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阿部 守一 先生(長野県知事)の講義が行われました

阿部 守一 先生(長野県知事)の講義が行われました

2023. 05.17

  • 現代産業論

 2023年5月17日、2023年度「現代産業論」第4回の講義として、長野県知事 阿部 守一氏から『大変革への挑戦~信州から「ゆたかな社会」を創る~』と題して講義が行われました。

 「学生の皆さんは今の社会に満足していますか?」という阿部氏の問いかけから始まった本講義は、知事としての思いから地方創生の取り組み、さらには新たな総合計画へと展開されました。知事は、「自分自身は不満だらけ。だからこそ社会を変えていきたい」と、学生の声を取り入れながら、県民との「対話」のもとで真にゆたかな社会を「共創」していく姿勢について熱く語られました。

 まず知事として仕事をするうえで特に心がけていることは、①長野県の強みを生かす、②県民との約束を守る、③光の当たりにくいところへ光を当てるという3点を挙げられました。そのうえで、長野県の特性をふまえた様々な取組事例についてお話しされ、中でも今、地域の発展のために特に重要なのは教育と医療であるとし、本講義では教育の重要性の問い直しに触れられました。
 長野県の自然を生かした「信州やまほいく」の認定制度の創設やインターナショナルスクール等の特色ある学校の開学などを例としてあげつつ、県としても一人ひとりの子どもの特性にあった多様で特色ある学びを県内各地に展開していきたいとお話しされました。
 他にも、多様化するライフスタイルの中で「人や企業に選ばれる県づくり」、地域・企業と連携した「持続可能な脱炭素社会づくり」として、信州の強みを生かした多様な取組みを紹介されました。
 そして、感染症や物価高騰により、「確かな暮らし」の基盤が損なわれている今こそ、大変革へ挑戦しなくてはならないとして、新たな総合5か年計画「しあわせ信州創造プラン3.0」についてお話しされました。めまぐるしく変化する、答えのない社会をより良くするためには、当たり前を問い直し、仕組みを変えていく必要があるとし、学生に対して、「若い皆さんには、年上の方たちに臆せず主体性を持って社会に貢献してほしい。一人ひとりの主権者としての力をあわせて望ましい社会をつくっていきましょう。」と語りかけ講義を終えられました。

 本講義では、その場でアンケートを実施してリアルタイムでフィードバックするツールを活用して、「長野県の強みは何だと思うか」・「あなたが長野県知事だったら、女性や若者に選ばれる県にするためにまず何に取り組むか」といった質問が投げかけられました。これにより、阿部氏の言葉に熱心に耳を傾ける学生の姿はもちろん、学生たちが自らの考えを届けようとする姿勢もみられ、まさに「対話」のような講義となりました。
 自治省(現総務省)職員や横浜市副市長、長野県副知事といった、様々な立場から地方自治をみつめてこられた阿部氏の講義は、学生の視野を広げ、考えを深める大変貴重な機会となりました。

  • 長野県知事 阿部 守一氏
  • 講義風景

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