制御工学研究室
研究テーマ
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基礎研究
実応用を念頭に置き,次のような制御理論の開発を行っています.
- ● 極性により異なる入力無駄時間を含む系の制御設計
- ● 離散値入力を伴う系におけるサーボ系設計
- ● 切り替え制御系の設計と空圧式除振台への応用
- ● 並列モデルの導入による非最小位相系の性能向上
- ● 土と剛体の相互作用を考慮した表層土壌での運動制御
- ● カルマンフィルタ応用による高精度状態推定技術の構築
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応用研究
(1)空圧式防振台のアクティブ制御
空気ばね支持によって振動を除去する空圧式除振台は,サーボ弁を用いたアクティブ制御によって性能向上が図られています.一方,サーボ弁は高価であるため,それに代わる安価な方法の構築が期待されていました.
そこで,サーボ弁に代えてオンオフ型の電磁弁を用いた除振台システムを新規提案しています.
従来の制御方法を用いた場合では,オンオフ型の電磁弁を用いると所望の性能が実現できませんでしたが,提案方法では応答性能を格段に向上させることに成功しました.
その成果は,2012年,2016年に財団法人油空圧機器技術振興財団より論文顕彰されました.
(2)ホウレンソウ自動収穫機械の開発
ホウレンソウのように柔らかく傷つきやすい軟弱野菜の自動収穫機械は,長年の研究にもかかわらず,広く普及した製品が見あたりません.千田研究室では,品種や土壌条件によらない,汎用型の自動収穫機械の開発に取り組んでいます.そこでは,
● 柔らかく傷つきやすい野菜のハンドリング技術
● 土中を進行させる剛体(根切り刃)の運動解析と制御技術
などの要素技術の研究開発とその応用によって,実験機レベルで回収率100%を実現しています.
(3)レタス自動収穫装置の開発
多くの農業用自動収穫装置が開発されている中、レタスの自動収穫装置は商品化されていません.これは,レタスの茎切断位置を検知し,正確に切断することが難しい点,地表面に張られたマルチシートを傷つけないでレタスを自動収穫することが難しい点,茎切断後に滲出する乳液を短時間で停止させることが難しい点,などの理由による.
そこで,制御工学のアプローチに基づくソリューション技術を構築し,これらの課題を解決すると共に,自動収穫装置に必要となるキー技術を構築しています.