比較文学分野

比較文学分野

文学はしたいけれど、日本の文学だけではもの足りない。英語は苦手だけれど、語学には興味がある。神話や歴史、言語や哲学、文学理論、それに文学以外の芸術にも興味がある。こんなことも、あんなことも、やってみたい。そんなワガママな熱意にあふれるみなさんには、とにかく文学と語学をいろいろ試すことの出来る「比較文学分野」が向いているかもしれません。「比較文学」――それは、様々な国の文学を古代から現代まで扱う、開かれた領域なのです。

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2018年度第10回多文化交流サロン「19世紀フランスにおける女性と演劇」

信州大学国際シンポジウム2018「19世紀における文学と民衆文化―フランスを中心として―」

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2019年度 比較文学分野合宿

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佐々木寛教授「最終講義」及び「祝賀会」のお知らせ

比較文学分野 


La tour : grammaire française de base et conversation 『ラ・トゥール―フランス語初級文法と会話』

比較文学分野 野津 寛


比較文学分野2011年度夏合宿

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分野紹介

比較文学分野の理念と教育目標

比較文学分野は、特定の言語と特定の国民文学に関する個別研究・教育を超えた「比較言語文化」の観点に立ち、(A)「西洋古典文学の垂直軸」と (B)「西洋近代文学の水平軸」として規定される、西洋系の言語と文学に関する横断的な教育と研究、及び (C) 国際交流を通じて、(1) 外国語の高い運用能力、 (2) コミュニケーション能力、(3)論文を作成するために必要な批判的思考と作文の技術、(4)古今東西の様々な言語芸術作品に対する深い見識を磨くと共に、こうした成果によって、(5)現代社会を力強く生き抜く実践的な教養の養成を目指します。
その領域の広さゆえ、比較文学分野の教育と研究は、文化コミュニケーション学科と人間情報学科の他分野からの大きな協力を前提としており、本分野の学生には、他分野の授業科目に積極的に参加することが期待されています。
2014(H26)年11月現在、比較文学分野(比較言語文化専攻コース)は、西洋古典文学が専門の野津寛准教授、近代文学の比較研究が専門の渋谷豊准教授という2名の教員で構成されています。
比較文学分野(比較言語文化専攻コース)では、それぞれの教員の専門分野について個別的に教育・研究指導を受けるとともに、西洋古典文学、西洋近代文学、近代日本文学の比較研究を通じ、古今東西の文学について、様々な側面から、広く・深く、横断的に学ぶことが可能です。

比較文学分野の教育・研究領域

比較文学分野は、個々の専門領域をふまえながら文学と言語文化のさまざまな領域を幅広く学ぼうとする意欲ある学生の皆さんには最適の専攻コースです。
私たちは、「比較文学分野」という広大な研究・教育領域を、以下に述べるような「西洋古典文学の垂直軸」と「近代文学の水平軸」として理解しています。

西洋古典文学の垂直軸

英米文学であれ、ドイツ文学であれ、フランス文学であれ、イタリア文学であれ、その他のヨーロッパ文学であれ、いわゆる西洋文学は自分たちの間で共通の「古典文学」を共有しています。
その共通の「古典文学」とは、古代ギリシア・ローマの文学のことであり、日本では「西洋古典文学」と呼ばれています。具体的には、ギリシア・ローマ神話、ホメーロス、ヘシオドス、ギリシア悲劇・喜劇、ヘロドトスやトゥキュディデスの歴史、プラトンやアリストテレスの哲学書、新約聖書、ウェルギリウスやオウィディウス、カエサルやキケロのことです。
それは、ちょうど日本や韓国や中国が漢字文化圏諸国の一員として、中国の古典文学を共有しているようなもの、あるいは、アジアの仏教文化圏諸国が、古代インドにさかのぼる仏教文学を共有しているようなものです。
この「西洋古典文学」という全ての西洋諸国文学によって共有された遺産に対して、私たちは常に目を向けながら、古代ギリシア・ローマから近・現代に至る様々な西洋文学を自由かつ批判的に、すなわち比較言語文化的に取り扱って見ようというのが、私たち比較文学分野の「垂直軸」です。

近代文学の水平軸

フランス大革命以降、ヨーロッパに続々と近代国家が成立し、各国はそれぞれに特色ある文学を持つに到りました。「ドイツ文学」、「フランス文学」、「イギリス文学」等々、いずれも魅力的な文学です。ただし、それぞれの独自性ばかりに目を奪われていては、ヨーロッパ文学を正しく理解することはできません。というのも、各国の文学は閉ざされた領域を成すものではなく、逆に、互いに密接な関係を持っているものだからです。
実際、ヨーロッパ各国の近代文学は、互いに影響を与えたり、与えられたりしながら展開してきました。その背景には、情報伝達のネットワークの拡大があります。近代における文学的事件は易々と国境を越えるのです。第一次大戦後にフランスで生まれ、瞬くうちにヨーロッパ中に広まった「シュルレアリスム運動」などはその良い例でしょう。
人はともすれば文学を国別に考えてしまいがちなものですが、文学にとって国境とは決して絶対的なものではないのです。私たちの比較文学分野では、一つの国に特化することなく、各国間の相互関係を明らかにしながら、ヨーロッパの近代文学を考察します。例えば、移民や亡命者という優れて「横断的な」存在の文学(クンデラの作品など)を考察したりするのです。
要するに、「近代」という一つの時代に焦点を絞った上で、複数の国の文学の関係を―また国境をまたいで認められる文学的事象を―重点的に研究しようというのが、私たち比較文学分野の「水平軸」なのです。

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