教員紹介

はやさか としひろ

早坂 俊廣

哲学・芸術論 教授

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会える日を信じて

主人公のいないキャンパスで、桜が空しく咲いています。

学部長からのメッセージ「【新入生へ】~祝辞~」のほうに書いたことをここにも載せておきます。
--今、人類は大変な危機に直面しています。しかし、このような時だからこそ、我々は目先の変化に振り回されることなく、しっかりと事態を見据え、「いま、自分が為すべきことは何なのか」「いま、自分にできることは何なのか」をとことん考え、それを実践していくことが必要です。我々一人一人が、「人文学」の実践を求められていると言ってもよいでしょう。--

そして、いま「為すべきこと」「できること」と言えば、密閉・密集・密接を避け、不要不急の外出を控え、手洗いをしっかりと行うことに尽きるようです。また、熱が出たからといって慌てて直に医療機関に行くことも、厳に慎むべきことのようです。学生諸君は、大学HPやACSUを毎日チェックして、最新の情報を手に入れるよう心がけてください。

江西省泰和(2011年10月30日撮影)

9年近くも前になってしまいましたが、このブログに「浙大西遷―江西吉安行(上)」という文章を書きました。一部を再掲します。
--『西遷浙大』という本があります(浙江大学出版社、2007年。以下に記す情報の多くは、この本に拠っています)。1937年から46年までの間、浙江大学は迫り来る日本軍の侵攻を逃れるため、浙江の西天目山、建徳、江西の吉安泰和、広西の宜山、貴州の遵義などの各地を転々と移動しながら教学活動を続けました。日本の言い方でいえば「疎開」ということになりましょうか。戦時中に北京大学や清華大学などが共同で西南聯合大学を運営したことは比較的知られているように思いますが、一つの大学が、実験機器などを運搬しながら単独で教学活動を維持し続けたことは、一人の大学教員として感嘆・敬服せざるを得ません。当時、浙江大学の疎開先を訪れた世界的に有名なイギリスの科学史家は、同校に「東方のケンブリッジ」という賞賛の辞を送っています。浙江大学玉泉校区(「老浙大」)の図書館前には、卓越したリーダーシップでこの困難を見事に乗り切った当時の学長・竺可楨氏の銅像が、正門前には、「西遷」を紹介する展示パネルが設置されています。--

いま人類が直面している危機は、「戦争」に例えられるほどのものです。しかし、この「浙大西遷」と同じく、私たちは教学活動を止めるわけにはいきません。人文学部の学生諸君、まずはeALPSにアクセスしてください。こういう時でも対応できる「学びの場」がそこに提供されています。共に教学活動を続けながら、この困難を乗り越えていきましょう!

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