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【開催報告】オープンサイエンス講演会(2019年12月10日)

全館

2019年12月10日に、オープンサイエンス講演会が開催されました。松本キャンパスの中央図書館から各キャンパスへテレビ会議システムを通じて配信を行い、40名(うち教員13名)の参加がありました。

講師の杉田氏

渡邉附属図書館長からの挨拶に続いて、講師の杉田茂樹氏(上越教育大学学術情報課長、オープンアクセスリポジトリ推進協会(JPCOAR)運営委員)による講演「欧州研究大学連盟『オープンサイエンスが大学に果たす役割』を読む」が行われました。2018年に出されたこの報告書では、オープンサイエンスに関する構成要素を8つに整理し、それぞれについて解説と勧告が記されています。講演では、それに関する詳しい説明を通して、オープンサイエンスを進めていくうえで考えるべきことを整理していただきました。報告書の中の、学術研究に関する「文化の変革」であるという言葉が印象的でした。また、まとめで示された、学術情報流通の量とスピードへの要求と、イノベーションとの関係を表した図は、オープンサイエンスが科学史でどういう位置づけにあるかを考えるための、示唆に富んだものでした。
発表資料

岩井

質疑応答と休憩を挟んで、信州大学附属図書館の岩井主査から、「信州大学におけるオープンアクセスの歩みとオープンサイエンスに向けて」として、信大の取り組みについての報告がありました。附属図書館では、2019年8月にオープンサイエンス推進部会を設置しました。今後は、オープンサイエンスの啓発のほか、教員へのインタビューやアンケートを通じた、研究データに関する信大での現状の把握、さらには、オープンアクセス方針の検討を行っていくとの計画を発表しました。
発表資料

鈴木准教授渡邉館長

その後、渡邉附属図書館長、総合情報センターの鈴木准教授を交えてのディスカッションを行いました。両登壇者からの、研究者の立場からの研究データの管理や公開についての短いプレゼンに加えて、フロアの教員、研究支援担当者など、様々な立場からのコメントや質問があり、オープンサイエンスというテーマが、多様な側面を持っていることが浮き彫りになりました。
渡邉館長発表資料

今回得られた知見を活用して、附属図書館では今後も、オープンサイエンス推進部会の活動を通じて、オープンサイエンスに関する取り組みを継続的に行ってまいります。