信州大学

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2009年06月16日
【報告】 GCOE特別講演会 講師:クメール伝統織物研究所 代表 森本喜久男氏

平成21年5月25日、信州大学 繊維学部 総合研究棟において、カンボジアのクメール伝統織物研究所代表の森本喜久男氏による「ゴールデンシルクに魅せられて―カンボジアで産出される生糸の特徴と伝統的な染織技術のすばらしさ―」題する講演会が、信州大学繊維学部GCOEおよび信州大学SVBLの共催により開催された。
 会場は聴講者でほぼ満席となり、カンボジアのゴールデンシルクに寄せる関心の高さが伺えた。聴講者は学生86名、学内教員8名、一般者24名の総勢118名であった
  講演の概要は次の通りである: カンボジアで養蚕や絹織物に取り組んでいる。最近、研究所を訪れた日本人で、この織物は結城紬や上田紬とよく似ているという人がいた。その上田の地でお話しをする機会が得られたことは大変嬉しい。元々京都出身の友禅染の職人であったが、25年前にカンボジアの絹織物に出会い、以来カンボジアの養蚕、染色技術の調査と復興に携わってきた。カンボジアは1970年からの内戦で人や養蚕技術の多くが失われ、また養蚕に必要な自然までもが荒廃していた。村を訪ね歩き、辛うじて残る伝統技術を絶やさないようにと、2002年「伝統の森・再生計画」に着手し、その後22ヘクタールの森を取得、開墾して、現地の人とともに蚕を育て、ゴールデンシルクから織物を作るとともに、蚕を育てる桑や糸を染めるための植物を育て、村の中だけで織物ができる環境作りを目指して活動している。ゴールデンシルクでできた織物はカンボジア国王にも献上され、その品質の高さが評価されている。伝統は守るものではなく、私たちが作っていくものであると思っている。
 講演後の会場からは、森本さんが行っている伝統的な染織技術の復興活動は、日本における「村おこし」と通じるものがある、是非頑張ってほしい、と激励の言葉が寄せられた。また、外国(日本)から「伝統の森」に是非見学に来て、我々の活動の状況見てほしい、と要望が述べられた。
  講演後、廊下に展示されたパネルと織物の前で、実物に触れながら緻密な織物や染色技術について説明が行われ、多数の聴講者が参加した。
(担当:藤松 仁)
【報告】 GCOE特別講演会 講師:クメール伝統織物研究所 代表 森本喜久男氏
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