熱する、栄養を断つ、毒を盛る等、いずれでも可能ですが、それは体外にがん細胞がある場合であって、体内でがん細胞のみ攻撃し正常細胞を避けることは至難の業です。つまり治療は副作用との戦いとも言えます。
   がん細胞だけを選択し攻撃するために目印・標的探しが行われ、最近の薬物療法はかなり進化しました。しかし、がん細胞は形質が不安定で不均一集団となり、体内各所に転移する細胞も出現しますし、目印は変化し易く有効な薬にも耐性になります。従って、転移が無い早期がんでの外科的除去が最も効果的治療ですが、それができないとがんは再発し易く極めて難病となります。
 番組では、がんの生物学や最近の研究動向を説明し、新たな視点で標的を定め不均一ながん細胞集団を攻撃する私達の挑戦も紹介します。


第2回  2月3日(日)15:00~15:30

生まれ変わる血管

担当講師

医学部 池田宇一 教授

 ヒトの血液中には血管に生まれ変わる内皮前駆細胞という細胞が流れています。私たちは、この内皮前駆細胞を採取して、閉塞性動脈硬化症やバージャー病により足の血管が詰まった患者さんに移植し新たに血管を作るという再生医療を、世界に先駆けて開発し、良好な治療成果をあげています。
 また血液中に流れる内皮前駆細胞は、糖尿病や腎臓病の患者さん、喫煙などで減少し、血管の動脈硬化の一因となっていますが、定期的に運動すると内皮前駆細胞は増加し、血管も若返ってきます。
 血管の再生医療は既に現実のものとなってきているのです。まだ解決すべき問題も残されてはいるものの、心臓血管病の最先端治療法として確実に臨床応用されていくと期待されています。 


第3回  2月10日(日)15:00~15:30

“聞こえる”生活で豊かな人生を~高度難聴者を救う人工内耳~

担当講師

医学部
医学部附属病院人工内耳センター長
宇佐美真一 教授

 平成18年、信州大学医学部附属病院内に「人工内耳センター」が開設されました。信州大学では平成11年から人工内耳プロジェクトを開始し患者さんも着実に増えています。人工内耳は従来治療法がなかった高度難聴の患者さんに対する画期的な治療法ですが、その効果を最大限に引き出すためには、機器の調整や手術後のリハビリが必要不可欠です。特に小児の患者さんには、それぞれの発達にあったプログラムを組み発音や言葉のトレーニングをしていくことが必要です。
 全国には90dB以上の高度難聴者が17万人、そのうち人工内耳に適応するとみられる人は8万人いると推定されています。人工内耳を必要とする患者さんは多いのですが、実際に手術を受け装用している方はその1割にも満たないのが現状です。
 信州大学病院では、小児の患者さんに対しては「聞く事を通して言葉を学習し成長すること」、また大人の患者さんには「もう一度聞こえを取り戻し、豊かな生活を送ること」を目標にしています。人工内耳の治療法の現状を紹介します。


第4回 2月17日(日)15:00~15:30

食とアンチエイジング ~ケールの老化抑制効果~

担当講師

農学部 片山茂 助教

 老化を遅らせ、健康で美しく老いたいというのは、万人の願いです。老化は、テロメアのような先天的な遺伝要因のほかに、ストレスや食生活、喫煙など後天的な環境要因の影響を受けることが知られています。加齢にともなう身体の機能低下の予防には、野菜や果物に含まれる抗酸化物質が有効といわれています。私たちの研究室では、健康食品として人気の高い「青汁」の原料植物であるケールの抗老化作用について研究を進めてきました。本講座では、老化促進モデルマウスにケールを長期間摂取させた際、生体内のどのような抗老化遺伝子が目覚めたのか、最新の研究成果についてご紹介します。


第5回 2月23日(土)15:00~15:30

地域食資源で高血圧予防-血圧を下げるソバの漬物「発酵キョウバク」-

担当講師

農学部 中村浩蔵 准教授

 長野県には伝統的な地域食資源が数多くありますが、ソバと漬物はその中でも代表的なものと言えるでしょう。今回紹介する「発酵キョウバク」は、この2つの長野県特産物を掛け合わせた、いわば、ソバの漬物です。ソバ栽培が盛んな長野県で古くから食されてきたソバ菜という伝統野菜を、塩を使わないすんき漬の製法で乳酸発酵させて造ります。我々は「ソバは血圧に効く」という伝承を手掛かりに研究を進め、発酵キョウバクの優れた降圧効果と有効成分を明らかにしました。
 高血圧は、国民医療費の21%が費やされている我が国最大の病気である循環器系疾患の重要な危険因子です。高血圧は自覚症状が無いため放置されがちですが、放置すると確実に脳卒中、心臓病、動脈硬化などの重大な病気の危険性が高まります。健康で長生きするためには、高血圧の予防が大切です。現在、発酵キョウバクを高血圧予防食品として役立てるための実用化研究を進めています。本講座では、発酵キョウバクの高血圧予防食品としての現状と課題、そして将来性について紹介します。

第6回 2月24日(日)15:00~15:30

信州の未来産業を育てる『信州地域技術メディカル展開センター』

担当講師

産学官連携推進本部 杉原伸宏 准教授

 信州は「世界一の健康長寿地域」です。さらに“東洋のスイス”と呼ばれるように「我が国屈指の超精密産業の集積地」でもあります。現在、この2つの特長を融合して、信州を『メディカル産業(医療関連産業)の世界的拠点』に成長させる活動が、産業界、大学、行政等の連携で始まっています。
 その活動の中心となるのが、経済産業省の補助を受けて、平成25年4月に、信州大学医学部附属病院の隣接地に開所する『信州地域技術メディカル展開センター』です。このセンターは、信州産業界の技術をメディカル分野に新展開するために、大学病院の医師達と地域産業界の技術者達が、ひとつ屋根の下で共に研究開発を行う施設です。
 放送では、このセンターに関わる研究開発の取り組みや、その支援体制、県内企業が開発したメディカル関連製品の世界市場への進出支援等について紹介します。

 

 

 

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研究推進部産学官地域連携課
FAX 0263-37-3049

E-mail:ken-sui@shinshu-u.ac.jp