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高岡 崇 先生(東日本旅客鉄道株式会社 執行役員 総合企画本部 経営企画部長) の講義が行われました

高岡 崇 先生(東日本旅客鉄道株式会社 執行役員 総合企画本部 経営企画部長) の講義が行われました

2022. 06.08

  • 現代産業論

 2022年6月8日、2022年度「現代産業論」第6回の講義として、東日本旅客鉄道株式会社 執行役員 総合企画本部 経営企画部長 高岡 崇氏から「ポストコロナにおけるJR東日本グループの経営戦略」と題して講義が行われました。

 新型コロナウィルス感染症の影響により、人々のライフスタイルや働き方が大きく変化したことに伴い、JR東日本グループにおいても、ご利用の急減によって会社発足以来初めての赤字決算になるなど経営環境が激変したとのことです。
 鉄道事業は固定費が高いことが弱点であり、輸送サービス以外の収益拡大(収益比率5:5)や、コスト構造見直しによる経営体質の抜本的強化に向けた取組みが必要であるとの基本的考え方の下で、今後に向けての方針についてご講義いただきました。

 本来、鉄道はCO2排出量が相対的に小さく、環境に優しい輸送機関ですが、グループ全体のCO2排出量を「実質ゼロ」にする「ゼローカーボン・チャレンジ2050」の実現に向け、エネルギーを「つくる」「ためる」「つかう」それぞれの段階において排出量の削減を目指しているとのことであり、全国各地で様々な企業と連携して行っている取組みについてご説明いただきました。
 また、生産性を上げて固定費を下げる構造改革が必要であるとして、ダイヤ改正や輸送体系のスリム化、メンテナンス業務・建設工事の効率化等、鉄道事業の基本となる事項の見直しが進められているとのことです。
 暮らしや働き方の変化に合わせた新たな価値提供に向けて、DXを活用した地方活性化施策についての取組みの事例もご紹介いただきました。現在長野市にて開催中の善光寺御開帳におけるスマホのアプリを使った観光施策や、JR塩尻駅を地域の拠点として6月4日にオープンしたカフェなど、数多くの興味深いお話しをいただきました。

 新型コロナウィルス感染症の影響を最も強く受けた業界の一つである鉄道事業ですが、JR東日本グループの「強み」を活かした新たな価値を創造することにより、今後更なる地域価値の向上と発展を目指した経営戦略が期待されます。

  • 東日本旅客鉄道(株) 執行役員 総合企画本部 経営企画部長 高岡崇氏
  • 講義風景

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